JR美祢線の早期復旧について

2024年6月県議会

2、JR美祢線の早期復旧について

JR西日本は、山陰本線の復旧方針を3月に発表したが、美祢線は、村岡知事自らがJRに出向かれ、厚狭川の改修計画を説明・示されているにもかかわらず、いまだ復旧方針すら示していません。ばかりか、5月末の美祢線利用促進協議会総会で、JR西日本中国統括本部広島支社長が、「単独での復旧は非常に難しい。地域にふさわしい公共交通について議論する部会設置を。」と発言。これは法定「協議会」ではない利用促進協議会の会合に「便乗」した、廃止提案ではないか。

JR西日本の業績は急回復。今年3月期の連結決算を見ると、営業収益は前期比17.2%増の1兆6,350億円、営業利益は同114.1%増の1,797億円、経常利益は同127.4%増の1,673億円になっています。

にもかかわらず、美祢線復旧に係る経費など一切示さずに、「公共交通の在り方議論」を持ち込もうとすることに怒りを覚えます。

まさに、地域公共交通の活性化及び再生に関する法律により国が組織する「再構築協議会」創設へ引きずりこもうとする意図的発言ではないか?県の認識は?お尋ねです。

JR美祢線は、昨年6月末からの大雨での被災さえなければ今年3月に全線開通100周年記念事業が盛大に行われていた筈で、残念でなりませんが、6月県議会に先立ち、知事と県議会議長を先頭に、令和7年度予算編成及び政策決定等に関する「国への提案・要望」を行っていただき、そのなかに「JR 美祢線及び山陰本線の早期完全復旧」が盛り込まれています。

そこで、特に、JR美祢線の早期完全復旧に、今後、具体的にどのように取り組まれるのか、お聞かせください。

観光スポーツ文化部長答弁・・・JR美祢線の早期復旧についての2点のお尋ねにお答えします

まず、美祢線利用促進協議会総会で、JRが「地域にふさわしい公共交通について議論する部会設置を」と発言したことは、国が組織する「再構築協議会」創設に向けた意図的発言ではないかとのお尋ねです。

JRからは、現時点では、再構築に関する法定協議会の設置を求めることは考えていないと聞いており、県としては、御指摘のような発言とは認識をしていません。

次に、美祢線の早期完全復旧への取組についてです。

県としては、現に鉄道が運休し、地域住民等が不便な移動を余儀なくされている状況は早期に解消する必要があると考えており、復旧に向けた議論を前に進める観点から、地元の現状や沿線自治体の意向も踏まえながら、JRから提案があった部会の設置を含め、今後の対応を検討してまいります。

再質問・・・美祢線について、国鉄改革の際、事業用固定資産の承継や税金の投入が行われた経緯に加え、JRの経営状況が急回復していることから、早急にJRに復旧方針、経費及び期間などを出すように攻めるべきではありませんか。

その上で、道路は都会の高速道路の有料区間以外はみな赤字ではありませんか。道路も学校も空港も港も維持費はみな税金です。先進国では日本だけが鉄道に国費を投入しないのはなぜか。国の関与での上下分離方式の検討を含めて要望するべきではありませんか。

観光スポーツ文化部長答弁・・・まず、「JRに対し復旧の方針や経費などを示すよう伝えるべきではないか」との御質問です。

5月に行われました、美祢線利用促進協議会総会におきまして、JRから、JR単独での復旧は困難との考えが初めて示されたことを受けまして、県は、その場でJRに対して復旧費用や復旧に対する考え等を示すよう求めたところです。

次に、「国が国費を投入して上下分離方式を含めて検討するよう要望しないのか」とのお尋ねです。

先ほども答弁申し上げましたとおり、美祢線につきましては、地元の現状や沿線自治体の意向も踏まえながら、JRから提案があった部会の設置も含め、今後の対応を検討することとしており、現段階お示しのような要望を行うことは考えておりません。