メガソーラー農水委質疑

2018年10月9日、農林水産委員会

林地開発許可基準と地元自治会不同意について

①メガソーラーの林地開発許可の具体的基準が要綱で定められているか?

②地形の大規模な改変と大量の太陽光発電パネルの設置によって浸透しなくなり、雨水の流出量が大幅に増えて、洪水リスクが高まるが、想定しているのは何十年に一度の雨量と定められているのか?

③さらに、残地森林率は何十%なのか?

④計画地から大量の雨水が秋山ダムに流れ込み堤を越流したら、秋山の堤は土羽なので、一気に決壊の恐れがあり、下流の石束自治会は水没の危険にさらされるので、自治会総会で、全会一致で反対されているわけだが、このことを承知しているのか?

⑤具体的には、昨今の集中的な豪雨のリスクにも備えた雨量の基準を定めているのか?

⑥私の一般質問への答弁は、「事業者が今後とも十分な説明を行い、地元理解を求めていくことを確認した」「協定の締結など、地域住民の理解を得て実施されるよう、引き続き事業者を指導していく」だったが、8月22日の許可後、事業者は自治会への働きかけを一切していないが、答弁は絵空事なのか?

⑥なお、最初は、厚狭川漁協、土地改良区、水利組合、石束自治会と事業者で協定を締結したいと事業者は熱心で、当初、2回開催された説明会で、自治会員の方が、調整池の作り方について、設計図では土砂が溜まって、貯水量が足りなくなると指摘すると、事業者も認めて設計変更するとの説明だったが、その場限りで、その後何らの説明も対応もない。そんなことで、とにかく押印を迫るばかりだったので自治会としては押印できないで推移してきた事実を、県は把握されていたものか、はなはだ疑わしいのだが、事業者の言い分だけで許可の判断をされたのではないか?この点についてどうだったのか?

(などを質問するも答弁に納得できず、繰り返し質問するも部課長は、オウム返し答弁を・・・。その内、自民党委員より、このやり取りだけで相当時間が経過している。個別の問題は、個別にやられたらどうか。の横槍がはいる)

(委員会終了後、事業主管課の森林整備課林地保全班の班長と技術主査から、議員控室で聞き取りの結果が以下のとおり)

①工事に着手してるのか。

 *万倉側から、すでに工事用道路に着手している。

②残地森林率は何パーセントか

 その根拠は何からか? 他県の状況を参考に判断したのか?

 *国の指導では、事業場(25%以上)を適用するようになっているが、今度の申請は、約40%の残地森林率になっている。他県の状況は参考にしていない。

③調整池の容量は、何十年洪水確率雨量(一時間雨量など)の想定ゕ?

 *国の基準で、30年洪水確率で、一時間雨量156ミリ。

 (国は、昨今の集中的な豪雨を踏まえ、従来の想定を超え洪水想定区域の前提条件を1000年に一度にしているが、これとの整合性が図られたのか)

*そのてんは、考慮していない。

 *平成25年の山口島根豪雨災害の時、山口市は、143mm/1Hだった。

④開発後の表面流出排水量を、森林皆伐前より何パーセント増大すると見ているのか?

*一般的に、30~40パーセント増大する。

 *調整池を設けることにより、開発前以下の流量になる計画になっている。

  *より安全になっている。

⑤草ぼうぼうになるのでは?

*砂利を敷き詰める計画になっている。・・・・(何?)

⑥20年後の施設はどうするのか?

 *完了後は、撤去して、さらに、造林を実施して原状回復を行う。と協定締結がされている。

⑦県として、地元自治会に説明する考えは?

 *許可を出した後も、引き続き、事業者に地元の理解を得るように指導している。

 


2018年9月議会・イージス・アショア配備について

20日、阿武町議会は住民から出されたイージス・アショア配備計画撤回を求める請願を全会一致で採択。これを受け阿武町長は「町民の安全・安心を損ない、まちづくりに逆行する」とし、反対を表明しました。

「地元自治体の政策判断を尊重する」と上関原発では言い続けているわけだから、阿武町の政策判断が示されたにもかかわらず、知事は「住民の不安や懸念が払拭されるよう対応してもらいたい」と、なお国に丁寧な説明を求めるとすることは、ダブルスタンダードではないか、お尋ねします。

東京新聞が9月18日の朝刊で、他国を武力で守る集団的自衛権の行使容認を柱とした安全保障関連法の成立から19日で3年。集団的自衛権の行使が想定されるケースとして、北朝鮮が昨年8月に予告した米領グアム島周辺への弾道ミサイル発射に対応するため、日本政府が導入を決めた地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」が迎撃に使われる可能性があることが新たに分かった。防衛省が本紙の取材に対し、見解を示した。 (新開浩)

グアムを狙う北朝鮮の弾道ミサイル発射予告を巡っては、小野寺五典(いつのり)防衛相が昨年8月に国会で「米国の抑止力の欠如は、日本の存立危機に当たる可能性がないとは言えない」と説明。安保法に基づく存立危機事態と認定されれば、海上自衛隊のイージス艦に搭載する迎撃ミサイルSM3で対応可能との認識を示した。

グアムの米空軍基地は、北朝鮮の核施設攻撃を担う戦略爆撃機を配備。日本に対する核攻撃を抑止する拠点とされている。小野寺氏の発言は、グアムの戦略爆撃機が出撃できなくなれば核抑止が効かず、日本の存立を脅かす可能性があるとの考えを示したものだ。

