県議会報告

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2月定例県議会報告

2017年度一般会計予算は、6808億8900万円で前年度比217億300万(△3.1%)減の2年連続マイナス予算。しかも、退職手当債の発行や、総人件費の縮減、事務事業の見直し、県有施設の移管・廃止、公共事業の適正化や公債費の平準化(20年償還を30年に)等に取り組んでもなお財源が足りず、財源調整用基金から39億円を取り崩した結果、万一の災害などに備えるため必要とされる100億円を下回り、基金は71億円という危険水域に!

▲3月県議会では、平成28年度補正予算、及び平成29年度の一般会計当初予算、山口県条例の制改定21件、契約の締結等3件、監査委員・収用委員会委員の人事案件など執行部提案58議案は、すべて可決された。 ▲一般会計補正予算の総額は、373億3000万円減額され、6846億6700万円になった。減額補正は、災害復旧費や中小企業制度融資など事業の最終見込みによるものだが、財政調整基金に平成27年度決算剰余金の一部、21億9200万円の積立や、減債基金に15億円の積立も含まれている。▲新年度の一般会計予算は、前年度比3.1%減の6808億8900万円で、1993年の6661億円に迫る低水準規模だ。▲県債について、将来の負担を抑制するため20年を基本としてきた方針を変え30年債の導入に踏み切った。これにより公債費はいったんは下がるが利息分の負担は増え、将来へのつけ回しになる。▲今後5年間の財源不足額は1350億円だとし、職員600人以上の削減などの徹底した歳出構造改革を推進し、5年後に基金の取崩しに依存しない行財政改革と、4月にこれを推進する統括本部を設置する事を発表している。▲社民党・市民連合は、上程された58議案のうち、議案第1号・平成29年度山口県一般会計予算など7議案に反対し、残り51議案には賛成しました。
請願2件は、民新連合の会、社民党市民連合、共産党、草の根、民新フォーラムは賛成したが、それ以外の反対多数で不採択となった。

*「共謀罪(テロ等組織犯罪準備罪)」に反対する意見書提出を求めることについて・・・
政府は3月21日、犯罪を計画段階で処罰する共謀罪の趣旨を盛り込んだ「組織的犯罪処罰法」改正案を提出しました。
この共謀罪法案は話しあうだけで処罰ができるという思想・言論取締法です。電話やメールの盗聴、スパイや協力者による密告など市民への監視・管理も強められます。「一般市民は大丈夫」と政府は言いますが「組織的犯罪集団」の定義は捜査機関の判断にゆだねられます。
共謀罪の創設にはこうした問題や危険性が指摘され、これまで国会では3度も廃案になりました。まさに21世紀の治安維持法です。話しあうだけで罪になる法律は必要ありません。

*学校法人山口朝鮮学園への補助金支給再開について・・・
県は国の指針に沿って、2013年度より学校法人山口朝鮮学園への補助金を停止しているが、他の外国人学校には支給している事や、国連人種差別撤廃委員会から是正勧告を受けている事、また他県では北朝鮮の挑発行動は子ども達には関係ないとして支給を継続している所もある事。さらに、2004年2月県議会で採択された意見書の根本精神であった「国連勧告への遵守や処遇改善、そして多文化共生と多民族のアイデンティティーを尊重する」とした立場に立ち返り補助金支給を再開すべきです。

一般質問(2017年3月10日)

1点目に、補正予算案と新年度当初予算案との兼ね合いについて伺います。

 2017年度地方財政計画については、一般財源総額は62兆803億円と対前年度0.7%増で、7年連続で増額確保となりましたが、骨太方針2015で、2018年度まで2015年水準を実質的に確保すると明記されていることから既定路線であり、児童・高齢者福祉などの社会保障支出が増加するなかで、裁量のある一般財源が充実したとはいえません。

 地方交付税は2.2%減の16兆3298億円となる一方、臨時財政対策債は6.8%増の4兆452億円に膨らみました。

 つまり一般財源総額の確保とはいいながら真水は減り借金が増え、後は、景気浮揚による税収だのみといった財源の質の悪化が一層深刻になっています。

 そのため、国も地方の歳出抑制に懸命で、歳出特別枠は半減、トップランナー制度は拡充され、2020年度のプライマリーバランスの黒字化達成に向け、今後さらに地方財政に踏み込んでくることが想定されます。 

 さて、今定例会に新年度当初予算案が提案されています。予算規模は前年度比217億円減の6809億円で、退職手当債の活用と歳出構造改革や臨時的・集中的な財源確保対策に取り組んでもなお地方財政対策等の影響による財源不足により財源調整用基金を39億円取り崩す結果となっています。

 たしかに、米国など海外情勢の急激な変化を始め、地方を標的とした国による歳出抑制圧力など、はやくも次年度以降の地方財政の見通しが大いに懸念されるところであり、一歩も二歩も先を想定しての、財政運営のご苦労に敬意を表しながらも、例えば、地方財政計画上の一般職員数の推移を見ると、2017年度は2000年以降で初めての増加となっています。これまで三位一体改革を経て、集中改革プランなど地方公務員の合理化が国によって断行されてきましたが、ようやく量的削減の限界点に近づいたとみることができます。

 しかし、総定員の3%、600人以上の定員削減など行財政構造改革が打ち出されています。

 また一方で、補正予算案で建設事業等に係る繰越明許費の設定が平成24年度から575億円、606億円、424億円と推移し、昨年度335億円で、今年度も382億円が予定されています。

 アベノミクスによる機動的財政出動への追随と言うか、公共事業を増大させて景気を浮揚させるという対症療法が繰越額の増加を招いている。現場で必要とされる事業が積み上がって査定され決定されるのではなくて、最初に額ありき、こうした政府の経済対策、公共事業では財政に対するダメージが大きくなるだけだと思う訳です。

 そこで、今年度補正予算案とりわけ投資的経費。そして地方財政計画、当初予算編成の基本指針との兼ね合いでどのように新年度当初予算案を編成されたのか知事にお伺いいたします。

村岡県知事答弁

 今年度2月補正予算案における公共事業等の繰越明許費については、国の補正予算への対応や用地補償交渉の遅延等により事業を繰り越すため設定するものであり、端境期対策としての効果も期待できるものと考えています。

 次に、近年、地方財政計画による一般財源総額が社会保障費の増加分も含め、ほぼ同水準とされる中で、本県財政は、恒常的に歳出が歳入水準を上回る硬直化した財政構造が続き、来年度においても、基金残高を上回る多額の財源不足が生じることが見込まれたところです。

 このため、私は、来年度予算編成において、「財政健全化に向けた行財政構造改革の推進」を基本方針に掲げ、総人件費の縮減や公共投資等の適正化、公債費の平準化など、徹底した行財政構造改革に取り組んできました。

 特に、お示しの定員削減については、本県定員が国基準による標準定員を上回っていることも踏まえ、これまで以上に厳格かつ計画的に取り組み、総人件費の縮減につなげていきたいと考えています。

 また、公共投資等の適正化に向けては、地方財政計画等を勘案しながら、全国水準並みの投資規模への抑制を図っていきます。

 この方針の下、来年度予算では153億円の改革効果を上げ、また基金の取り崩しによって、予算の編成を行うことができたところですが、国の予算や地方財政対策の影響により、財源不足はさらに拡大し、今後5年間の財源不足額は1350億円に上る見通しです。

 このため、私としては、将来への責任をしっかりと果たすべく、「行財政改革統括本部」を設置し、全庁挙げて徹底した行財政構造改革を進め、5年後を目途に、収支均衡した安定的な行財政基盤の確立を図ってまいります。

 

 2点目に、1点目の質問とも関連しますが、下関北九州道路についてお尋ねします。

 「やまぐち経済月報」の2013.11に「関門トンネル、関門橋の現状と関門海峡道路の必要性」という巻頭論文が掲載されています。

 関門海峡道路の正式名称は地域高規格道路・下関北九州道路。架橋として計画され第二関門橋とも、トンネル計画もあり関門海峡道路と称されています。    同道路は、財政が厳しく2008年に凍結された全国6カ所の「海峡横断プロジェクト」の一つだが、2013年4月に県は調査費を復活させている。また、2013年7月の参院選後、安倍内閣は「国土強靭化基本計画」を発表、今後10年間で200兆円のインフラ整備を行うという。

