- 物価高が暮らしを直撃しています。3月の消費者物価指数は前年同月と比べ3.2%上昇、3%台の上昇率は4か月連続で、上昇は43か月連続です。他方で膨張続く防衛費。当初予算ベースで2021年度の5.3兆円が今年度は8.7兆円と過去最大を更新し続けています。
そして、台湾有事・中国の脅威がことさら煽られ、石垣島・南西諸島に陸上自衛隊で一番新しい駐屯地が造られ、ミサイル部隊を配備する流れの中で、台湾有事の南西諸島波及を念頭にした沖縄県・先島諸島からの住民避難初期計画策定を求められている。
また、山陽小野田市の宇宙監視レーダーが県・市にも無通告で本格運用されたこと。米海兵隊が岩国基地にステルス戦闘機F35Bの部隊を県・市に事前通知なく新たに配備したこと。(注)安全保障上、重要な土地の利用を調査・規制する重要土地等調査法の「特別注視区域」に宇宙監視レーターの周囲が6月25日に新たに指定され8月1日に施行されると内閣府から連絡があった。法律の指定区域内では土地・建物の所有者の氏名や国籍などを国が調査することができるほか、「特別注視区域」では一定の面積以上の土地などを売買する際、事前の届け出も必要となります。(軍事施設であることが鮮明になった。…後だしジャンケンで、市民騙しだ)
さらに、昨今、各地の祭りなどの行事に兵器と共に自衛隊が参加するようになって危惧していたところ、さらに、山口宇部空港を防衛力の強化に向けて自衛隊の訓練などで円滑に使えるよう国が指定する「特定利用空港・港湾」の候補として検討されていることが公表された。
まさに「新しい戦前」を実感させるこの4件について県の対応を伺います。
(1)先島諸島からの住民避難初期計画について
答弁・・・沖縄県先島諸島からの避難住民に係る初期計画の策定を求められていることに対する県の対応についてです。県では、国から沖縄県国民保護訓練の一環として計画作成の協力要請を受け、「先島避難住民の受入れに係る初期的な計画」を作成・提出し、3月に公表したところです。
(2)宇宙監視レーダーの運用開始について
答弁・・・宇宙状況監視レーダーは、本年3月から運用開始されていますが、国からは県と山陽小野田市に、令和6年度内に運用開始する旨の事前説明があったところです。県としては、当該レーダーは宇宙政策を推進する国の責任において適切に運用されるものと考えています。
質問した6月25日の翌日のTV報道を以下引用・・・
宇宙ゴミや不審な衛星などを監視する山陽小野田市の宇宙監視レーダー 周囲を新たに「特別注視区域」に指定 6/26(木) 18:07配信 KRY山口放送
安全保障上、重要な土地の利用を調査・規制する重要土地等調査法の「特別注視区域」に、山陽小野田市に防衛省が設置した宇宙監視レーダーが25日、新たに指定されました。 この法律は、防衛や原子力など安全保障上重要な施設周辺の土地利用を調査・規制するものです。 山口県内ではこれまで、アメリカ軍岩国基地など5施設の周辺が「特別注視区域」に指定されていますが、県によりますと、山陽小野田市にある宇宙監視レーダーの周囲が25日に新たに指定され、8月1日に施行されると内閣府から連絡があったということです。 宇宙監視レーダーは直径13mのアンテナ6基で構成され、宇宙ゴミや不審な衛星などを監視するためとして防衛省が山陽小野田市埴生の海上自衛隊施設跡地に設置、3月3日に運用が始まっています。 法律の指定区域内では土地・建物の所有者の氏名や国籍などを国が調査することができるほか、「特別注視区域」では一定の面積以上の土地などを売買する際、事前の届け出も必要となります。
(3)岩国基地へのF35B部隊の配備について
答弁・・・岩国基地へのF-35B部隊の配備に関するお尋ねにお答えします。お示しのF-35B部隊の展開については、その飛来等が確認されて以降、展開目的や理由、滞在期間等について、岩国市と連携して、国に対し照会を行ってきました。その後、国からの一連の回答等について、岩国市とともに評価した結果、「今回の部隊の展開は、新たな部隊の追加配備ではなく、一時的なものであり、岩国基地を拠点として運用される航空機の数に大きな変更はないとのことから、基地周辺住民の生活環境に大きな影響を与えるものではないと考えられる」と判断しました。その一方で、今回の部隊展開については、事前の情報提供がないなど、国から地元自治体への情報提供に課題があったことから、先日の政府要望において、国に対し、遺憾の意を伝えるとともに、迅速かつ適切な情報提供について強く要請したところです。県としましては、引き続き、地元市町と連携して、基地周辺の騒音や運用などの実態把握に努め、問題があれば、国や米側に必要な対応を求めてまいります。