当時は地上イージスの導入決定前だったため、導入した場合の対処を本紙が防衛省に改めて確認した。同省担当者は「存立危機事態と判断した場合、迎撃のために使える武器は使えばいい。地上イージスで対応することも理論上は考えられる」と回答した。と報じています。

「集団的自衛権」とは、自国と密接な国が武力攻撃された際に、自国が攻撃されていなくとも実力をもって阻止する権利のことをいいます。 日本にあてはめれば、同盟国アメリカが攻撃された場合に、日本が攻撃されていなくとも反撃する権利を意味します。

つまりは、イージス・アショア配備は、アメリカの戦争にいや応なく巻き込まれる危険性を孕んでいるということではないか、お尋ねします。

その上で、知事として配備そのものの是非について判断すべきではないか、お尋ねします。

総務部長答弁・・・

イージス・アショアの配備について、3点のお尋ねにお答えします。

まず、上関原発で言い続けていることと、阿武町の政策判断が示されても、なお国に丁寧な説明を求めるとすることは、ダブルスタンダードではないかとのお尋ねです。

県としては、現在はまだ国による説明の途中段階であり、阿武町長も国の説明は今後も受けていく考えを示されていることから、まずは、国において地元への詳細かつ丁寧な説明をさらに重ねていただくことが重要と考えており、引き続き国に強く求めていくこととしています。

次に、配備は、アメリカの戦争にいや応なく巻き込まれる危険性を孕んでいるのではないかとのお尋ねです。

お示しの報道については承知をしていますが、集団的自衛権の行使や防衛装備であるイージス・アショアの運用は、国の専管事項である防衛政策に関する事柄であり、県としてお答えする立場にはありません。

次に、配備そのものの是非について判断すべきではないかとのお尋ねです。

イージス・アショアの配備については、北朝鮮情勢の変化も踏まえ、その必要性を国に照会したところ、「北朝鮮は、現実に我が国を射程に収める数百発の弾道ミサイルを保有しており、我が国の弾道ミサイル防衛能力の強化は喫緊の課題であることに変わりはない」との回答を受けているところです。

このことについては、今後も、北朝鮮情勢の動向等を注視しつつ、必要に応じ、適宜照会を行っていくこととしていますが、県としては、そうした国の防衛政策を尊重する一方で、県民の安心・安全を確保する立場から、言うべきことは言うとの姿勢で、引き続き、地元市町と連携しながら、適切に対応してまいります。


2018年9月・上関原発訴訟の再質問

①住民訴訟のことについて、戸倉さん、そして佐々木さんの質問に対しても、今回の住民訴訟の判断は、延長許可自体を違法としたものではないという答弁でしたけれども、この判決を良く読んでいただければ、2013年3月19日以降の判断留保は違法であり、その違法状態でなされた延長許可も違法性は免れないのではないか。ここが大きな争点で、全く延長許可自体を違法としたものではないという見解については、いかがなものかと思いますけれども、お尋ねいたします。

②そして、その上で、公有水面埋立法の13条の2に基づいて延長許可をされましたけれども、その前の公有水面埋立法の13条の書きぶりは、埋立の免許を受けたる者は、埋立に関する工事の着手及び工事の竣功を都道府県知事の指定する期間になすべしという規定となっています。

現在のところの、延長許可と同時に、村岡知事は、原発本体の着工時期の見通しがつくまでは工事を再開しないように中電に要請されています。そして、中国電力もこれに従っています。

さらには、中国電力の社長は、今年1月の記者会見で、国のエネルギー基本計画がどうなるか分からないというところで、このエネルギー基本計画に原発の新増設が盛り込まれなかった場合は、上関原発の埋め立ては難しいだろう、できないだろうと、こんな発言をされています。

そのことを受けてですけれども、エネルギー基本計画がこの8月に閣議決定されました。原発の新増設は盛り込まれませんでした。そこで、中電は、少なくとも、エネルギー基本計画は3年に1回見直しですので、中電は今後少なくとも3年間は、上関原発の建設工事はできなくなったということだと思います。そうしますと、次の見直しが2021年の8月まで、これまでは中電は着工できない。そうしますと、9年9ヶ月延長した許可も、来年2019年7月6日までです。

そうしますと、再々延長申請が出されても、延長後の期限は2022年7月5日ですから、工期は1年もなく、埋め立て工事が竣功する見込みはない、このことを今回の裁判では、裁判長が論じられた論理構成だと思います。このことについて、お尋ねをいたします。

土木建築部長答弁・・・

今回の訴訟で、延長許可も違法とされたのではないかとのお尋ねにお答えします。

今回の判決では、審査手続の一部について違法の瑕疵を帯びるとされたところですが、そもそも、本訴訟は財務会計上の行為を対象として争う住民訴訟であり、免許の効力を争う訴訟ではないことから、延長許可自体が違法と判断されたものではありません。