 参院選後の「関門海峡道路建設促進協議会」の総会では第二関門橋の建設、事業費2000億円以上が打ち上げられた。

 こんな背景あっての「やまぐち経済月報」の論文である。「調査」と銘打たれているが、新しい調査データはなく必要性の主張である。

「1996年以来の関門トンネル・関門橋の通行車両の横這い(頭打ち)の事実。関門橋と関門トンネル8車線の通行可能容量8万台に対して2012年現在、6万5千台という事実、さらには将来の人口減少という事実を認め。さらに、百年供用を目指して2019年完了をめざしてリフレッシュ工事が行われている関門橋は、「まだまだ持つ」としながら、それでもと必要性を力説する。第一に、人口減少と物流動向は異なる。将来、東九州自動車道、山陰自動車道ができれば、関門は4本の高速道の結節点として物流需要は急増する。例えば宮崎の農産物。第二に、関門一体構想から関門海峡西側の海峡道路が必要。彦島―小倉経由で関門の通勤者が増大する。第三に、大災害を想定すれば、関門橋・関門トンネルを補完する代替機能の確保が必要、まさに国土強靭化が必要である。」と。

 はたしてそうだろうか、人口減少下における地域分権・地産地消、脱原発下の地域再生エネルギーの拡充、車(トラック)から鉄道・船へのモーダルシフトなど21世紀の課題への挑戦こそが求められているのではないでしょうか。

 そこで、恒常的な財源不足を生じる硬直化した財政構造が続いているとする中で、無駄な大型公共事業と批判されている第三関門道・下関北九州道路が必要なのか県知事のご所見をお伺いします。

土木建築部長答弁

 当該道路は、関門橋や関門トンネルと環状道路網を形成することにより、地域間の連携や日常的な交流を促進し、関門地域の自立的発展を支える重要な基盤であり、また、近年頻発する大規模災害時等にも機能する、信頼性の高い道路ネットワークを構築するためにも、その整備は必要不可欠であると認識しています。

 

3点目に、子どもの貧困についてお尋ねします。

 子どもの相対的貧困率は16.3%で、そのうち、大人が1人の世帯の相対的貧困率が54.6%と、大人が2人以上いる世帯に比べて非常に高い水準となっており、先進国の中で最悪レベルにあります。

 貧困は子どもの教育機会を奪うだけでなく、豊かな日本の将来社会のツケとして暗い影を落としています。

 我が国の未来は、貧困にかかわらず、子どもたちに託すしかありません。

 貧困が貧困を生む、この見えにくい現実について考えなければなりません。

 本県では、平成27年度から「子どもの貧困対策推進計画」を5か年計画で進めておられます。来年度は計画の中間年にあたりますが、PDCAサイクルで、この取り組みをどのように評価、あるいはどのように実効あるものにしていこうとされているのか、ご所見をお伺いいたします。 

健康福祉部長答弁

 計画の進捗状況の点検・評価をおこなうため、学識経験者、福祉・教育関係団体、NPO法人等の外部委員からなる協議会を設置して、毎年、委員から意見等を聴取し、計画の推進に反映させています。 

 地域の子どもに無料や安価で食事を提供する子ども食堂が増えています。

 子ども食堂は、生活の厳しい子や、一人で食事をとる子だけでなく、地域の親とみんなが安心して過ごせる場としての役割も期待されています。社会との接点が少なく、横のつながりも希薄化するなか、ここで一緒にご飯を食べることで繋がることができます。大事なのは支援の敷居をいかに下げるのか、子どもの問題は親の問題でもあり、地域の問題でもあります。

 そこで子ども食堂に対する認識と県の関わり方について、どのようにお考えか、知事のご所見をお伺いいたします。

健康福祉部長答弁

経済的に厳しい家庭やひとりで食事をせざるを得ない家庭の子どもたちに対しては、きめ細かな支援が必要と考えており、こうした子どもたちにとって「子ども食堂」は、単なる食事の場にとどまらず、地域で安心できる居場所となるものと認識しています。

こうした居場所づくりにおいては、地域の資源を活用し、地域の実情に応じた取組を行うことが重要であり、市町が主体的に関わることが効果的であることから、県としては、市町での取組が進むよう支援することによって、居場所づくりの取組を拡げていきたいと考えています。

 このため、新年度においては、支援を必要とする子どもと支援者をつなぐコーディネーターの養成や居場所づくりの運営に要する経費の補助等を行うこととしています。

 また、国の委託を受けた大学が調査した、全国学力学習状況調査、全国学力テスト結果分析調査によると、世帯収入の多寡で学力テストの正答率に約20ポイントの開きが生じているとのデータがあります。世帯収入の低い家庭、子どもにかけられる学校外教育費の少ない家庭の子どもほど学力テストの正答率が低いことが分かります。家庭の経済格差が、学力格差を生んでいるのです。

 そこで経済格差から生じる教育格差の状況も踏まえ、子どもの貧困対策における教育支援について、教育委員会ではどのような取り組みを行われているのか教育長にお尋ねいたします。 

教育次長答弁

 子どもの将来が、その生まれ育った環境によって左右されることのないよう、教育の機会均等を図ることは極めて重要です。

 県教委では、35人学級化等による、一人ひとりに応じたきめ細かな学習指導や、やまぐち型地域連携教育の仕組みを活用した地域の人材等による学習支援など、学力保障等に必要な取組の充実を図っています。

 また、スクールソーシャルワーカー等の配置・拡充や、訪問型家庭教育支援の取組など、学校を窓口とした福祉関連機関との連携等により、相談支援体制の充実に努めています。

 さらに、高等学校等就学支援金や奨学のための給付金による低所得者世帯の教育費負担の軽減、経済的な理由により就学が困難な生徒・学生に対する奨学金の貸与等、就学に必要な経済的支援にも取組むなど、子どもの貧困対策における教育支援に、総合的に取組んでいます。

4点目に、教員の負担軽減についてお尋ねします。

 「学校教員の業務負担軽減策として、文部科学省とスポーツ庁は1月6日付で、部活動の休養日を適切に設けるよう求める通知を全国の教育委員会などに出した。」と、報道されました。

 学校の部活問題です。これは、いじめや事故といった類いの話ではなく、教員がプライベートを犠牲にしながら部活動に携わることで、さまざまな負の問題が生じ、結局、最優先すべき授業が犠牲になっているのでは、と危惧されます。

「部活で忙しくて授業の準備にまで手が回らない。もっとよい授業をしたい。」、「補習してほしいと言われても、放課後に教える時間すらない。勉強の苦手な生徒を助けてあげたい。」、「土日も働きづめで、心身ともに疲弊し、生徒としっかり向き合って接する余裕がない。もっと生徒に寄り添いたい。」

 ネットで問題提起をした若手教員のグループのホームページには、全国から切実な声が寄せられています。

 学習指導要領改定案でも部活動は、「教育課程外の学校教育活動」「学校教育が目指す資質や能力の育成に資する」と、明記されていますから、明確な職務に当たります。ただし、これは職務ですから、勤務時間内に行わなければなりません。しかし、土日や早朝を含め、部活動に携わる時間がふえており、まさに今の部活動は教員の情熱によって成り立っているとも言えます。

