新型コロナウイルス感染症対策・臨時県議会

4月30日に、新型コロナウイルス感染症対策に特化した臨時県議会が開催されます。

以下は、全国労働安全衛生研究会・感染症対策研究部会からの引用です。

そのあとに、30日に質疑する、内容を書いています。長くなって恐縮ですが、お目通し下されば幸せます。(ご意見をお聞かせください。)

【日本は、この20年間、特に安倍政権の発足から、国の政治は、保健所・感染症病床・ICU(集中治療室)などの削減により公衆衛生・防疫の機能を極めて脆弱にしてきました。今回、感染症と指定してからも、3か月の間、主に注目を集める経済対策の話ばかりでした、もちろんそれも大切です。しかし「早期発見・早期隔離・早期入院」、そして「施設・地域の消毒」の感染症対策の基本がなされてきませんでした。今もって検査と入院隔離は遠ざけられたままです。すでに医療崩壊も始まっています。しかも、その経済対策の財源は、国家予算の数年分と言われる大企業の内部留保金や富裕層からの応分の負担でもなく、防衛費を減らすのでもなく・・・結局、後から国民への消費税増税なのでしょうか???。それでは、自分が生活費から支出した国への消費増額部分から、自分の現金給付金となるようなものです」…(中略)…そして、地域では、人々の不安が強くなり、「自己責任」から「相互監視」の雰囲気も強まっています。「病院の入口に置いた消毒液が持っていかれた」「スーパーでは怒鳴り声が聞こえる」「県外ナンバーの車が止まっていたらキズを付けられた」など・・・人心も荒れてきました。】

2020.4.30臨時県議会 社民党・市民連合 中嶋光雄

新型コロナウイルス感染症緊急経済対策・補正予算に関する質疑及び要望

現在も、欧米を中心に新型コロナウイルス感染症の感染爆発が続いており、我が国の感染者数も首都圏等の大都市圏を中心に急速に増大し、国は、7都府県だけではなく4月16日には5月6日までの間、全都道府県に「緊急事態宣言」を発令しましたが、5月6日までに事態の収束は見込めない状況に至っている気がしています。

本県においても、4月20日に知事は、「県内事業者の皆様への休業のお願い」を発せられました。

感染拡大が懸念される事態への強い危機感が県民に伝えられたところです。

私たち社民党・市民連合は、県民の声をもとに、県民一丸となって感染を最小限に抑え込み生活の基盤を守るという観点から、いくつか質疑、要望いたします。

1 新型コロナウイルスの対策について話し合う政府の専門家会議は、医療崩壊を防ぐための対策をとるよう求めると同時に、外出やイベントの自粛などについては感染者の発生状況によって3つの段階に分け、それぞれに応じた対応を取るよう求めていましたが、現時点で山口県として、感染拡大警戒地域段階区分なみの必要な対策等を明確に県民に提示し、あらゆる媒体を通じ県民に向けて行動を変える呼びかけを強めていただきたい。と考えますが、ご所見を伺います。

2 保健所が「帰国者・接触者外来」を通じて、一元的に相談から感染把握、感染者の措置にあたる対応から、医師会等の協力を得て医療圏ごとに必要数に応じた「発熱外来」をドライブスルー方式も含め設置し、濃厚接触者等、医師が必要と認めた者のPCR検査を速やかに実施することで、感染確認者の入院治療を要する中・重度の患者と無症状・軽症者の区分を迅速に図る体制を整えていただきたい。また、全感染者の一元的な管理は引き続き保健所が担うとともに、無症状・軽症者については、家族への感染拡大等の課題が払拭されない自宅療養は行わず、借り上げホテル等への「隔離」を徹底させ、病床不足の回避に努めるとともに、感染者が子どもや要介護者を抱える場合の支援にも取り組んでいただきたい。と思います。