次に、中国電力が、再度、延長申請をした場合は、どう対処するのかとのお尋ねにお答えします。

事業者から申請がなされた場合は、その時点において、正当な事由の有無を審査の上、許可の可否を判断し、公有水面埋立法に従って、適正に対処します。


2018年9月・上関原発用地埋立免許住民訴訟の一審勝訴

711日、上関原発用地埋立免許に関する住民訴訟において、山口地方裁判所は、「山口県知事が、2013319日に、同日付書面で中国電力に対し、2014411日を回答期限とする補足説明を求めることとして、判断を留保した時点で、その回答期限から、許可を求めている延長後の期限(2015106日)まで1年半に満たない状況であり、その日から延長後の期限までに埋め立てが竣功する可能性があることが合理的に認められるとはいえず、竣功しない蓋然性がある時期を超過して、判断を留保することは、裁量権の逸脱として、2013319日以降の判断留保について、違法の瑕疵を帯びるといわなければならない」としました。

 そこで質問は、当時の前山本知事そして村岡知事が、この一連の判断留保の是非について、県の顧問弁護士への相談の有無をお尋ねします。

 有った場合は、どういった見解がなされたのか、お尋ねします。さらにその記録は作成されているのか、お尋ねします。

 次に、知事の判断先送りの是非について、再三、協議を重ねた国交省の見解について、平成241113日の復命書には、「行政処分の時期については、県の判断である旨を確認した」との記載があるが、数年にわたる判断先送りを国交省が合法として容認したということだったのか、お尋ねします。

 さらには、行政処分の判断先送りが数年先まで許される根拠、明文化された関係法令等を提示されるよう、お尋ねします。

土木建築部長答弁・・・

上関原発計画についてのお尋ねにお答えします。

 公有水面埋立免許延長許可については、埋立免許権者として、適正な審査を行う責務があることから、事業者に補足説明を求めながら、許可の要件である正当な事由の有無を判断したものであり、今回の判決において、反論の機会も与えられず、瑕疵があるとされたことは、承服しがたいと考えています。 

県としては、判断の留保や先送りをしたものではなく、お示しの「判断留保の是非」という観点から、弁護士や国の見解を求めたことはありません。

なお、延長許可については、公有水面埋立法第13条の2の規定に基づき、厳正に対処したところです。

 


2018年9月・公契約条例の制定を

これまでも公契約条例の制定について取り上げてきましたが、答弁は「国の動向を注視するとともに、他の自治体での導入事例や検討状況などの情報収集に努める」で、議論が進まないままです。

しかし、今や全国各地でみずからの意思により次々と条例制定が進んでいます。独自に賃金等の下限額を設定する条例を制定している自治体は全国で19、理念を定めた条例はその他多数、また、都道府県レベルでも、平成26年の長野県を初め奈良県、岐阜県、岩手県、愛知県、そして沖縄県が条例を制定しています。

特に、長野県や奈良県では知事の選挙公約に掲げ、速やかに条例制定に至ったとも聞いています。

また、愛知県では、建設工事で予定価格が六億円以上の工事請負契約、一千万円以上の業務委託契約に、受注者だけでなく、全ての下請業者と再委託事業者にも、一日当たりの賃金単価の平均額や最低限の労働者の賃金の報告書を求めることを規定するなど、公契約条例を労働・雇用施策の推進手法として活用している例も見られます。

私は、6月定例会で建設技能者の人材不足の解消について伺いましたが、中小・零細企業の労働者不足や処遇改善は喫緊の課題になっています。

公共工事設計労務単価は、ここ数年引き上げ傾向にありますが、なお低水準であり、単価の引き上げが自動的に現場の技能労働者の労働条件の改善や賃金増額につながるわけではありません。今の状況は、低賃金がゆえに職人が定着せず、職を求めて首都圏へ流出、その結果、地方の人材不足が生じ、技術の伝承ができなくなり、後継者が育たないという労働・雇用環境の悪循環に陥っています。

政府も働き方改革実行計画を策定し、同一労働同一賃金、長時間労働の是正のほか、賃金引き上げや労働生産性の向上などを掲げるなど、今や国を挙げて改革を推進しています。

こうした中、まずは県民や労働者の目に見える形で、公契約における適正な労働条件や賃金水準の確保に率先して取り組む姿勢を示すことが重要であり、そのためには実効性ある条例を制定することが必要と考えます。そして、条例制定により、透明性、競争性の確保、工事やサービスの質の向上など、さまざまな課題解決に加え、労働・雇用環境の改善により県民生活を豊かにし、生涯にわたり住み続けたい県として、定住促進にもつながっていくものと考えます。

そこで、公契約条例を制定する自治体が増加する中で、本県においても県民や労働者の声を聞きながら公契約のあり方を考え、条例制定に向けた検討を進めていくべき時にきていると考えますが、御所見をお伺いいたします。

会計管理局長答弁・・・

公契約条例の制定についてのお尋ねにお答えします。

公契約における適正な労働条件や賃金水準の確保は、労働・雇用環境の改善につながる重要な課題と認識しています。

このため、県としては、公共事業の労務単価を毎年引き上げ、入札参加者等に適正な額による賃金の支払いを要請するとともに、人件費の割合が高い業務委託等に、低入札価格調査制度を導入するなど、労働環境の確保に努めているところです。

こうした中、他県においては、6県が公契約に関する条例を制定していますが、いずれも適正な労働環境に係る基本理念や現行法令の順守を定めたものとなっており、最低賃金法に定められた最低賃金を上回る、独自の賃金条項を規定した条例を制定した県はありません。

公契約条例については、多様な職種を網羅する賃金水準を自治体が独自に設定することや、同一企業内の同一職種において、公契約に従事する者としない者との間に賃金格差が生じることなど、様々な課題が指摘されています。