 もちろん部活動のプラスの部分、その意義や教育効果を否定する気は全くありません。しかし、余りにも行き過ぎた部分はやはり変えるべきではと考えます。

 一昨年12月からは、部活動の顧問をする、しないの選択権を与えるよう、文部科学省が全国の教育委員会に指導、指示することを求める署名運動がネット上で始まり、同時にさまざまな反応を引き起こしました。「自分が休みたいだけだろう」、「教員をやめたほうがいい」といった批判が寄せられた一方で、「先生の大変さがわかった」という声もそれ以上に寄せられ、結局、3万人を超える賛同者が集まったと話題になりました。集まった署名は、昨年の3月と8月に文部科学省に提出され、当時の馳大臣は、「問題意識は共有している」と発言しています。このことで、さらに問題がクローズアップされ、昨年10月に開催された教育再生実行会議では、とうとう安倍首相も、「学校教育においても教員の長時間労働が顕在化している。教員のみが部活動を担うのは限界があり、今の部活のあり方については見直しの必要がある」と述べるに至りました。つまり、この問題は、我慢の足りない一部の教員の声などではなく、社会全体の問題として解決すべきだと認識されたわけです。

 今さらですが、現在の教育現場にはさまざまな問題が持ち込まれ、教員は常にプレッシャーを受け続けています。教員の負担を軽減することが、本来業務である授業の質を高めることにつながると考えています。しかし、幾ら時の首相が問題の解決を指示しても、現場でよきに計らえ程度で済まされるのであれば、意味はありません。部活動の実施に当たっては、教員の善意が前提ではない、明確なルールをつくり、そしてその上で適正なあり方、教員と生徒と保護者のかかわり方のベストミックスを求めていくことが大切なのではないでしょうか。

そこで、教育長にお尋ねします。

 少子高齢化が避けられない中、いかに有為な人材を育てるかという問題は、地方にとって大事な問題です。しかし、心身が疲弊し、余裕のない教員にその大事な任は務まりません。教員の負担を軽減するために、特に部活動とのかかわり方についてどのように認識し、これからどのような対策を打とうとされているのか、お聞かせください。 

教育次長答弁

 部活動は、学校教育の一環として行うものであり、その実施に当たっては、適切な休養日や活動時間を設定することにより、生徒のバランスのとれた生活と成長を促すとともに、教員の負担軽減やワーク・ライフ・バランスへの配慮が必要であると考えています。

 このため、県教委では、技術指導を行う外部指導者や医・科学的な知見を有する専門家の派遣等により、部活動の担当教員を支援するとともに、県立学校及び市町教委に対し、週1日以上の休養日の必要性等について、保護者や関係団体等に十分説明し、理解を深めるとともに、新たな、民間のスポーツクラブ等の協力による指導者の派遣に取組むなど、市町教委とも連携しながら、教員の一層の負担軽減に努めてまいります。

 

 

5点目に、訪日外国人の受け入れ環境整備について伺います。

 日本政府観光局が1月に発表した2016年の訪日外国人旅行者数は2403万9千人となり、年間初の2000万人を超え4年連続で過去最高を更新。国別のトップは中国で、初の600万人を超え、また韓国・台湾・香港を加えた東アジア4市場で、昨年比23.1%増加したほか、欧米・豪など9市場でも前年比17.7%増と大幅に増加を続けています。

 その要因として、クルーズ客船寄港数の増加や航空路線の拡充、訪日旅行プロモーションなどが上げられています。

 さらに今後政府は、2020年に今より倍増となる4000万人を目指すと対応を加速させています。

 今後ますます訪日外国人が増加すると見込まれる一方で、地域間の誘客合戦も過熱しています。本県ではこれまで山口宇部空港とソウル仁川(いんちょん)空港との国際定期便や大型クルーズ船への対応など積極的に基盤整備に取り組んでこられました。今後はこれらに加え、訪れた外国人が快適に過ごすことができる受け入れ環境の向上を図っていくことが重要です。

 観光庁が先月公表した、訪日外国人旅行者を対象に実施したアンケート調査結果によると、「旅行中に困ったこと」の複数回答で、施設等のスタッフとのコミュニケーションが取れないが32.9%。無料公衆無線LAN環境が28.7%。多言語表示の少なさ・わかりにくさが23.6%のほか、公共交通の利用、クレジット/デビットカードの利用などが上位を占めています。調査結果を見ますと外国人旅行者の不便さを解消するためにICTを活用した環境整備として通信環境、WI‐Fiの整備のほか、多言語対応、決済免税手続きの充実などによる利便性向上を図ることが必要と考えられます。

 そこで、ICT機器を利用して、タブレットなどに書いた言葉や文書をすぐに翻訳するシステムや、多言語での指さし翻訳。また言語に応じて専門オペレーターに即時に繋がるサービス。さらには、電子決済や免税手続きの環境整備などによって不便を解消し、観光客の誘客に力を入れてはいかがかと考えますが、ICTを利用した訪日外国人の受け入れ環境整備の取組について、ご所見をお伺いします。 

観光スポーツ文化部長答弁

 国全体で拡大するインバウンド需要を確実に本県に取り込むためには、お尋ねのICTを活用した受入環境の充実を図ることが重要と考えています。

 本年度から、インターネット回線を使って通話ができるスカイプにも対応した、12言語の通訳サービスが受けられる多言語コールセンターを設置し、外国人旅行者のコミュニケーション問題の解決を支援しています。

 また、このコールセンターとも連動し、スマートフォンを通じて、目的地までのアクセス方法などの情報を、5言語で提供する観光アプリを導入するなど、外国人旅行者の快適な県内周遊をサポートしています。

 さらに、こうした観光アプリの利用やSNSによるタイムリーな情報発信に欠かせないWi-Fiについては、市町や民間事業者との連携のもと、「やまぐちFree

Wi-Fi」の普及・拡大を進めており、現在、800を超えるアクセスポイントが整備されています。

 あわせて今後は、観光アプリの導入やWi-Fi      の拡大などを行う市町に対して、新たに創設した「魅力ある観光地域づくり推進事業」なども活用しながら、その取組を支援してまいります。

 こうした中、民間では、タブレット端末を活用した免税手続きの効率化など、更なるICT技術を活用した取組が進んでいることから、本県でも、こうした取組について紹介する研修会を開催し、市町や観光関係団体等への普及啓発に努めています。

 県としては、ICTを活用した受入環境整備の充実を図ることで、外国人観光客の更なる誘客に取り組んでまいります。 

6点目に、上関原発建設計画についてお尋ねします。

 昨年9月議会での、私の、公有水面埋立法第4条に係る質問に対する答弁は、「環境保全に関する項目のやりとり及び中電の回答に対して、どういった部署が担当したのか、また、どう具体的に評価したのかとのお尋ねについてです。お示しのやりとりについては、埋立免許の所管課である土木建築部港湾課が担当し、環境部局の協力を得て、環境保全について審査をし、今回の設計概要の変更が、当初免許時と同様、支障ないと評価したところです。」(会議録第5号71頁)でした。

 とんでもない話です。平成24年9月28日に「生物多様性国家戦略2012‐2020」が閣議決定されています。

 この「国家戦略」は、生物多様性条約及び生物多様性基本法に基づき、「生物多様性の保全及び持続可能な利用に関する国の基本的な方針」を示したものです。

 平成22年(2010年)10月に名古屋で開催された生物多様性条約締約国会議、(COP10)では、「愛知目標」が採択され、「各国は2020年までに少なくとも海域の10%を海洋保護区として保全する」としています。これを受け環境省は、昨年4月22日、海洋保護区設定の基礎資料となる「生物多様性の観点から重要度の高い海域(重要海域)」として沿岸域270カ所を抽出したと発表。瀬戸内海は49カ所、全体の約2割を占め、山口県は、瀬戸内海側だけでも9カ所もあります。

 上関原発建設予定地を含む上関町長島の海も重要海域、「長島・祝島周辺(海域番号13708)」に面しています。

 公有水面埋立予定の田の浦海岸は、環境省自らが認めているように、「瀬戸内海のかっての生物多様性を色濃く残す場所である」、このような海を埋めること自体が、生物多様性基本法に基づいて作成された生物多様性国家戦略に反する行為であり、「県知事による埋め立て許可には、法的な瑕疵がある」と言わざるを得ません。