(4)特定利用空港・港湾への対応について
答弁・・・国が進める特定利用空港・港湾の取組は、自衛隊・海上保安庁が、平素から必要に応じて空港・港湾を円滑に利用できるよう、インフラ管理者との連絡・調整体制を設けるものです。県としては、山口宇部空港について、地元宇部市と情報共有を図りながら、国が進めている本取組の主旨も踏まえ、空港管理者として適切に対応してまいります。
6月30日の土木建築特別委員会でも質疑・・・
令和7年6月定例会 土木建築委員会議事録6月30日_1日目(未定稿)
<特定利用空港にかかる質問・答弁等(中嶋委員)>
中嶋委員
私も本会議では山口宇部空港についてお尋ねさせていただきましたし、藤本議員からも、もろもろの危惧に対する質疑があり、答弁があったと思います。
そこでさらにお尋ねなんですけど、内閣官房の8月25日に閣議で口頭了解されているということで、港湾課のホームページにもお示しされていますけれども、その時に特定空港のことも、附属資料2で出されています。閣議口頭了解されたときに書いてあるのは、これはデュアルユース、要するに軍民両用の下に平時から空港等を軍事使用するという計画であると。ところがその後1回だけ、関係閣僚会議が開かれただけで、あとは持ち回りだけが開かれて、今日御説明いただいた、4月1日の国のあれが、示されました。
この中で明らかになったのは、11空港が指定をされているけど、そのうち8は国管理の空港。県管理の空港は3つ、そのうち2つは福江空港と徳之島空港の離島と、藤本議員も本会議で質問されました和歌山県の南紀白浜空港、県営はこの3つが今指定されています。
そして次に山口宇部空港が候補にあがっているということのようです。
そこで急逝された和歌山県知事は、藤本議員が指摘されたような危惧があるじゃないかと。これに対して、県は照会してはどうかということですけれども、そういうことであるとか、香川県知事、高知県知事、沖縄県知事なんかの危惧についても、そういう情報は県としては把握しているから、国に照会するつもりはないという答弁だったと思いますけれども、まずこの点について、港湾課長としてどのような認識をお持ちか、お聞かせください。
港湾課長
議会での本答弁で申しましたとおり、高知県等において国に確認している内容については承知しているので、そのへんについて、改めて本県から国へ同様の確認をすることは考えていません。
中嶋委員
委員会資料で港湾課のホームページに公表してあるということで、港湾課のホームページを開かせていただきましたら、内閣官房のこういうことが全部載せてあります。ただ、載せてありますけど、こういうことは、今日委員会にお示しの資料ぐらいを一般県民の方がお目通しになることも稀だと思うんですよ。私なりに慌てて整理をさせてもらいましたのが、総合的防衛体制の強化に資する研究開発及び公共インフラ整備に関する関係閣僚会議が8月25日に開かれまして、ここではじめて示された資料の中で書いてあるのは、必要な空港・港湾等について、民生利用とのデュアルを前提としてと記載をされてあったものが、今年の4月1日に更新で、県が今日お示しになった資料では、これがそっくり削除されていて、特定利用空港・港湾については民生利用を主としつつに変えておられる。
要するに私が言いたいのは、まさにこれは台湾海峡有事という対中国戦争体制づくりのために、琉球弧、第1列島線において、制海権、制空権を確保することとこういう記載がずっと、1回目の会合では盛り込まれている。そしてあわせて、南西諸島への全国部隊や膨大な規模の兵站物資の動員体制づくりのためであると、こういうふうに防衛省が説明をしておられる。
ところが、先ほど課長の答弁にもありましたけれども、政府はこの空港・港湾の軍事化という、これは言い過ぎたら申し訳ないですけど、明らかな事実を、民間空港・港湾の災害時などでの活用という、私の受け止めでは詭弁ともとれる物語をつくられて、関係する自治体管理の空港・港湾の指定を強行され始めているということだと思います。