また、国においても、公契約の法制化について検討されているところですが、賃金等の労働条件は関係法令に反しない限りにおいて、労使が自主的に決定するものであり、賃金等の基準を新たに設ける公契約法の制定には、慎重、かつ幅広い観点からの検討が必要としています。

こうしたことから、公契約条例の制定について、県としては、労働関係法制を所管する国の法制化に係る動向を注視するとともに、引き続き、他の自治体での検討状況など、情報収集に努めてまいります。


2018年9月・私有地の土砂災害対策を

 最近、いつどこで豪雨災害が起こっても不思議でないくらいの警戒心をもって過ごさなければならなくなっています。

 豪雨の際、土砂災害の危険性がある地域での対策を盛り込んだ「土砂災害防止法」に基づく「土砂災害警戒区域」に指定されているのは全県で25,604か所あるようですが、ハード及びソフト両面における対策にどう取り組むのかお尋ねします。

 そして、急傾斜地のがけくずれ対策事業には県や市町の採択基準があり、この採択基準に満たない私有地の対策が進んでいないようですが、近年の土砂災害の頻発状況を見るにつけ、県として何らかの支援策をすべきですが、お尋ねします。

村岡知事答弁・・・

中嶋議員の御質問のうち、私からは、私有地の土砂災害対策のうち、土砂災害対策の取組についてのお尋ねにお答えします。

本県は、県土の8割以上を山地や丘陵地が占めるなど、地形的・地質的特性から、多くの土砂災害危険箇所を有しており、また、平成21年、25年、26年と、近年、甚大な土砂災害が頻発しています。

このため、県としては、県民の生命・財産を守るため、近年災害が発生した箇所、要配慮者利用施設や避難所が立地する箇所等、危険性や緊急性の高い箇所から重点的・計画的に対策を進めていくこととしています。

こうした中、平成30年7月豪雨の土石流により、3名の尊い命が失われるなど、県東部15箇所において、甚大な被害が発生したことから、再度災害防止に向け、直ちに国との協議を進め、既に、災害関連緊急事業の採択を受けたところであり、速やかに砂防堰堤等の工事に着手していく考えです。

また、これらの土砂災害防止施設を整備するためには、多くの費用と期間を要することから、ハード対策と併せて、ソフト対策も進める必要があります。

このため、大雨時に住民が迅速かつ的確に避難できるよう、土砂災害降雨危険度等をリアルタイムで提供する「土砂災害ポータル」の機能の向上や、土砂災害ハザードマップを活用した要配慮者利用施設での避難訓練の充実など、情報提供や普及啓発活動に積極的に取り組んでいるところです。

私は、今後とも、県民の安心・安全の確保に向け、市町などの関係機関と緊密に連携し、ハード・ソフト両面から、土砂災害対策を推進してまいります。

土木建築部長答弁・・・

私有地の土砂災害対策についての御質問のうち、がけ崩れ対策事業の採択基準に満たない私有地の支援策についてのお尋ねにお答えします。

急傾斜地のがけ崩れ対策については、土地所有者もしくは被害を受けるおそれのある方により実施していただくことが原則です。

しかしながら、多額の費用負担や技術的な困難性などの理由により、土地所有者等が対策を行うことが困難な場合には、国の基準に基づき、県や市町が工事を行うこととしています。

これに加え、県では、国の基準に満たない場合でも、高さ5m以上のがけ崩れが発生し、人家2戸以上に被害が及ぶと認められる場合には、市町に対し、工事費の補助などの支援を行っているところです。

こうしたことから、県によるさらなる支援は考えていません。

 


2018年9月議会・自然と共生した再生可能エネルギーを

 

 

再生可能エネルギーは、温室効果ガスを排出せず、国内で生産できることから、エネルギー安全保障にも寄与できる重要な低炭素の国産エネルギーです。

2012(平成24)年7月に再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT制度)が開始されたことを契機に、その導入が大きく進んでおり、現在、導入された再生可能エネルギーの9割以上が太陽光発電となっているようです。

そもそも、太陽光発電の技術は本来、個人の各戸の屋根に設置してエネルギーの自給を目指したり、小地域で共同で地産地消を図ったりして、電力供給網から離脱(オフグリッド)してエネルギー自立を実現するにふさわしい技術だと専門家は言っています。

しかし、FITによって全国各地でメガソーラー(1MW以上の出力を持つ太陽光発電施設)の建設ラッシュが起こっています。脱原発の実現への期待が導入当初高まりましたが、今や、景観を乱すだけでなく、今までにない大規模な土地造成・森林伐採による環境悪化、水源への影響、災害誘発など、様々な問題が浮き彫りになっています。

そこで、2016(平成28)年11月定例会で、我が会派の佐々木代表が、「再生可能エネルギーの普及促進が求められていますが、特にメガソーラー導入に当たって、地域住民の理解や自然環境保全との調和、両立は絶対に欠かせない条件です。全国、多くの自治体では、メガソーラー導入にあたって、自然環境や生活環境への影響が懸念される事態に対処するため、環境影響評価制度や環境影響評価条例、景観保全条例などの対象事業とするなどの取組が進んでいます。そこで、メガソーラーの導入に当たっては全国の先進事例に見習い、本県でもこうした取り組みを進めるべき」と県の対応を質しております。