 従って、昨年8月3日の工事竣功期間伸長等の許可を直ちに取り消すべきだと思いますが、見解を伺います。

 なお、蛇足ながら、辺野古新基地埋め立て用に、山口県の黒髪島と向島から「岩ズリ」を採取、搬出することが計画されていますが、黒髪島(海域番号13709)も重要海域内に面しているので、計画が具体化した際には、環境破壊による生物多様性に危機をもたらすことは国家戦略に反するとの姿勢で対応されるよう強く要望しておきたいと思います。 

土木建築部長答弁

 昨年8月3日の許可は、工事竣功期間伸長及び設計概要変更の2つの申請について許可したものですが、このうち、工事竣功期間伸長申請については、期間伸長の正当な事由の有無を審査するものであり、環境保全に関する事項については、審査の対象となっていません。

 また、設計概要変更申請については、護岸背後の発電所主要建物用地の地盤を嵩上げするものであることから、主として、災害防止に十分配慮されているか、埋立工事の実施に係る騒音、大気質について、環境保全に十分配慮されているかを審査した結果、当初免許と同様に、問題ないと認めたところです。

 一方、お示しの長島・祝島周辺は、「生物多様性の観点から重要度の高い海域」として抽出されていますが、抽出された海域について、環境省は、「生態学的・生物学的な観点からの基礎資料であって、保全施設の対象とすべき場所を直接示すためのものではありません」としています。

 このため、埋立予定地がこの海域に抽出されていることは、埋立の変更について規定する公有水面埋立法第13条の2による審査には、影響を及ぼすものではありません。

 したがって、許可に法的な瑕疵があるとの御指摘は当たらず、これを取り消すことは考えていません。

再質問

 13条に基づいて、環境問題は関係ないと言うが、それでは何故、1回目の補足説明で、環境問題についてはどうなのか、と尋ねたのか。

 最初は、公有水面埋立法の4条に基づく審査をされていたはず。何故、いきなり13条になったのか、再度の答弁を。

 予定地の瀬戸内海も、本当に奇跡と言われる貴重な景観、自然を残している。ここを守る、これが100年先に活きてくる。公有水面埋立に当たって判断すらされないということについて大いなる異議がある。県民のためにならないということで、是非、なぜ配慮されないのか、答弁されたい。

土木建築部長再答弁

 期間伸長を13条の2、伸長の正当な事由の審査のみと言いながら、なぜ、1回目の補足説明において、環境について聞いたのか。ということですが、突然の質問でして、当時のことについて確認はできませんが、補足説明を積み重ねまして、法解釈を検討し、審査を尽くす中で、引き続き土地需要があるかどうかが判断のポイントであるということで、このように判断いたしました。

 次に、あくまで、環境についても審査すべきだについては、生物多様性国家戦略、あるいは生物多様性の観点から重要度の高い海域の抽出、いずれにしましても規制等は定めておりませんので、埋立法の審査に影響を与えるものではありません。 

7点目、最後の質問は米軍岩国基地問題についてです。

 昨年4月に沖縄で起きた女性殺害・遺棄事件を受けて、「渉外知事会」は、「基地と隣り合わせに暮らさざるを得ない住民の、安全で安心な生活を根底から脅かすものであり、断じて許すことはできない」として、外務・防衛両省とアメリカ大使館に日米地位協定の改定などを求める緊急要請をしました。

 しかし、1月16日、政府は地位協定の改定には踏み込まず、米軍属の範囲の明確化などを定めた日米補足協定でお茶を濁しています。

 知事と岩国市長は連名で、「空母艦載機の岩国基地への移駐について」、中国四国防衛局長に1月31日に照会し、2月28日に回答を得ていますが、これの事件・事故の防止対策の項をみると、「平素より米側に対し、隊員の教育や綱紀粛正を図るなど、その防止に努めるよう働きかけている。」と、そっけないものです。

 県知事として、沖縄県知事のように直接、地位協定の改定を求めている訳でもなく、国の回答もおざなりです。

 そこでお尋ねです。かって、昭和31年3月に秋吉台を米海軍航空隊の爆撃演習地とするため、使用条件の変更を米軍が求めているので同意願いたいと政府が申し入れてきた時、当時の小澤太郎県知事は、直ちに「同意できない」と回答、米軍が爆撃演習を強行するなら知事自ら現場に座り込むとまで言って、米軍要求を撤回させた歴史がある訳ですが、「極東最大の軍事基地を認めるか否か」の瀬戸際にある割に、村岡知事の県民の安心・安全を守るという気概が伝わってこない気がしてなりません。

 そこで、この点について、どういうご認識か知事のご所見をお伺いします。

 そして、この際ですので、村岡知事は1952年に発効したサンフランシスコ講和条約と、そのひきかえに1960年日米間で結ばされた日米安全保障条約、その肝心な行政協定、1960年には地位協定に改正されていますが、地位協定をどのように認識しておられるのか、お尋ねします。 

基地担当総務部理事答弁

 県では、基地問題については、国の外交防衛政策を尊重し、これに協力する一方、県民の安全で平穏な生活を確保する立場から、言うべきことは言うという姿勢で対処しているところです。

 具体的には、お示しの米軍関係者による事件や米軍機による事故は、あってはならないと考えており、発生した場合には、その都度、直ちに、地元市町と連携して、国や米側に対し、再発防止の徹底等を強く要請しています。

 さらに、米軍機の運用についても、問題のある事案に接した場合には、内容について確認の上、必要な申入れ等を行っており、県としては、今後とも、こうした取組を通じて、県民の安心・安全の確保に努めてまいります。

 次に、日米地位協定に対する認識についてです。

 我が国を取り巻く安全保障環境や社会経済情勢が大きく変化する中、地位協定は、昭和35年に締結されて以来、一度も改定されておらず、この間、国においては、問題が発生する都度、その運用改善や補足協定の締結により対応してきたところです。

 県としては、地位協定は、被疑者の拘禁や裁判権など米軍の裁量に委ねられている部分が多いことから、米軍基地に起因する事件等を抜本的に解決するためには、その改定が必要であると考えており、基地を抱える自治体共通の課題として、引き続き、渉外知事会等を通じて、国に粘り強く求めてまいります。 

再質問

 米軍基地が集中する沖縄では、本土復帰の1972年から昨年6月までの44年間に起きた米軍がらみの殺人・強姦など凶悪犯罪は575件、平均すると月に1件は起きている。厚木からの移駐人員は3800人。地位協定により基地にやってくる米軍人はパスポートなしで良いので名前も正確な人数も把握できない。日本で車を運転するに国際免許証は必要なく車購入の税金軽減。高速道路も無料。基地管理権は米軍側。公務中の犯罪は米軍に裁判権。ようするに在日米軍の軍人、軍属、家族らは日本の法律に縛られないで自由に行動できることになっている。事件が起きるたびに、綱紀粛正が空しく響く。こうゆうことなのに、事件・事故の防止策について、国は何ら有効な対策を講じていない。講じることはできない。手が出せない。それなのに県として評価できるとするなら、県が万一の場合は、県が責任を負うと、そこまでの覚悟があって、評価をされているということになるが、この点について、見解を伺う。

基地担当総務部理事再答弁

 県としましては、事件・事故はあってはならないというふうに考えておりまして、地方自治体の役割を踏まえ、基地問題については、個別の事案ごとに必要な対応を国や米側に求めております。今後とも、こういった姿勢で県民の安心・安全の確保に努めてまいります。                                                 以上

11月定例県議会報告

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一般質問(2016年12月7日)

国会では、TPPと「年金カット法案」強行のため会期延長されるなど議会制民主主義の土台が揺らいでいます。

また、国の今年度の当初予算を見ると農林水産予算は2兆3000億円だが、防衛予算は4兆8600億円もあるなど、この国を現権力者はどこに導こうとしているのか、危険な兆候を感じざるを得ない。と、冒頭申し上げ、発言通告に従い一般質問を行います。

