二点目は、公共工事と公共サービスの質の向上を図り、地域経済と地域社会の活性化に寄与することを目的とした公契約条例の制定についてです。この間も公契約条例の制定を求めてきましたが、いまだ制定されていません。
隣県福岡県の直方市の条例は、公共工事発注の際の公契約において、下請、孫請を含めた業務従事者の適正な労働条件等を確保することを定めています。そして、奈良県の公契約条例では、公共事業の受注業者に最低賃金法やその他関係法令の順守を求めるとともに、受注業者が必要な報告を怠った場合、違反業者名の公表や過料を徴収するなど先進的です。
同様に本県も公契約条例を制定し、公共工事の発注において業務従事者への労務単価や労働条件の適正化を図ることが必要と思いますが、知事の考えをお聞きします。
会計管理局長答弁・・・公共工事のあり方についてのお尋ねのうち、公契約条例の制定についてお答えします。
公契約における適正な賃金水準等の確保は、労働・雇用環境の改善につながる重要な課題であることから、県としては、公共工事の労務単価を毎年適切に見直すとともに、入札参加者等に適正な額による賃金の支払いを要請しているところです。
一方、公契約条例については、同一企業内の同一職種において、公契約に従事する者としない者との間に賃金格差が生じるなど、様々な課題が指摘されています。
また、国においては、賃金等の基準を新たに設ける公契約法の制定には、慎重かつ幅広い観点からの検討が必要としています。
このため、県としては、引き続き、労働関係法制を所管する国の法制化に係る動向等を注視していくこととしています。
再質問・・・公共工事設計労務単価について、現場の声は、どうか。
事業主の親友に、一人親方そして常用・手間請の知人にも聞いて回りました。
みんな一様に、公共工事に携(たずさ)わったことはあるが、賃金は一向に変わっとらん。周りでも、そんな上がった。という話は聞かんでよ。と言う返事でした。
加入されている団体のニュースを見せてもらっても、
「公共工事労務単価が現場に渡っていない。89%が不変と回答。現場で働く技能労働者に引き上がった賃金は全国的に渡っていない状況が続いています。」と。
これが現場の声なのです。
ここは、やはり、現場の生の声を把握する。そして、公契約条例については、せめて検討くらいは、始めるべきではないですか。再度、この点を伺います。
会計管理局長答弁・・・公契約条例についての再質問にお答えします。
現場の声を踏まえ、公契約条例の検討を始めるべきではないとか、とのお尋ねでございますが、先ほどご答弁いたしましたように、公契約条例については、様々な課題が指摘されており、また、労働関係法制を所管する国においては、公契約法の制定に慎重でありますことから、県といたしましても、引き続き、国の法制化の動向等を注視してまいりたいと考えております。
何度、質しても後ろ向きな答弁ばかりだが、諦めずに追及していきたい。
参照;2020年度県予算および施策に関する社民党要望に対する県回答
55.県が発注する事業に従事する労働者に対し時給1500円以上、設計労務単価の90%以上の支払いを義務付ける賃金規定と地元優先発注を明記する規定を盛り込んだ公契約基本条例を創設すること。
いわゆる公契約条例の策定については、賃金条項等、制度の根幹にかかわる全国共通の課題が指摘されているが、こうした課題は、労働関係法制を所管する国において、検討されるべきものと考えている。現在、公契約については、国において、調査、検討がなされていることから、今後とも、国等の動向を注視しながら、必要な情報収集に努めてまいりたい。
なお、業務委託の入札等において、「政策入札制度」の導入により、県内に本店を有し、県の政策課題に寄与する取組を行っている事業者に対して、入札参加の機会の拡大を図っているところであり、令和元年10月以降、「スポーツ元気県やまぐち推進団体」の認証等の評価項目を追加し、全54項目とするなど、評価内容の充実等を図っているところである。