18年11月議会質問⑥イージス・アショアの配備

知事は、イージス・アショアについて、「国において、むつみ演習場の適地性や、住民生活・周辺環境への影響等について、十分に調査を行うとともに、その結果について、詳細かつ丁寧に説明し、地元の不安や懸念を払拭していただかなければならないと考えており、このことを国に強く求める。」などと議案説明に先立ち、言及されました。

しかし、防衛省は10月末から適地調査を始めたが、演習場に隣接する阿武町福賀の宇生賀(うぶが)集落(約50世帯)全体やむつみの一部住民の方々が、井戸などの「水文調査」を拒否され、11月13日には、宇生賀やむつみの羽月の住民の方々が、地下水の「年代測定」の実施を求め、結果公表までボーリング調査を延期するよう求める申し入れ書を提出。防衛省も11月28・29日に「年代測定」を実施、分析に1ヶ月以上かかるとされていますので、防衛省が来年の3月までとした水文調査やボーリング調査などの適地調査の進捗が難航する事態に陥っています。

また、「イージス・アショア配備計画の撤回を求める住民の会」が行われている署名活動において、萩市むつみ(高俣・吉部)で、署名が人口数・世帯数ともに過半数を超えていますし、阿武町でも町議会で配備撤回の請願を全会一致で採択し、阿武町長も配備反対の表明に至っていることについても、9月定例会でも指摘しているところです。

そもそも、むつみ演習場は、昭和30年代に秋吉台大田演習場が返還されたことから、旧むつみ村長が熱心に誘致された歴史を持ち、当然、使用条件も定められているにもかかわらず、この使用条件が全く無視されて、イージス・アショアの配備計画が進められていることに、何らの異議も唱えない県当局の弱腰を見るにつけ、思い出されるのが、昭和31年3月に国から、秋吉台大田演習場を米海軍航空隊の爆撃演習地とするため、使用条件の変更を米軍から求めてきているので同意を願いたいとの申し入れがあった際に、この申し出に対し直ちに「同意できない」と回答。また、若し米軍が爆撃演習を強行するなら自ら現場に座り込むとまで言って反対を貫かれ、見事に計画を撤回させたばかりか演習場の返還まで勝ち取られ、今日の秋吉台の文化財・観光の礎を築かれた小澤太郎31・32代県知事の地域住民に寄り添った政治決断であります。

先にも言ったような、演習場に隣接した住民の皆さんの強い不安や懸念の表明を真剣に受け止められるなら、当時の強力な米軍の要求であっても絶対に譲歩されなかった小澤太郎知事の先例に習い、いかに強力な安倍政権の要求であろうとも、県民に寄り添った政治決断をすべだと思いますが、これらの点を踏まえての、知事のご所見を伺います。

そもそも、イージス・アショアは防衛費の大枠を示す「中期防衛力整備計画」にも盛り込まれていなかった代物で、アメリカのトランプ大統領の求めに応じて、それもアメリカの言い値のFMSで購入する。しかも国会審議が尽くされない補正予算対応になっている。

補正予算は、自然災害や今議会に提出されているように周防大島復興支援事業などの対策のために組まれるのが本来の姿です。

(資料を、ご覧いただきたい。)この先、いくらかかるかわからない兵器に金をかけるくらいなら、社会保障費の自然増分に使った方が、国民がどれほど幸せになれるか一目瞭然で、こうした視点から、イージス・アショア配備に対して政治決断を、村岡知事がされれば、一躍、全国のトップニュースになると思うわけでして、改めて、知事のご所見を伺います。