質問の一点目は、集落営農法人への支援についてです。

農業従事者の減少や高齢化、そして米価低迷と10a当たり1万5千円あった米の直接支払い交付金が7500円になり2018年度には、これも廃止になるなど稲作中心の本県の農業では厳しい状況が続いており、集落営農に一縷の望みを託さざるを得ない状況に立ち至っています。  地域の農業を支える県内の集落営農法人は、平成23年度134法人であったものが今年11月末現在で241法人と着実に増加しているものの、2015年農林業センサスによる本県の農業従事者の平均年齢は70.3歳と、全国平均の66.4歳よりも高く、現在ある集落営農法人を維持していくことも容易ではありません。今後も集落営農を推進することはいいのですが、高齢化が進み、組織があっても作業できる人がどんどん減っている状況が私の住んでいる地域でも見られます。

これからは、新たな集落営農法人の設立とともに、既存法人をどうフォローアップしていくかということもしっかりと考えていかなければなりません。できた法人を放っておけば、潰れるようなことがあってはなりません。  ある農業者に聞くと、息子や孫は農業をしないというわけです。私は、せめてこの問題が、息子は今、農業以外で勤めているが、定年退職になれば農業をする。すぐはできないが、定年退職前から徐々に土日を使いながら手伝いをする中で、親が一生懸命やっているのを引き継いでいくという状況になればいいのですが、やはり個々の家庭では事情が違うと思うのです。家の中のことでありますから、集落営農や認定農業者の議論をしてみても、なかなか具体的な話はできないのだろうと思われます。  集落営農を守り育てていくためには、施設・機械等の整備や経営の高度化支援といった効率化や集約化の視点も重要だと思いますが、高齢化が進む法人の実態を踏まえ、経営の持続性の観点から、法人の担い手や後継者の確保にもしっかりと取り組む必要があると考えます。そのためには、地域の農業・農地のあり方を集落内で日常的に話し合い、集落営農の必要性や認識をしっかりとした上で、集落の将来ビジョンを明確にし、地域の農地を地域ぐるみでどのようにして維持していくのか、合意形成の場を確保・充実させることが重要であると考えます。

そこで、お尋ねです。

平成27年度末の本県の集落営農法人の規模は平均で26.3haだそうですが、20~30ha規模の経営で、十分な所得が得られる専従オペレーターと、農地の出し手であり軽作業を分担する担い手でもある多数の構成員とが、しっかり役割分担しながら持続可能な山口県版経営モデルを確立しなければならないのではと思いますが、そのために地域の特性にあったきめ細かな指導・支援体制を、財政支援を含めて、県として構築すべきではと思いますが、どのようにお考えか伺います。

村岡知事答弁

 集落営農法人への支援について、小規模農家が多く担い手の高齢化が進む本県では、農地や機械の効率的な利用が可能で、多様な人材を活かせる集落営農法人を育成することが重要で、設立から経営安定まで、重点的に支援し、結果、全国上位にランクされる241法人が設立され、高齢者のリタイアで耕作できない農地の引き受けや、需要に応えるパン用小麦や酒米等の生産拡大など、本県農業の振興に大きく貢献している。

こうした中、法人構成員の高齢化が進み、米価の低迷など経営環境は厳しさを増しており、今後、経営を続けていく上で、法人の後継者となる新規就業者の確保とともに、所得を確保できる経営体質の強化が、喫緊の課題となっている。

 このような課題を克服するためには、集落の話し合いにより担い手や営農の将来ビジョンを明確にし、その実現に向けた取組を促進することが重要で、市町やJAをはじめ県下の集落営農法人で組織する協議会とも連携し、引き続き、地域の特性に応じた指導・支援に努めていく考えです。

まず、新規就業者の確保については、全国で唯一、法人構成員も対象にして5年間助成する「定着支援給付金」制度をはじめ、就業者向け住宅の改修や施設の整備などにより、法人の受入体制づくりを支援します。

 併せて、新規就業者が法人の担い手として定着できるよう、農業大学校の法人就業研修を充実し、栽培や機械操作など実践的な技術習得を支援するほか、就業後の仕事や暮らしの様々な相談にも対応できるサポートや、就業者同士のネットワークづくりを促進する。

また、就業の受け皿となる法人の経営体質の強化については、専従オペレーター等の所得を確保できる経営モデルを確立するため、小規模な法人が多い本県の特性を踏まえ、複数の法人が連携して事業を拡大できる「集落営農法人連合体」の育成を加速させたい。

 この連合体の設立に向けて、地域の実情に精通したコーディネーターを配置し、法人間の調整を進めるとともに、広範囲の農地を効率的に利用できるよう、大型機械の整備や、ICT活用の農作業管理システム導入を支援する。

さらに、所得向上を図るため、6次産業化への展開をはじめ、地域の特性に応じた取組を促進する。

 私は、今後とも、こうしたきめ細かな指導・支援体制のもとで、本県農業が持続的に発展できるよう、集落営農法人を核とした農業構造の確立に、積極的に取り組んでいく。

 

質問の二点目は、障害者の工賃アップについてであります。

国連の「障害者の権利に関する条約」の締結に向けた国内法制度の整備の一環として、全ての国民が、障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生できる社会の実現に向け、障害を理由とする差別の解消を推進することを目的として、2013年(平成25年)6月、「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」(いわゆる「障害者差別解消法」)が制定され、今年4月1日から施行されました。大きな一歩だとは思います。

そこで具体的な問題をお尋ねします。

障害を持つ子供の親は、自分が死んだ後、子供はどうなるのだろうと心配しながら暮らしておられます。障害のある人が自立した生活を送るためには、就労によって経済的な基盤を確立することが重要です。

そのためには、障害者雇用を支援するための仕組みを整えるとともに、障害者が就労する施設等の仕事を確保し、その経営基盤を強化することも必要です。

そこで、障害者就労施設で就労する障害者等の自立の促進に資することを目的として、障害者優先調達推進法が、2012年(平成24年)6月20日に成立、2013年(平成25年)4月1日から施行されたわけです。

これを踏まえ、本県でも「山口県工賃向上計画(第2期)」が策定されており、

就労継続支援B型事業所の平成29年度の目標工賃を月額16,903円に設定して、目標達成にむけて、例えば受注の拡大としての「農福連携」であるとか、県の優先発注の推進であるとかの各種施策に取り組むとしています。

そこで、お尋ねは、目標工賃の設定はされていますが、実際に事業所で働く障害者の工賃は平均で実際いくら位なのかをお示しください。また、目標達成に向けての具体的施策についてお聞かせください。

その上で、知事にお伺いします。  県としては、工賃向上に資するため、調達方針を作成していると思いますが、その方針はどうなっているのでしょうか。  また、障害者施設への発注拡大方針の通知は、どのようにされているのでしょうか。お聞かせください。

結局のところ、障害者優先調達推進法施行によって、障害者の工賃向上にどう結びついたのかもお伺いします。

部長答弁

 障害者の工賃アップについての数点のお尋ねにお答えします。

①まず、事業所で働く障害者の平均工賃についてです。

平成27年度の就労継続支援B型事業所の平均工賃は、月額16,238円となっています。

②次に、目標工賃達成に向けての具体的施策についてです。

 県では、事業所の経営改善に向けた研修会の開催や中小企業診断士等アドバイザーの派遣、農業分野との連携による農作業受託の推進、ショッピングセンターでの授産製品展示販売会の実施、障害者就労事業所への優先発注などに取り組んでいます。

③次に、調達方針についてです。

 平成28年度調達方針においては、県が障害者就労事業所から物品等を調達する目標額を1,500万円としています。

④次に、障害者施設への発注拡大方針の通知についてです。

 平成28年6月8日付けで知事部局、教育庁、警察本部の全所属へ文書で調達方針を通知するとともに、会計担当職員研修会で説明し周知しているところです。

さら、各部局や出先機関を直接訪問し、優先調達への協力を依頼しているところです。

⑤次に、障害者優先調達推進法施行による、障害者の工賃向上についてです。

 工賃を法施行前の平成24年度と27年度で比較すると、月額15,577円から16,238円に増加しており、法施行後、工賃は着実に向上しています。

 県としては、今後とも、障害のある方の工賃向上に向けた取組の充実に努めてまいります

再質問 関連して農福連携就労支援促進事業について質す。

部長答弁

 1点目は、農福連携に関してニーズと供給の掘り起こしに係るアンケート調査を実施しているか?については、今年度、県は4地区でモデルで農福連携を実施していますが、実施にあたってはアンケート調査を実施の上行っています。