今のところ本県では、メガソーラー計画が持ち上がった時に建設を抑制する有効な手段となる条例等を持ち合わせていない。従って、担当部署の皆さんのご苦労は大変なものであろうとお察ししていますが、今後も、手をこまねいて居ればメガソーラー建設圧力はますます強まるだろうと思います。なぜなら、経産省のエネルギー基本計画では、2030年までに原発を今からさらに22基も再稼働させて30基の運転を確保するといったとんでもないことになっていて、それではあまりに露骨なので、それと並んで再生可能エネルギーを主力電源と位置づけ、原発と同様に電源構成全体の2割ほどを担わせる。原発を生き残らせるために『再生エネルギーもちゃんとやっている』というポーズを取っている

だからこそ、今のうちに事業者に対して適切な環境配慮を求める条例・制度を早急に作っておかなければ担当部署は大変なことになりはしないかと懸念しております。

 

具体的にお尋ねします。

(1)メガソーラーに係る森林保全規定について伺います。

近年の報道状況から、メガソーラー事業における環境保全等に係る主な問題点として、

①傾斜地等における土砂災害

②造成工事に伴う濁水による内水面漁業・漁業・農業等、関連産業への   影響

③森林伐採に伴う保水力の低下による地下水、湧水等の水象・水質への影響

④森林伐採に伴う動植物・生態系への影響

⑤森林伐採及び太陽光パネルの存在による景観への影響

⑥地域住民が重要視している場所への水害等の影響

⑦事業計画や工事着手前の住民説明の不足

などが挙げられています。

これらの問題等に対処しようにも、現行の森林法・施行令・施行規則・施行細則および林地開発許可制度の実施に関する要綱には、もともとメガソーラー事業への対処は想定に入っていないのではないのか、お尋ねします。

さらに、例えば兵庫県では、昨年、事業用地5千平方メートル以上の太陽光発電施設等を設置する業者に、地域住民への事前説明や事業計画の届け出を義務付ける条例を制定。景観や安全面の施設基準に適合しない場合は業者に指導や監督をする。事業計画や設置者の変更の届け出をしない、虚偽の届け出をした場合などは罰金。この基準に森林の保全規定を追加。50㌶以上の施設を整備する際は、区域内に60%以上の森林を残すよう義務づけ土砂災害を防止する運用を始めた。と報じられています。

そこで、本県でも兵庫県にならい森林保全規定を設けるべきですが、お尋ねします。

(2)メガソーラーに係る環境アセスメントについて伺います。

調査したところ静岡県では、広大な森林伐採を伴うメガソーラー建設計画が各地で持ち上がり、森林からの土砂流出や環境破壊の懸念が生じていることから乱開発の規制を検討し、敷地面積が50㌶以上または森林伐採が20㌶以上に及ぶ場合は環境アセスを義務づける等の静岡県環境影響評価条例施行規則を改正したところであり、平成31年3月の施行後は、太陽光発電活用と地域の環境や景観の両立を図ることが可能になるとしています。

報道による最新事例でなくとも、環境省が出している「太陽光発電事業の環境保全対策に関する自治体の取組事例集」(平成30年6月版)によれば、32府県が太陽光発電事業を環境影響評価手続の対象とすることで、事業者による適正な環境配慮を促しております。本県も習い、メガソーラーを環境アセスメントの対象とすべきですが、お尋ねします。

なお、国においても、環境省がこの7月3日に、大規模な太陽光発電所を、環境影響評価(環境アセスメント)法の対象に加える検討を開始することを明らかにしており、法の対象になると事業者は計画段階で、環境影響の調査や住民説明会の開催が義務付けられることになります。8月には、有識者を交えた検討会を立ち上げ、具体的な議論を開始した国の動きなども踏まえての見解をお示しください。

(3)県民に寄り添った行政処分について伺います。

2月定例会で槙本議員が、岩国市美和町の元ゴルフ場開発予定地での、事業区域面積が200㌶を超えるメガソーラーの建設計画が地元住民との十分な合意がないままに進められているとすれば、問題がある。県は、この岩国での計画を含め、メガソーラー建設計画にどう対応するのか質されました。

答弁の要旨は、「再生可能エネルギー発電事業は、地域住民の合意形成も含め、一義的には国の責任において適切な事業実施の確保が図られるべきもの。

事業計画の認定等を行う経済産業省に対し、地域の不安が増大し、陳情書等が提出された状況を詳しく伝えるとともに、十分な合意形成に向けて事業者を指導するよう要請した。その後、岩国市からも地域の事情に配慮するよう要請を受けており、今後、市とも連携し、国に対し適切な対応を求めてまいります。

その上で、FIT法に基づき認定された今回の事業計画については、事業者から林地開発の許可申請があれば、県において森林法に照らし厳正に審査することになります。

また、こうした問題は全国的に生じていることから、全国知事会においても、再生可能エネルギー発電事業者に対して、地域住民への事前説明を義務づけるなどの法整備を図るよう国に要望しているところです。

県としては、今後とも、メガソーラー建設計画については地域住民の理解を得て実施されるよう、国の動向や他県の状況に関する情報収集に努めながら、適切に対応してまいります。」

