小野田港および厚狭港の港湾整備について
小野田港は昭和35年には重要港湾に指定され、石炭、鋼材、金属屑などを中心に年間約400万トンの貨物を取り扱う工業港として発展してきました。 しかし、ここ十数年間は海岸高潮対策、海岸老朽化対策事業や単独港湾事業などは行われてはいるものの、国際バルク戦略港湾の推進の陰になってしまって、大きな事業からは取り残されています。 山陽小野田市は製造品出荷額が周南市、防府市に次いで県内第3位とポテンシャルの高い街です。そして隣接立地企業の中には、トラック輸送から船舶輸送に切り替えたい構想を持たれた企業もあることから、小野田港の港湾整備の再開の時期が来ていると思うわけでして、県としてのご見解をお尋ねします。 厚狭港についてです。 2007年7月の集中豪雨により二級河川厚狭川の堤防を越流した濁流が厚狭市街地を襲い甚大な洪水被害をもたらしました。 その後、河床掘削などの洪水対策事業が順調にすすめられてきていますが、厚狭川河口付近にはヘドロ土砂が数メートルの深さで堆積したままになっています。事実、梶漁港と高泊漁港から沖に出漁した漁船は満潮時でなければ帰港できない状態が長年続いています。 地元の人たちは、昔はこれほどたまっていなかった。いわば厚狭川の出口がふさがったようなものだから、また集中豪雨にでもなれば上流は氾濫するいね。と心配されています。 そこで、お尋ねは、河口付近の管理区分が、河川海岸、農林海岸、港湾海岸、そして高泊漁協区域と梶漁協区域そして厚狭港港湾区域と複雑になっているので、堆積土砂の浚渫がややこしくてできなくなっているのか、どうなのかを、先ずお尋ねします。 そもそも、こうした状態を県は把握されていると思いますが、今後の対策についての見解をお聞かせください。
土木建築部長答弁
まず、小野田港についてです。 小野田港は、地域の産業を支える重要な港湾であることから、船舶による輸送の効率性や安全性を高めるため、平成23年から25年にかけて、約8万立方メートルにも及ぶ大規模な航路・泊地の浚渫工事も行ったところです。 県としては、今後とも、企業ニーズや取扱貨物の動向、地元山陽小野田市の意向等の把握に努めてまいります。 次に、厚狭港についての2点のお尋ねに、まとめてお答えします。 厚狭川については、平成22年7月の大雨災害により、厚狭駅を中心に甚大な浸水被害が発生したことから、同年度より、大規模な川底(かわぞこ)の掘削など、集中的な河川改修事業に着手し、平成29年度には一連区間の対策が完了しました。 河川改修事業の実施にあたっては、被災流量を安全に流下させる断面を確保するため、一般国道190号の厚狭川橋から上流部について、川底(かわぞこ)の掘削や川幅の拡幅等を行ったことから、河口付近の浚渫をしなくても氾濫の危険はありません。 一方で、高泊(たかどまり)漁港及び梶(かじ)漁港については、山陽小野田市が管理する漁港であり、市では、地元の意向を踏まえ、漁船の航路等を確保するため、今年度から梶(かじ)漁港の浚渫工事に着手したところです。