2点目は、事業実施にあたって社会就労事業振興センターに委託しているが、県が直営ですべきではないか?とのお尋ねですが、委託先の社会就労支援事業振興センターについては、ノウハウを持ったコーディネイターを配置していることから県が直営するよりもこちらに委託した方がよいと判断しています。

質問の3点目は、情報公開請求を通じ知り合った方からの情報によれば古代から現代までの県の歴史をまとめた「山口県史」が2年前の10月1日で4400冊あまりの在庫があって販売価格に換算すると3000万円にも上っていたそうだが、その後、何らかの対策あるいは活用法を見出してこられたのだろうか、お尋ねします。

この件に関連して、滋賀県では歴史的に価値の高い膨大な文書をデジタルアーカイブ化し、インターネットでの公開なども検討され、「公文書管理条例の制定を目指し、歴史的文書の利用を具体的権利として位置づけたい」とされているようですし、国においては公文書管理法は既に2011年4月に施行されていること。また、島根、熊本、鳥取、香川の4県では「公文書管理条例」を制定済みであることから、紹介した滋賀県の検討状況に倣い、担当部がまたがるのかも知れませんが、本県でも「公文書管理条例」の制定について検討されてはどうかと思いますが、知事のご所見を伺います。

部長答弁

①歴史文書も含めた公文書の管理についてのお尋ねのうち、山口県史の在庫活用についてお答えします。

 県史は、山口県の歴史を後世に伝える貴重な財産であり、大学等の研究機関や公立の図書館等へ配布してまいりました。

その印刷部数については、これまで、配布後、追加の要望があった場合に応じられるよう余裕をもって印刷してきたところですが、近年の配布実績に基づき、適宜、印刷部数を見直してきたところであり、現時点では、1巻あたり100冊強の在庫となっております。

 今後は、これに併せて県内の大学の講義で活用してもらうなど、新たな活用方策も検討してまいります。

②公文書管理条例の制定についてのお尋ねにお答えします。

 お示しのとおり、滋賀県では、歴史的価値の高い公文書をより利用しやすくすることなどを目指し、現在、公文書管理条例の制定が検討されているところです。

 一方、本県の公文書については、山口県公文書取扱規程等に基づき適切に取り扱われており、保存期間を経過した廃棄文書に関しては、所蔵を要する文書を県文書館に引き継ぎ、専門研究員のもと、県文書館条例に基づいて、重要な歴史的資料として保存・整理・公開などの活用を図っているところです。

また、県文書館では、利用者の利便性の向上に資するため、毛利家文庫などの歴史的価値を有する資料をデジタル情報の形で記録・保存し、インターネットで公開するデジタルアーカイブ化についても、取組を進めております。

 こうしたことから、県としては、公文書管理条例の制定について、検討を行う考えはありません。

質問の4点目は、上関原発建設計画についてです。

9月県議会定例会での上関原発建設計画に係る公有水面埋立についての私の質問、「平成24年10月4日、この日は埋立免許期限切れの10月6日の前日5日に中電が駆け込みで設計概要変更、工事竣功期間伸長許可申請書を出してきた前日に当たりますが…国交省・水政課に出張された復命書には、『昨年6月に示された国の法解釈について確認した。県の法的整理の考え方について報告した』とあり、この国の法解釈及び県の法的整理についての資料を、改めて県民の知る権利を保障するためにも開示していただきたい。」との質問に対する部長答弁は、「お示しの資料については、国とは口頭でやり取りを行っていたため、公文書として存在していません。」という答弁でした。

本当にメモ書きすら残されていないのですか。こういうことがあってはならないから国においては公文書管理法が制定されたのであって、再度同じ質問をしますので、改めて答弁をお願いします。

次に、公有水面埋立法による免許権者である県知事の監督責任についてお尋ねします。

公有水面埋立法が昭和48年に一部改正される際に国会で議論が行われています。

第71回国会衆議院建設委員会議事録(第21号)の18頁に、時間の関係で前後の重要なやりとりを紹介できないのが残念ですが、「一体誰がその監督をしているのか、この埋立工事そのものは」という追及に対して、当時の建設省河川局次長は、「免許権者である都道府県知事が監督いたします。」と明確に答弁しています。

そこでお尋ねです。

2005年6月定例会での我が会派の佐々木さんの質問に対し、当時の水産部長は「私も、調査海域におきまして、許可漁業としてのまきえ釣り漁業や自由漁業としての一本釣り漁業が営まれていることは承知しております。」と答弁されました。

当時は、原子炉設置許可申請に必要な詳細調査のための「一般海域の占用許可」を県知事が出したことが問題になっていましたが、頑なに、「しかし、財産権等の権利を有するかどうかについては、係争中で、県として、見解を申し上げる立場にない」

これの「オウム返し答弁」を現在の公有水面埋立免許にあたっても繰り返すばかりですが、これでは到底、先ほど述べた監督責任が果たされているとは絶対に言えない訳で、この点に対する答弁を求めます。

部長答弁

 上関原発建設計画についての2点のお尋ねにお答えします。

①まず、平成24年10月4日に国交省に出張した復命書にある「国の法解釈」及び「県の法的整理」についての資料を改めて開示すべきであると再度問う、とのお尋ねです。

公文書の開示については、情報公開条例の手続きによることとなりますが、9月議会でもお答えしましたとおり、お示しの資料については、国とは口頭でやり取りを行っていたため、情報公開条例の対象である公文書として存在していません。

②次に、現在の公有水面埋立免許に当たってもオウム返し答弁を繰り返すばかりで、監督責任が果たされているとは言えないのではないか、とのお尋ねです。

公有水面埋立免許と許可漁業・自由漁業との関係については、これまでも答弁してきたとおりであり、公有水面埋立法では、埋立工事の着手にあたっては埋立工事の施行区域内の、「漁業権者」等水面権利者に対する補償が必要とされていますが、この場合の「漁業権者」とは、漁業法に基づき漁業権の免許を受けた者をいい、自由漁業・許可漁業者は含まれていません。

漁業権者等の水面権利者以外の者に対する補償については、公有水面埋立法で必要とされているものではなく、当事者間で解決すべき民事上の問題であることから、埋立免許権者である県として、監督責任が果たされていないとの指摘は当たりません。

再質問 今年は、チェルノブイリ30年目にあたる。30年前のチェルノブイリ原発事故と、5ねんまえの福島原発事故の決定的な違いは、福島は5年後の今でもなお、放射能がじゃじゃ漏れなのにチェルノブイリは事故後10日間で、色々言われているけれども、恒久的に放射能を封じ込め、半年後にはコンクリートの石棺で封じています。1986年4月26日ソ連の空軍大将のの指揮下で大型ヘリコプターによりホウ酸40トン、焼却抑制用の石灰岩800トン、放出抑制用の鉛2400トン等、合計5000トンを原子炉へ投下する作業を始めて6日間で投下を完了して、10日目には放射能の放出をほぼ収束させたと言われています。しかし、その間に漏れた放射能でいまだにチェルノブイリは苦しんでいる状況です。

一方、日本は棟土壁も、その後どうなったのか報道がない。旨く行ってないから報道がないのだと思う。そのような状況にある中で、国策だからと言って原発政策に無批判でいる県の態度については、いかがなものかと強く思うところです。

 そこで、私が監督と言いましたのは、第71回国会の建設委員会議事録第21号のペイジ数を示しましたが、はっきり書いてあると思います。

当時は第5条で4つに限定したが、その他に、公共用物は一般公衆の共同使用に供されるので、多種多様な自由使用が可能で様々な慣習上の権利が存在する。この権利については、今回は環境面を重点的に改正してあるので、今回は4点に絞るけれども、埋立法の不備を追及された大臣は、民法の補完事務によって、そのことについてはきちんと対応する。今回は抜本的な改正ではない。抜本的な改正をするときには、この委員会の中ででた意見を十分に検討してみたい。一部改正で一歩前進して完全な抜本改正に向け、今後引き続き努力していくと約束している。

