12月山口県議会質問&答弁②
2 持続可能な農業について
(1)農地における通信環境の整備について
(2)生産者の声の把握、声を踏まえた生産者に対する直接的な支援について
(3)農業の多面的機能を下支えする生産者への直接的な支援について
世界で「食糧危機」が深刻化している。ウクライナ紛争や、盛んに煽り立てられる「台湾有事」によって「食の安全保障」の重要性が叫ばれている。
もともと日本の食料自給率はカロリーベースで38%(令和4年度)と主要先進国の中で最低水準、しかも食料の6割以上を輸入に頼っている現状にある。 そこで、農業の担い手不足が日本の食料安全保障にとって最大のリスクとの認識が示され、手作業が残る農業から人工知能(AI)など最新のデジタル技術を活用した「スマート農業」が推奨されているが、携帯電話などが一部または全部で使えない農地が全国に10万ヘクタール(農地全体の2.3%)あると、6月の参院農林水産委員会で農水副大臣が答弁している。 こうした農地における通信環境の未整備地域が本県の中山間地に残っているのか?あるとすれば、その対策を伺います。 中山間地域では、大規模農家だけでは農地等の維持管理をしていくことは困難であり、小規模農家(家族経営)を含めた経営体も、地域を支える重要な役割を担っています。 食料確保や地域や農地を守るため、戸別所得補償が廃止されても、今まで米価下落や異常気象にもめげず、また、資材や燃料は高騰、スマート農機は高額で、園芸作物に取り組む余裕もない状況下でも頑張ってこられた生産者も我慢の限界というか、先行きが見えない歯がゆさで、農業は自分の代限りだ。との声をよく聞きます。 このような生産者の声をどのように把握しているのか状況を伺うとともに、また、このような声を踏まえ、我が国の食料安全保障を支える稲作生産者を守るためにも、県として生産者に対する直接的な支援を実施できないか、知事の所見をお伺いします。 次に、近年の集中的な豪雨や異常な少雨など、気候変動に伴い自然災害が頻発化・激甚化しており、国土の保全や水源の涵養などの観点から、農業の有する多面的機能はもっと評価されてもいいのではないか。言うまでもなく、多面的機能は農業生産活動が行われることにより生ずるものであり、その発揮のためには営農の継続が不可欠であります。 このような農業の有する多面的機能を下支えするため、改めて、稲作を主とする山口県の農業を守るため、県独自の支援として農業生産者への直接的な支援を実施できないか、知事の所見を伺います。 |
農林水産部長答弁・・・
持続可能な農業についての数点のお尋ねにお答えします。
まず、農地における通信環境の整備についてです。
本県にも、通信環境が未整備の農地があり、こうした農地において、デジタル技術を活用するために通信環境の整備が必要な場合には、国事業により、無線基地局や光ファイバーなどの導入支援を行うほか、民間独自のネットワークサービスの利用を促しています。
次に、生産者の声の把握と、声を踏まえた生産者に対する直接的な支援についてです。
生産者の声については、将来の担い手や農地のあり方を定める「地域計画」の策定・実現に向けた、話し合い活動の場に参画することなどを通じて、農業者の今後の経営意向などを把握しています。
また、声を踏まえた生産者に対する直接的な支援については、それぞれの経営課題に応じた技術指導や専門家派遣などを行っています。
次に、農業の多面的機能を下支えする生産者への直接的な支援についてです。
県では、農業の有する多面的機能を維持するため、市町と連携し、国の制度を活用して、農業生産者や地域住民が、農地の法面や水路、農道、ため池の管理等を共同で行う活動に対し、交付金の支給を行っています。