上関原発問題について(8)

11月定例県議会12月4日

(8)県知事による和解の仲介について

上関原発建設計画にからんだ山口県の海の許認可は、1994年11月7日に

立地環境調査のための一般海域占用許可申請を「共第107号共同漁業権管理委員会の同意書だけで支障はない」との見解を示し、許可したのが初めてだが、まさにその日から上関原発計画の表面化以来、中国電力と祝島島民を中心とした現地での直接対決が今日まで長く続いていることになる。

当時の平井知事は議会答弁で、「合意が進めば推進もある」と言いつつも、現状では「祝島の根強い反対があるため、当面中立」との姿勢を示していたが、県としては裏で後押し、結局、山口県の姿勢は、祝島をはじめとする反原発派を露骨に弾圧しないという程度のものに終始してきた。従って、1994年の立地環境調査、2005年の原子炉設許可申請に必要な詳細調査、2006年の仮桟橋の設置と詳細調査、2009年の公有水面埋立等をめぐるそれぞれの中電と祝島を中心とした反対派の海の攻防では、その度に中国電力は警戒船として多くの推進派の漁船を雇って動員し、また海上保安庁の巡視艇も派遣され監視・待機するのが常だったが、今回そのどちらとも現れていないようです。

知事が、この度も公有水面埋立免許伸長許可に併せて、「発電所本体の着工時期の見通しがつくまでは、埋立工事を施行しないこと」と要請し、また、「調査海域周辺では、漁業や遊漁が行われている可能性があるので、これらとの事故やトラブルが発生しないよう対処すること」と商工労働部が口頭で伝えたことが功を奏しているとも考えにくく、どうも様子が違うような不気味な気がしています。

そこで、万一の不測の事態を避けるために「発電所本体の着工時期の見通しが、当面つくはずもない」と判断するに足る客観的条件は整っていると思われるので、海上での消耗戦、神経戦をお互いに止めるよう県知事が和解の仲介に立つ気はないか伺います。

商工労働部理事答弁

海上での消耗戦、神経戦をお互いにやめるよう県知事が和解の仲介に立つ気はないかとのお尋ねです。

今回の海上ボーリング調査は、原子炉設置許可申請に係る国の審査を念頭に置いたデータ補強のために事業者自らの判断と責任により行われるものと認識しています。

したがいまして、県としては、調査の実施に当たっては、事業者の責任において、地元の理解を求めるとともに、作業の安全確保等に努めていただきたいと考えており、お尋ねのような仲介をすることは考えていません。