「地域住民の理解を得て実施されるよう、適切に対応する。」との趣旨の答弁でしたので、県としては県民に寄り添った意思形成が図られるものだろうと思っていました。

ところが、我が街・山陽小野田市と宇部市にまたがる山林等、約91haに30MWのメガソーラー計画については、一番影響を受ける自治会の同意なしに、森林法の定めによる四つの要件(水害・災害・水の確保・環境保全)を充たしておれば許可しなければならないとして、許可されたようです。この行政処分と2月定例会答弁とは全く整合性がありませんが、どうなっているのか、お尋ねします。

計画地下流域の石束自治会に事業者代理人より昨年2月に賛同を求める説明会が開催されていますが、自治会として同意しないままで経緯していたところ先月の8月22日付けで「山口県が林地開発許可を出したようだ」と、人づてに聞かされたことを受け、9月4日に石束自治会臨時総会が開催され、自治会として改めて納得できないことが全会一致で確認され、当面、太陽光発電事業の林地開発に係る事業者からの許可申請書の添付書類のうち、

①同意をしていない周辺権利者たる石束自治会との話し合いの経緯の状況を記載した書類

②山陽小野田市長の意見書

③許可に当たり条件を付している場合は、その内容を期した書類

の3点についての公文書開示請求を自治会として9月19日に行われたところ、翌日の20日付で、早速、決定期間延長通知書が自治会長に送付されてきました。

情報公開条例の規定に基づいた処分には違いないが、自治会としては事業者から同意を得たいとの働きかけについて、ほとんど受けた認識がない中での寝耳に水の林地開発許可であり、事業者が同意が得られなかった理由・経緯をどのように述べているのか正確に知ったうえで、事後の対応を協議しようとの意図での開示請求が、事業者と思慮される第三者の意見を聞かなければならないとして21日間も延長された判断は、県民に寄り添った処分とは到底思えず、この県民の知る権利及び利益を著しく侵害する処分についての見解、妥当性について、お尋ねします。

また、21日間延長した根拠についてもお尋ねします。

念のため確認しておきますが、石束自治会は同意していないからか本件の林地開発許可がされたことを許可権者たる県知事からも、その他だれからも通知されていませんが、こうしたケースの場合、行政不服審査法でいうところの「処分があったことを知った日」は何月何日なのか、最後に、お尋ねします。

農林水産部長答弁・・・

自然と共生した再生可能エネルギーについてのお尋ねのうち、メガソーラーに係る森林保全規定についての2点のお尋ねにお答えします。

まず、現行の森林法等におけるメガソーラー事業への対処についてですが、県では、林地開発許可に際し、森林法で定める災害防止や環境保全等の許可要件に則した審査に加え、関係市町から意見を聴取するとともに、10haを超える大規模開発は、森林審議会に諮問することとしています

お尋ねのメガソーラー事業についても、こうした許可要件や手続きに基づき審査を行っているところです。

次に、本県でも兵庫県のような、森林保全規定を設けるべきではないのかとのお尋ねです。

県では、森林法や県要綱に基づく基準に照らし、法面の安

定性や洪水調整池の規模、景観や周辺環境への影響等について、まず書類審査を行い、更に現地調査を実施した上で、許可の適否を判断しているところであり、森林が果たす災害防止機能や環境保全機能は確保できるものと考えています。

また、お示しの兵庫県条例にある地域住民への事前説明などについても、現行の許可制度で対応しているところであり、県独自の規定の制定は考えていません。

環境福祉部長答弁・・・

メガソーラーに係る環境アセスメントについてのお尋ねにお答えします。

太陽光発電施設については、供用後、操業に伴う排ガス・排水・騒音等が発生せず、著しい環境影響が想定されないことから、国は環境影響評価法の対象事業としておらず、県においても同様に環境アセスメントの対象としていません。

このような中、近年、林地開発に伴う大規模な事業計画の増加等に伴い、周辺の環境影響への懸念や地元住民の不信・不安が増大するなどの問題も顕在化してきています。

国においては、こうした状況を踏まえ、お示しのとおり、環境影響評価法の対象事業への追加について検討に着手したところです。

県としましては、まずは、こうした国の動きを注視していきたいと考えています。

農林水産部長答弁・・・

県民に寄り添った行政処分についての3点のお尋ねにお答えします。

まず、県が森林法に定める要件を満たしていることをもって許可したことと、地域住民の理解を得て実施されるよう適切に対処するとした2月定例会答弁との整合性についてです。

林地開発許可にあたっては、事業者に対して、県要綱に基づき、関係者の同意の取得を指導していますが、今回の事案については、一部の関係者の同意が得られなかったことから、これに代わる経緯書等により、事業者が今後とも十分な説明を行い、地元理解を求めていくことを確認したところです。

県としては、開発後の適正な維持管理や環境保全に係る協定の締結など、林地開発が地域住民の理解を得て実施されるよう、引き続き事業者を指導していくこととしており、2月定例会答弁と不整合との御指摘はあたらないものと考えています。