これは極めて憲法違反に近いけれども、このようなことを実質的に配慮・運用するからということで、違憲性が問題にならなくて今日まで来ている。

 さらに、そのことを補完するために公共用地の取得に伴う損失補償基準要綱があるが、以前の私の質問に、この要綱は埋立法とは関係ない。との部長答弁であったが、この要綱には慣習上の権利についてはきちんと補償をしなければならないと定めてある。

 この二つのことをもって、この埋立法は違憲でないと認識されてきたというふうになっていると思いますけれども、この点について答弁を。

公有水面8条には工事着手の制限、補償がされていなければ工事をしてはならないとある。誰がそれをまもらないのを監督するのかといったら、それは都道府県知事である。とあるが。

部長答弁

 埋立法上で定めます工事着手の制限のための漁業補償の範囲として、許可漁業、自由漁業も含まれるべきではないかと、そのように監督すべきではないかとの質問ですが、現行法制上、工事着手の制限に係ります漁業補償の範囲といたしましては、漁業権者等の水面権者というふうになっていますので、そのように運用している。

最後に、交通安全対策について警察本部長に、ご所見をお伺いします。

本県の交通事故死者数は、全国平均を下回って推移しているとはいえ今年10月末で53名、うち65歳以上の23名の方が亡くなられています。

警察庁によると、車道幅員5.5m以上の道路における交通事故件数は、2014年(平成26年)調査で10年前と比較して43.1%減少しているのに対し、生活道路と考えられる車道幅員5.5m未満の道路では33.8%の減少にとどまっています。

そして、幅員5.5m未満の道路で発生した人身事故を車の速度と歩行者死亡の関係を分析したデータによると車のスピードが30キロ未満までの致死率は1%以下だが時速30キロを超えると歩行者の致死率が急激に上昇することも分かっているようです。

さらに、運転者は、シートベルトの着用やエアバックの普及である程度守られるようになってきていますが、一方で、歩行者などが犠牲になる事故が無くならず、通学路で子どもが巻き込まれる痛ましい事故のニュースが続いています。

幹線道路などでは、事故が多発する地点がだいたい特定でき、事故が多い交差点に右折専用の信号機を設けるとか、カーブに目立つ標識を立てるとかの対策の効果があらわれて事故が減ってきているのだろうと思います。

しかし、生活道路は見通しの悪い交差点だらけで、事故が起こる地点もばらばらのようです。

そこで、ヨーロッパで広がり、効果を上げているという「ゾーン30」という生活道路の交通安全対策に取り組まれ、現時点で、14警察署管内42か所でゾーン(区域)が指定され運用されており、ドライバーや歩行者の注意喚起に大いに役立つものと期待されています。

この「ゾーン30」の区域指定に当たっては、道路管理者や地域の皆さんとの協議・調整などでご苦労もあろうかと思いますし、経費を必要とするので、効率的に事業を進めていく必要があります。

そこで、お尋ねは、これまでの事業効果をどのように評価され、今後、どのように進めていこうとお考えか、警察本部長のご所見をお伺います。

次に、道路交通法第一条には、その目的として、「道路における危険を防止し、その他交通の安全と円滑を図り、及び道路の交通に起因する障害の防止に資することを目的とする」とされています。

その目的の遂行のため、警察官が交通指導、取り締まりに日夜励んでおられることには敬意を表しますが、指導、取り締まりが検挙を行うためのものになっているのではないかとの声も耳にします。

警察官の前では、交通違反はしないようにするという住民心理があるため、住民には見えない場所で取り締まり、違反を検挙するという場合もあるのかもしれませんが、検挙に主眼を置かず、口頭での正しい指導、優しい指導を推進することにより、住民を交通ルールの遵守に導くという方法もあるのではないかと思います。

そこで、交通指導のあり方についてどのようにお考えか、警察本部長のご所見をお伺いします。

最後に、高齢ドライバーによる交通事故が社会問題化しています。

「この10月の終わりに横浜でおきた、軽トラックが集団登校していた小学生の列に突っ込み、男子1人が死亡、7人が重軽傷。軽トラックの男に認知症の疑い。」、記憶に新しいなんとも痛ましい事故です。

2年前のNHKのクローズアップ現代で、高齢化率が全国4位の本県での、運転免許の自主返納の取組が、取り上げられ放送されたのを思い出しています。

また、高齢者の交通事故防止県民運動を、今年も11月9日(水曜日)から15日(火曜日)までの7日間、行われてもいます。

県警においては、大変な啓発活動に努められている事に敬意を表しつつ、この免許返納制度、運転卒業証制度とされているようですが、この制度がどのように推移しているのか、また協賛企業・団体の拡がりがどのようになっているのか伺います。

そして、今後、高齢ドライバーの交通事故防止に、どのように対処していかれるのか、警察本部長にご所見をお伺いいたしまして、一回目の質問を終わります。

警察本部長答弁

 交通安全対策に関する数点のお尋ねにお答えをいたします。

 まず、「ゾーン30」の事業効果と今後の取組についてです。

 「ゾーン30」は、生活道路や通学路における通過交通と自動車の走行速度の抑制を図ることで、高齢者や子供などの「交通弱者」に対する交通事故抑止対策として極めて有効であります。

当県では、平成25年度から整備を開始しており、検証いたしましたところ、交通事故発生件数は約15パーセント減少しておりますほか、整備地区内の住民の方からは、「車も歩行者に注意するようになり、歩きやすくなった。」という反響もあるなど、一定の効果が現れているものと考えております。

 「ゾーン30」の整備に当たっては、地区の選定や範囲の線引きについて、地域住民の意見を踏まえつつ、個別に整備の効果や交通環境を分析し、来年度以降においても、引き続き必要性の高いところから、順次整備を進めることとしております。

あわせて、「ゾーン30」の道路標示の視覚効果を高め、速度抑制効果のあるポストコーンを設置して幅員を狭さく化するなど、道路管理者と連携した対策を更に推進してまいります。

 次に、交通指導取締りの在り方についてです。

 交通指導取締りは、交通の秩序を確立し、安全で円滑な交通環境を実現するために不可欠な警察活動であり、違反行為の未然防止に努めるとともに、交通事故の発生実態、取締りに対する県民の要望等を踏まえ、悪質性、危険性、迷惑性の高い違反に重点を置いて実施をしております。

 こうした活動により、運転者の交通ルールの遵守と安全行動の実践が促され、交通事故を防いでいると考えております。

今後とも、街頭での交通指導により、違反の未然防止に努めるとともに、取締りの際には、交通違反をした方への丁寧な対応は勿論、交通事故の発生実態やその違反の持つ危険性を十分説明するなど、県民のみなさまから理解と共感が得られる取締りを推進してまいります。

 次に、運転卒業証制度についてです。

高齢者自身が今後の運転に不安を感じるなどして、免許を自主返納された場合、申請によって運転卒業証や運転経歴証明書の交付を受けられた方には、タクシー料金の割引などの支援が受けられる制度を実施しています。

 開始間もない平成21年の運転卒業証交付者数は1,681人で平成24年4月からは、運転経歴証明書の交付を受けられた方に対しても支援が受けられるよう対象を拡大し、平成27年中では、双方で5,152件の申請を受けております。

また、支援事業所も、開始当初の平成20年11月では、40の事業所であったところから、本年11月末では、523事業所に増加しております。

 さらに、高齢者ドライバー対策ですが、本県では、運転操作の誤りを原因とする事故が多く発生していることから、病気や身体機能の低下によって、自分の運転に不安を感じている方には、自動車教習所の指導員による実車講習を行っているほか、専用電話を設置して運転適性相談の充実を図っています。

加えて、本年から、先進安全自動車、いわゆるASVについて、その有用性を実感していただくため、自動車ディーラーと連携して体験試乗などを行い、高齢者が関与する事故の減少に取り組んでおります。

