上関原発問題について(1)

11月定例県議会12月4日

(1)損失補償に関する国への照会について

今、上関町長島の田ノ浦の海では、上関原発に反対し続けてこられた祝島のみなさんにとってつらく苦しい神経をすり減らすような「命の海を守る」生活をかけた戦いが展開されています。

祝島の漁師のみなさんは、早朝から準備に取りかかり8時に港を出港、10分そこそこの田ノ浦の漁場に向かい夕方まで漁を続けられています。

振り返れば、祝島の漁師さんたちは、いわゆる原発マネーの受け取りを拒否され続けて現在まで上関原発建設に反対し続けている。

(1)1994年9月5日に、祝島漁協は強く反対したが、中国電力と共第107号共同漁業権管理委員会、四代漁協、上関漁協が迷惑料総額約1億7000万とひきかえに立地環境調査の協定書に調印。祝島漁協は、配分額2228万円の受け取りを拒否し法務局に供託した。

また、2000年4月27日の漁業補償契約に基づく漁業補償金の祝島分の約10億8000万円も、受け取らせようとする策動があったにもかかわらず、祝島のみなさんは受け取り拒否を貫いておられることは周知のとおりである。

余談だが、その後、県一漁協合併参加の条件になっていた単独漁協負債解消にこの迷惑料を充ててはとの意見もあったようだが、「どんな理由があっても中電の金を使ったということになれば、反対運動はできなくなるし、今まで応援してくれた皆さんに申し訳ない」との強い意見が上がり、漁協の臨時総会で改めて受取拒否をされている。

当時、不漁に魚価低迷などによる経営不振で、1600万円程度の負債の工面に奔走された当時の組合長の苦労話を直接聞いているだけに、原発反対の一貫した強固な祝島のみなさんの決意がひしひしと伝わり、全国支援カンパが寄せられ、なんとか金銭的苦境を乗り越えられたた祝島漁協の苦悩の記憶がよみがえっている。

問題は、中電は迷惑料を支払った。祝島漁協にも支払おうとしたことです。

これは、当時の立地環境調査が祝島漁民の漁業に損害を与えることを中国電力が認めたうえでの行為にほかなりません。しかし、漁業補償金として支払わなければならないものを不明瞭な「迷惑料」として支払うことは、国交省土地建設産業局総務課(公共用地室)が厳しく禁じていることです。あくまで「公共用地の取得に伴う損失補償基準要綱」に基づいて損失補償として支払わなければならない」との見解を持っていますから、国交省にこのことを確認してください。との要請が明治学院大学熊本一規名誉教授から、10月30日の祝島島民の会など5団体の申し入れ交渉の最後に出されました。

先ずは、この照会の結果がどうだったのかお答えください。

土木建築部長答弁

まず、10月30日の祝島島民の会などの5団体から申入れのあった損失補償に関する国土交通省への確認要請への対応についてのお尋ねです。

一般海域の利用に関する条例の手続きにおいて必要とされるものは漁業権者の同意であり、お示しの損失補償については、あくまでも当事者間の問題であることから、団体の要請に対してもその旨、回答しており、県としては、こうした当事者間の問題について、国の見解は求めていません。