次に、開示請求を延長した判断についての見解と妥当性、また、21日間延長した根拠についてです。

情報公開請求の対象となる公文書に、第三者に関する情報が記載されていることから、県情報公開条例第9条の規定に基づき、第三者への意見照会が必要と判断したところです。

 なお、21日間の延長期間は、第三者に意見照会を行うため必要かつ合理的な期間と考えています。

最後に、行政不服審査法における「処分があったことを知った日」とはいつかとのお尋ねですが、原則として処分があったことを現実に知ることとなった日となります。

再質問・・・

先ほど、環境福祉部長、環境アセスについて、国の動向を見定めてという話でしたけれども、こういうのは、各県でもそうなんですけど、独自で作っておかないと、既に、今、事業計画が進んでいるとか、手続きが進んでいるというのは、後に法律、条例が整備をされても、それはもう適応できないということになってますので、一日も早く作る必要がある。これが各県で多く作られているという状況、そこのところをぜひ御認識をいただかないと。もう既に、県内でも計画が進んでいるかも分からないところには、県がこういう条件を付けようとしたって、もう既に間に合わないということになるから、早く作って欲しいと、そういうことを、ぜひもう一度、お尋ねをさせていただきたいと思います。

それともう一点、太陽光発電と言えば、本当に再生可能な自然エネルギーで環境に優しいというのが特徴です。自然のままの森林をですね、切り開いて、木を切り倒し、峰を削り、谷を埋め、川を殺して、とことん環境を破壊した上にメガソーラーを造るなどという話があり得るでしょうか。

山口県の第3次環境基本計画を読まさせていただきました。平成32年度までの計画です。これには、再生可能エネルギーの導入促進の項があります。太陽光発電の普及・拡大ということには、こんな書きぶりがしてあります。『エネルギーの「地産地消」や太陽光発電の普及・拡大は、エネルギーの地産地消や災害時の自立分散型電源の確保、産業振興等の観点から、家庭、工場・事業場、公共施設、防災拠点施設への、太陽光発電の普及拡大を図ります。』ということで、あの有名なソフトバンクさんも、工場の遊休地を活用してやるということで、森林を削りあげてメガソーラーを造るということについては、なんらかの規制を一日も早く作るべきだと、このように思います。

50haから100haもの森林を皆伐して太陽光パネルを敷き詰めようと、この山口県第3次環境基本計画も言ってないじゃないですか。森林保全規定を定めた条例を、環境アセスを含めて、ぜひ早急に作られるよう検討されるべきではないかということで、再度お尋ねをいたします。

環境福祉部長答弁・・・

一日でも早くメガソーラーをアセスの対象とすべきとの再質問にお答えをいたします。

先ほど答弁を申し上げましたとおり、太陽光発電につきましては、国において環境影響評価法の対象事業への追加について、検討に着手したところでありまして、この検討会は、今年度末には、検討結果を出すというふうな予定であるいうふうにも聞いております。

県としましては、その検討内容について、やはり、見極めて判断をする必要があるというふうに考えおりますので、まずは、こうした国の動きを注視していきたいというふうに考えております。

 

 


2018年6月県議会・反対討論

反対討論(2018.7.6)

社民党・市民連合の中嶋光雄です。反対討論を行います。

我が会派は、提案をされています議案のうち、第3号及び第4号について反対をいたします。他の5議案については賛成をいたします。そして、意見書2件にも賛成します。請願3件は全て不採択ですけれども、全て採択すべきであると考えますので、不採択に反対をいたします。

まず、議案第3号及び第4号の反対理由について発言をいたします。

いずれも平成31年4月から指定管理者制度を導入することに伴い、関係条例の一部を改正しようとするものですので、一括して反対意見を述べさせていただきます。

指定管理者制度は2003年に、政府主導の「官から民へ」の規制緩和の流れの中で導入された制度であり、公の施設の管理運営を民間に委ね、経費削減とサービス向上を同時に図ることが目的とされています。

本県でも既に多くの施設で導入され、平成27年12月定例会では43もの施設において一斉に指定管理者の指定更新に係る議案が提案可決されています。

指定管理者制度の導入が、県民サービスの向上に寄与するためには、委託労働者の雇用、身分保障の確保が大前提であり、低コストの管理運営で安上がりの労働者を生むことにつながっては断じてなりません。

近年、非正規・低賃金の不安定雇用が蔓延しています。官公庁も例外ではなく、「官製ワーキングプア」が問題視され、「地方公務員の臨時・非常勤等職員の処遇改善」について2月定例会の一般質問を通じて追及してきました。

また、労働環境に問題があると行政サービスの提供に悪影響を与えるおそれがあることから、間接雇用の労働者の賃金などをチェックするため、公契約条例を制定すべきだとする一般質問も行い、公契約条例を制定する自治体も出てきていることも指摘してきました。

しかし、本県においては、指定管理者の労務管理に関する情報は事実上ブラックボックスとなっています。情報公開条例では、指定管理者を情報公開の実施機関として位置付けておらず、請求権がありません。また、協定書や業務仕様書で調査権が認められているとは言うものの、実効性がありません。

例えば、28年6月定例会で、「指定管理者や委託業者との災害時の協力体制について」尋ねたところ、答弁は、「避難所等の防災拠点としての活用が想定される指定管理施設については、業務仕様書において、災害時に優先して避難者等を受け入れることなど、緊急時の対応を定めていることから、協力体制は確保できていると考えており、県の全ての指定管理者や委託業者との協定書などを総点検することは考えていない。」との答弁しか返ってこなかったことなどからして、実効性があるとは到底思えません。