で、今、言いました8月25日は特定利用空港ではなくて、関係閣僚が御出席の会議の中で言っているのは、特定重要拠点空港という仮称が明らかに打ち出されている。その後、マスコミとか軍事評論家の方々の批判を受けて、それはまずいだろうということで、特定利用空港という名前に12月に開かれた持ち回りの資料の中ではそういうふうに変わっていると、こういう危惧があるということについて、県として、もう少し詳しく県民の皆さんにも理解できるようにしないと、災害のためであるだけでは不十分ではないかと思います。
早速、北九州空港で築城基地の戦闘機F15がタッチ・アンド・ゴーの訓練をやったというニュースが飛び込んできて、びっくりしたんですけれども。確か26日か27日に北九州空港でやったと。さらに沖縄では、昔で言う、防空壕を造るという計画が、今、着手されているという報道もされている。
そういうふうに正に安倍政権が2015年でしたか、憲法学者らの違憲立法との批判をよそに成立されました集団的自衛権行使を認める安保法制につながる。さらには先ほど言いました8月25日は安保関連3文書に基づくいわゆる今回の総合的な防衛体制の強化に資する取組、公共インフラという流れの中で行われているということではないかと。
今日の県としての今までの経緯の報告、そしてまた、宇部市の空港の地元関係団体との意見交換で概ね了解が得られているというような御発言もあったように聞きました。そしてまた、この地元関係団体がどの団体かという藤本議員の問いかけに対して特に御答弁がなかったように思います。
そういう、もろもろのことに対して、県として本当にどうされるのかということを、お尋ねしたいと思います。
港湾課長
先ほども答弁させていただきましたけれども、県といたしましては、引き続き、市と情報共有を図るとともに、適時ホームページ等を通じて情報提供を行いながら、国が進めている本取組の主旨であるとか、地元関係団体の意見も踏まえて、空港管理者として適切に対応してまいるということです。
中嶋委員
部長が本会議で答弁されましたから、港湾課長としてはお答えのしようがないということかもしれませんけど、私はこういう問題は当部だけでやられる問題ではないと思うんですよ。
8月25日の内閣府の官房長官が議長になりながら国交大臣も防衛大臣も文科大臣も農林水産大臣もあらゆる関係部署の大臣も一堂に揃われての会議を開かれて、閣議口頭了解をされた問題だと思うんですよ。
私も、いわゆる安保法制とか大風呂敷を広げましたけれども、こういう問題こそ当部だけではなく、言葉が分かりませんけれども庁内調整であるとか、よく議会開会前には行事予定で局議を開かれるという報告になってますけれども、そういうことで県への報告はありましたけれども、そういう中で熟議がされて、今後どうされるとされているのか、その点についてお尋ねをして、それ以上のことはお答えにくいのかもしれませんが、その点だけ明らかにしていただきたい。
港湾課長
国が進める特定利用空港・港湾の取組は、自衛隊・海上保安庁が、平素から必要に応じて空港・港湾を円滑に利用できるよう、インフラ管理者との連絡・調整を設けるものであります。
このため、山口宇部空港の管理を所管する土木建築部といたしましては、関係部局とも連携しながら、慎重に対応を検討しているところです。
中嶋委員
検討されているということですから、最後にこれだけはぜひ私も大事なことだと思うんですよね。まず、国管理の空港は、現時点で11空港指定されていると言われ8空港が先行している。県管理ということなんですけど、もともとこれはなんで県管理かということかとを考えると……。
森繁委員長
簡潔にお願いします。
中嶋委員
簡潔に言います。
8月25日の付属資料2によると、円滑な利用に関する枠組みを設けることにより、有事のみならず平時においても円滑な利用を確保するという文言があったんですけれども、今日報告された資料はこの部分がそっくりのけておられる。
だからあくまでも国に照会していただかないと、私たちだけでなく、県民の皆さんが危惧されることは解決できないんじゃないかと思いますので、最後に、なんでこういうことまで照会されないかをお尋ねして終わります。
港湾課長
有事の際も利用されるおそれがあるのではないかといったお話だろうと思いますけれども、国からは、この取組は有事の利用を対象とするものではなく、あくまで民生利用を主とし、また、空港に新たに自衛隊の基地であるとか駐屯地を設置するといったことはないというふうに説明を受けているところです。