具体的に、村岡知事は4月21日の記者会見で、「新型コロナウイルスの感染拡大に対応するため、感染者を受け入れる病床を40床から320床に増床確保した。そして今後も患者数の増加に備え、医療機関との調整を続ける。さらに、軽症・無症状者むけの宿泊施設も検討。」と表明されました。

この2点について、今回の補正予算に、それぞれどのように反映されているのか伺います。

特に心配なのは、埼玉県で21日に、軽症と診断され、自宅で入院を待っていた50代男性の死亡。また70代の男性の死亡も22日に明るみにでたことです。

厚労省も、家庭内感染が増えていることから、軽症者療養を自宅より宿泊施設優先に転換しました。

そこで、民間ホテルなども含めた宿泊療養施設の確保見込みをどのように、お考えか伺います。

さらに、この宿泊療養については、国の支援で食事・ホテル代等はかからないが、タオルなど日用品の費用は自己負担になっています。この日用品についても国が負担すべきだが、国が行わなければ当面は県が負担すること、つまり、感染症の患者のタオル・寝巻などの公費化について、検討する考えはなかったのか、伺います。

3 重症者受け入れ病院における人工呼吸器や、人工呼吸器を装着しても症状が改善しない患者の“最後の切り札”とも言われる人工心肺装置・ECMO(エクモ)の稼働可能台数について関心が集まっていますし、ECMOをめぐっては、機材だけではなく、正しく使える人材の確保についても問題視されています。また、県内に、感染症移送専用車は何台あるのかも県民の関心ごとです。

これらの整備・確保について、今回の補正予算にあたり、どのように検討されたのか伺います。

4 県内公立病院への聞き取り調査でも、サージカルマスク、N95マスク、消毒液、防護服・エプロン、手袋。フェイスシールドなど、各病院での不足が、出荷規制中のものもあり、深刻化しています。

医療従事者の感染が危惧されるような劣悪な勤務状況を、直ちに改善する必要があると考えます。

そこで、医療・介護従事者の感染防止のための防護用具・機材を県が一括して確保し、優先的かつ早急に各医療機関に充分な量を供給することは医療崩壊を招かない観点から重要と考えますが、今回、どのように予算措置・対応を検討されたのか伺います。

また、市町の庁舎などでの感染発生に備え、消毒薬や防護服等の資機材を各県民局に配備していただきたいと思いますが、併せて、ご所見を伺います。

5 新型コロナウイルス感染症に対応している医療従事者に対して、子どもの保育園への送迎制限や、家族の出勤を会社が拒否するなどの事例もあり、差別や偏見が深刻な状況が全国各地にあります。また、患者や家族からの不満や暴言を容赦なく浴びせられるなど、ストレスもピークに達した上に、自身が感染することに対する不安や、終わりの見えない業務に対して、精神的に追い詰められた状況が生まれています。

医療従事者への差別や偏見をなくすために、啓発活動やメンタルヘルスケアなどの対処について措置が講じられているのか伺います。

加えて、家族の安全を確保する観点などから、業務終了後も帰宅を自粛し、病院の空きベットや自家用車で寝る。また、ホテルに自費で宿泊していることも報告されており、その費用についての措置が必要です。併せて、ご見解を伺います。

6 県立総合医療センターの感染症の予防及び患者に対する医療従事者の防疫等作業手当はわずかです。国では、これまで、特例としてクルーズ船の新型コロナウイルス感染症に対応した職員には日額4000円~3000円が支給されています。この新型コロナウイルスに関わる国の「防疫等作業手当の特例」に準拠した手当を大阪府などでは支給方針を打ち出しています。そこで、この手当の県立総合医療センターへの適用を働きかけるとともに、公立病院の医療従事者や消防救急隊員などに適用されるよう、市町にも通知による助言をすべきと考えますが、ご見解を伺います。