指定管理料として税金が投入されるにもかかわらず、その使途を十分に検証することができないのは問題です。改めて、公契約条例の制定を要求し、反対討論にします。

また、ようするに、議案第3号は、「やまぐち維新プラン」の生活維新で、「障害者の活躍」について「2020東京パラリンピックを契機に、スポーツや文化芸術活動へ参加しやすい一層の環境づくりや、障害者トップアスリート・障害者アーティストの育成が必要」と細かく謳いながら身体障害者福祉センターの相談機能部門は切り離し、プールと体育館のみを残して、この管理業務に指定管理者制度を導入することで行財政構造改革による人件費削減を図ろうとするものに他ならず、謳い文句と違うので反対です。

また、議案第4号は、山口県立都市公園条例に亀山公園と共に直営で残していた山口きらら博記念公園へ指定管理者制度を導入しようとするものだが、亀山公園がほとんどのエリアを山口市が管理しているため特に県として管理をしていないのと違い、山口きらら博記念公園は、「きらら博」、「国民文化祭」、「国体」、「ジャンボリー」と大イベントを連続開催してきた公園で、明治150年プロジェクトの中核イベントである「山口ゆめ花博」の会場にもなっている県の象徴的公園施設の筈だが、「ゆめ花博」でお役御免とばかりに、行財政構造改革で幕引きを図ることに違和感を覚えざるを得ないことも反対する理由だと申し添えておきます。

次に、請願についてです。第1号、第2号、第3号を不採択とすることに反対します。

請願第1号 「国の責任による35人以下学級の前進」を求めることについての不採択に反対をします。

本県では、平成14年度に中学校1年生の35人学級化の取り組みを始められ、順次拡大して、平成23年度に全国に先駆けて小中学校全学年の完全35人学級を実施、本年度も、「小1プロブレム」など課題の解決を積極的に行う学校に対して、30人学級加配教員を配置。そして児童生徒の状況に応じたきめ細かな指導体制の充実を図るため、35人学級化のための教員配置を継続するための給与費を確保されています。

本県の少人数学級、少人数指導の推進は全国に誇るべき先進的取り組みであり、子供の数が減少している今をチャンスとして捉え、国の責任において推進すべきとする本請願は、まさに時宜を得た請願であると思い、採択すべきです。

請願第2号 国の教育予算をふやして「高校無償化」を復活し、給付制奨学金制度の確立を求めることについての不採択に反対します。

OECD(経済協力開発機構)は、加盟国を中心に世界各国の教育制度や財政、教育の効果についての調査を実施し、国際的な指標として公開しています。最新は2015年11月に発行された「図表でみる教育2015年版」ですけれども、これによると、日本の教育機関に対する公的支出は、国内総生産(GDP)の約3.5%となっており、OECD各国平均の約4.7%を大きく下回っており、加盟国34カ国中最下位で、日本の最下位は6年連続だそうです。

また、日本の高等教育、大学等への公的支出は、GDPの約0.5%で、OECD平均の半分以下です。その結果、日本では大学等にかかる費用は私費に依存し、教育費の公的支出の割合は約3割にとどまっています。

さらに、大学の授業料に関しては、デンマーク、ノルウェーなど、北欧では無償です。フランスやベルギーなどのヨーロッパ諸国でも比較的低額に抑えられています。一方で、日本は韓国と並び、授業料が最も高額な国の一つになっています。

加えて、日本の奨学金制度は、諸外国に比べて、公的資金による給付型の割合が極めて低く、ほぼ全てが貸与型です。返済の必要のない給付型と違い、学生のその後の生活に負担がかかる日本の貸与型奨学金は、OECDでは学生ローン、英語でstudent loansと分類されています。

近年、経済格差の教育格差への影響が指摘されています。こうした教育環境下で、大学進学の意志があっても、家庭の経済状況によって進学を諦めざるを得ない子供や、卒業後に奨学金の返済に苦しむ若者の問題などが顕在化しています。

こうしたOECDの指標からも請願者の言われていることは至極当然であり、

教育予算の大幅増や高校授業料無償化制度の復活、国立大学の授業料値下げや給付制奨学金制度の確立など、社会全体が教育を支える方向に転換できれば、それこそ、出生率の向上も期待できるはずであります。

よって、本請願は採択すべきです。

最後に、請願第3号 「給食費の無償化」を求めることについての不採択に反対します。

憲法第26条は、義務教育は、これを無償とするとしています。

また、請願者も要旨で言われているように、学校給食は食教育の「生きた教材・食の教科書」として、学校教育法でも教育活動の一環に位置づけられています。

しかし現に、「夏休みにやせてしまう子どもがいます。学校給食を食べられないからです。育ちざかりの子どもにとって食事は大事です。いまは子ども食堂が全国に広がっています。山口県でも広がりつつあります。もちろんそれも大事だと思います。

子どもたちの居場所や食事のできる場所があるのは望ましいことです。ですが、そこで救済できるのは10人とか20人とか、あるいは月に何回とか限界があります。やっぱり政治が子どもたちの食事を守らないといけないと思うのです。

全ての小中学校で学校給食を実施し、給食費を無償にすることは、子育て支援に繋がると思います。平均年収が400万円の家庭で、私立高校と公立中学に通う子どもがいる場合、税金や授業料を引いていくと可処分所得は200万円を切ります。子育てにお金がかかるのは少子化の要因のひとつです。所得で線引きするとボーダーラインが生じるので一律に給食費の無償化を国の責任で行うべきです。

安倍首相も教育の無償化を言われているわけですので、本請願を採択することを求めます。

以上をもちまして、我が会派を代表しての討論にかえさせていただきたいと思います。

御清聴ありがとうございました。