国保県単位化の検証を

2019年6月議会

 国民健康保険に関し、まず、2年目に入っている県単位化について1年やってきた検証を踏まえての、この事業の意義についてです。  

 国民健康保険法第1条には、「社会保障及び国民保健の向上に寄与することを目的とする。」と書かれています。  県単位化によって、本県の社会保障及び県民保健の向上にどのように役割を発揮しようとしているのか、伺います。  

 次に、県内の国保の格差についてです。  市町別の所得の格差による保険料率の違い、法定外繰り入れの実施内容、保険料軽減制度の適用状況や、同じ収入の世帯でも保険料が違うこと、資格証明書や短期被保険者証の発行の取り扱いなど、それぞれ大きな格差になっているとお考えですか。伺います。  そのもとで、国保制度の運用の統一を図るには無理があるのではないですか、伺います。  

 次に、保険料の算定方式についてです。  市町によって、所得割、平等割、均等割、資産割の組み合わせで保険料を算定しています。  算定方式について、知事は、今後どうあるべきとお考えか、伺います。  

 次に、国保料負担の軽減についてです。  2014年、全国知事会は、国保料を協会けんぽ並みに引き下げるために、1兆円の公費負担増を政府に要望しました。私ども社民党も賛成です。  知事は、公費負担をふやすことで国保料を被用者保険並みにすべきとお考えですか、伺います。

答弁

(知事答弁)・・・ 中嶋議員の御質問のうち、私からは、国保制度における県の役割についてのお尋ねにお答えします。  新しい国保制度は、社会保障制度全般を担う国の制度設計のもと、国による財政支援の拡充により、国保の財政基盤を強化し、被保険者の年齢構成や所得水準に伴う国保財政の構造的な問題を解決するために発足しました。  新制度では、県が国保の財政に関する保険者となり、市町とともに定めた山口県国民健康保険運営方針に基づいて、特別交付金等を活用し、市町の低所得者対策や疾病予防、健康づくりの取組への支援などを着実に進めているところです。  県としては、今後とも、財政運営の責任主体の立場から、安定的な国保財政を確保するとともに、市町が行う保健事業等を支援し、国保事業の健全な運営について、中心的な役割を果たしてまいります。

(部長答弁)・・・①県内の国保の格差についてです。  お示しの市町ごとの違いについては、各市町が、法令や国保運営方針等を踏まえ、被保険者世帯の所得の状況や世帯構成、市町の医療費水準等に応じて、適切に運用された結果と考えています。    ②国保制度の運用の統一についてのお尋ねです。  国保制度改革は、国による財政支援の拡充により国保の財政基盤を強化した上で、都道府県が財政運営の責任主体となることにより、財政規模を拡大し、国保制度をより安定的で持続的なものにするために、実施されたところです。 このため、県としては、法令や国保運営方針等を踏まえ、市町との連携会議において、被保険者証の更新時期の統一など、国保事業の広域的な運営や、事務の共同実施等について、課題や情報を共有しながら、取り組んでいるところです。    ③次に、保険料の算定方式についてですが、保険料の賦課権を有する市町が、それぞれの世帯の所得状況、被保険者数等に応じ、条例に基づいて決定することとなっています。    ④公費負担を増やして、国保料を被用者保険並みにすべきとのお尋ねです。  保険料負担の軽減方式を含めた保険料の在り方は、国の責任において制度設計されるものと認識しており、保険料を引き下げるために、県独自で公費負担を行うことは考えていません。