7 「パンデミックは災害」との認識のもと、自主的な休業または実質的に休業に近い状況に追い込まれた事業者や従業員に対し、災害救助法による(施行令第10条第1項・疾病拡大防止への協力者との位置付けにより)休業扶助の対象とできないか検討されたい。併せて、医療・介護従事者等が感染等により休業した場合の補償についても、同法の適用による対処を検討いただきたいと考えますが、ご見解を伺います。

8 学費や学校納入金の補填のために、生徒のアルバイト収入を見込んでいた家庭が当面の生計に苦慮していると聞きます。

そこで、母子父子寡婦福祉資金貸付金についても、新型コロナウイルス感染症の影響による生活困窮に対応するよう配慮していただきたいと考えますが、ご見解を伺います。

併せて、社会福祉協議会が窓口となっている生活福祉資金(緊急小口資金等の特例貸付)の、制度の拡充や、申請の簡素化、つまり電話による相談や郵送による申請、土・日曜日でも対応できるように県として調整することを検討いただきたいが、ご見解を伺います。

なお、厚労相は4月30日から労働金庫でも申請の受付業務を担ってもらうとの発言がありましたが、県として、「ろうきん」への対応は済まされているのか、伺います。

9 観光業など業績が急激に悪化した事業者向けに、令和2年度分についても固定資産税減免を行った市町に対し、令和3年度分と同様の減免分の補填が国からされるよう強く要請していただきたいと思いますが、ご所見を伺います。

10 国の緊急経済対策の発動により、市町や商工会議所・商工会等の窓口に相談・申請等が殺到する事態が予想されます。ついては、県内事業者の相談対応にあたる商工会議所・商工会等の団体の経費負担(社会保険労務士の配置など)への支援を検討されたいと思いますが、ご所見を伺います。

11 県立学校等において、児童・生徒や教職員から感染者が出た際には、学校内外で濃厚接触が疑われる者のPCR検査が速やかに行われるよう、学校と保健所の緊密な連携を図っていただきたい。また、県立学校等の学校再開にあたっては、マスクや・消毒液等感染予防に欠かせない資材の確保に取組むとともに、市町教育委員会との連携により小中学校向けの予防資材の確保にもあたられたいと思いますが、ご所見を伺います。

12 学校の臨時休業の影響により児童・生徒の学びの保障が損なわれる懸念があります。退職教員の活用による児童・生徒の学習指導や担任教員を中心とした心のケアの充実についても、感染予防を徹底した上で学校のみならず他の公的施設等を活用して、子どもに身近な場所での実施に努めていただきたいと思いますが、ご所見を伺います。

13 学生アルバイトの需要縮小によって、あてにしていた収入が見込めなくなった大学生等が少なからず存在します。県内大学等の厚生部門に困りごとなどの相談窓口を設置し、学生への周知を図ることで実態把握に努めるよう促すとともに、学費納入が滞ることで退学処分に至ることがない様に大学等との協議を行っていただきたいものですが、ご見解を伺います。

14 コロナの問題の中で、外出自粛、収入減という生活の中で、DVや児童虐待が増加していることが世界的にも言われています。

国会で社民党の福島瑞穂参議院議員が、この問題を取り上げ、内閣府男女共同参画局が、DV相談体制の拡充をし、SNS相談なども始めています。

自治体でのDV相談についても、内閣府は通知を出して適切な対応を求めています。

また、DV被害者の人も、夫が世帯主、夫のところに住民票があっても、自分が住んでいる自治体で10万円の特別定額給付金を受け取ることができるようになっています。

具体的に、「配偶者からの暴力を理由に避難している方の申し出の手続き」が定められています。

今回のDV対策について、県としてどのように対処されているのかお聞かせください。

15 感染症対策に係わる県職員の多忙化が長期に及んでおり、健康への影響が懸念されます。職場の状況を十分に把握するとともに、必要な改善を図られるよう、要望します。

以上

おって、

・県内の雇用調整助成金の申請数と助成数

・小学校休業等対応助成金・支援金の申請件数と決定件数。

について、直近の数字を4月30日に資料提供を願います。