 こうした取組を通じて、潜在的な危険性のある方については、運転免許の自主返納を促すほか、認知症と診断された方については、免許取消しなどの行政処分も行っています。

県警察では、今後も、県民が安全や安心を実感できるよう、「交通安全県やまぐち」の実現に向け、各種交通安全対策を強力に推進してまいります。

以上

 

9月定例県議会報告

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一般質問(2016年9月29日)

今議会に、村岡知事は、国の進める経済対策にしっかりと呼応して、補助・直轄公共事業について、農林水産関係、土木関係に、123億500万円を追加計上。歳出との関連で、県債62億5700万円を追加する等の補正予算を提案されました。

国の経済対策、アベノミクスは株高や減税で大企業の儲けを増やせば賃金や消費も増えるという「トリクルダウン」がシナリオになっていますが、実際には大企業の儲けは増えても内部留保で溜め込んでいるため賃金には回らず、雇用も増えるのは非正規ばかりです。

派遣やパートなど非正規の雇用は不安定で賃金も安く、消費の拡大には結びついていません。

先の参院選で安倍首相は、「アベノミクスで好循環が生まれ始めた」「道半ばだ」と宣伝し勝利しましたが、選挙が終わった途端に、28兆円超の経済対策を打ち出しました。

「好循環が生まれ始めた」と言っていたはずなのに何故なのか。不思議でなりません。

さらに、TPP法案についても、政府は情報をほとんど出さないままに、しかもアメリカの次期大統領候補が2人とも反対表明している。事実、首相とヒラリー氏が19日にニューヨークのホテルで会談した際も見解相違が浮き彫りになった。との報道もあるのに、何が何でも早く国会を通過させようとしています。

そこで、お尋ねです。

①安倍政権が推し進めようとしている経済対策は、いったい誰のための経済対策なのでしょうか?

②結局、国と地方の借金を増やし、ばらまきを進めるものになりはしないのでしょうか?

この2点の疑問について、多くの県民の皆さんも知りたがっておられますので、具体的に分かり易く、この際、知事のご所見をお示しいただければ幸せます。

【幸せます・・・・山口の方言】

村岡知事答弁

①誰のための経済対策なのかとのお尋ねです。

我が国経済は、雇用・所得環境が着実に改善する一方で、個人消費や民間投資はいまだ力強さを欠いた状況にあることから、国においては、このたび、長引くデフレからの完全な脱却と中長期的な経済成長への道筋を確かなものとするため、「未来への投資を実現する経済対策」に取り組むこととしたところです。

この経済対策は、将来的な成長の基盤となるインフラ整備や防災対応の強化のほか、子育て・介護の環境整備や働き方改革の推進など、一億総活躍社会の実現の加速等に重点をおいたものとなっており、まさに国民全体の未来を見据えた経済対策であると考えています。

②次に、国と地方の借金を増やし、ばらまきを進めるものになるのではないかとのお尋ねです。

 本経済対策は、当面の需要喚起にとどまらず、民需主導の持続的な経済成長と一億総活躍社会の着実な実現につながる施策を中心にするものとなっており、ご指摘の「ばらまき」には当たらないと考えています。

また、国においては、経済対策の推進に当たり、国・地方を合わせた基礎的財政収支の黒字化という平成32年度の財政健全化目標を堅持することとし、その観点から、赤字国債を発行せず、建設国債や既定経費の減額分等を財源に充てることとされているほか、地方負担に対しても、手厚い交付税措置のある補正予算債等の有利な財政措置が講じられているところです。

 私は、この経済対策を効果的に活用し、県経済の活性化や人口減少対策、安心・安全対策の充実など、本県の直面する政策課題への的確な対応を図ってまいりたいと考えています。

コメント  128億3千万円が追加補正されたが、123億500万円は農林水産・土木関係の公共事業で、その半分以上の62億5700万円は県債で賄っています。   安倍政権の「未来への投資を実現する経済対策」そのものが財政法29条の定める補正予算の「緊要性」に反し、政府与党の「便利な財布」としてバラマキの温床になっています。

「アベノミクスのエンジンを最大限にふかす」とし、経済対策を実施すること自体、アベノミクスの失敗を自ら認めたに等しく、対策の中身も旧来型の公共事業で、賃金が伸び悩み、消費が冷え込み、アベノミクスが失敗している事実を直視するものではない。

 国に単に追随するだけで良いのか疑問です。 

 今まさに、「緊要」で、「未来への投資」として必要なことは、子育て・教育支援や将来不安を解消するための社会保障の拡充、近年あいつぐ災害への備えではないか・・

 

次に、2月議会で、学生等の投票参加についてお尋ねしたところ、「選挙権を行使するためには、住民票を基に調製される選挙人名簿に登録される必要がある。下宿している学生の住所は、一般的には、下宿先にあるとされていることから、その下宿先に住民票を移す必要がある。(略)住民票を所管する市町や大学等とも連携し、大学の入学式等の機会を利用して、積極的に周知を図ってまいります。」との答弁でしたが、若年層の投票率向上につながったようには思えません。

先の参院選から18歳選挙権になったことから、総務省は新たに有権者となった18,19歳全員、約240万人の選挙区における投票率調査の結果を発表しました。

山口県は、18歳が43.41%で下から9番目。19歳が31.79%で下から6番目という結果に終わっています。

19歳投票率1位は東京の53.8%、2位は神奈川の51.09%で、山口よりはるかに高率です。理由は明らかです。例えば、横浜市のホームペイジから記者発表資料を閲覧できますが、3月1日付けで選管事務局選挙課が、18歳選挙権が始まり、全ての大学生が有権者となる今夏の参院選をチャンスととらえ、「住民票を移して現住所での投票」を原則としながらも、やむを得ず住民票を移していない学生には、住民票のある市町村に投票用紙を請求して、最寄りの選挙管理委員会で投票ができる『不在者投票』の利用を呼びかけるリーフレットを作成し、市内27大学で配布しています。・・・資料参照

http://www.city.yokohama.lg.jp/senkyo/what/a4ri-huretttokisyahappyou.pdf

本県選管でも、昭和29年の最高裁判決など、はるか昔の判決を持ち出して、できない。などと言われずに、是非、こうした『不在者投票』利用の方法もある。との啓発活動を展開する方針に転換すべきだと思いますが、選挙管理委員長のご所見をお聞かせいただくと幸せます。

選管委員長答弁  この度の参議院選挙は、選挙権年齢が18歳に引き下げられて初めて行われた選挙であり、県選管としては、新たな有権者に対して市町選管や県教委とも連携して、出前授業などの主権者教育に取り組み、制度の周知や政治意識の向上を図ってまいりました。

お尋ねの住民票を移していない学生等に対する不在者投票を利用する啓発活動については、選挙権を行使するためには、公選法により、実際に居住する市町に住民票を移し、選挙人名簿に登録されることが要件です。なお、本年2月の法改正において、進学等により住民票を移したら、新たな住所地で選挙人名簿に登録される要件とされている、3ケ月以上の住民基本台帳への記載を満たさない場合には、旧住所地で選挙人名簿に登録される制度が創設されました。そのようなことから、先ずは居住の実態に即して住民票を移し、選挙人名簿に登録された上で、選挙権を行使していただきたいと考えております。

県選管としては、今後とも、進学等により住所移転する場合には、住民票移動の届出が必要なことを市町選管や高校、大学、専門学校等とも連携して周知をはかってまいります。

再質問で、

 居住の実態と言うが、安倍首相の不在者投票のニュースが流れる。居住の実態が山口にあるとは思えない。また、県内の選管でもこの遠隔地不在者投票を認めてやっているところもある。

 「実家に住民票、選管で対応が違う」これはおかしいので、選管委員長には。この遠隔地不在者投票制度について、強く要請しておきます。

3点目に、学童保育の待機児童問題について伺います。

私のところに相談に来られた若いお母さんが、「小学1年生の子どもを放課後児童クラブに預けようとしたら、定員を越えているので、待機になると言われた。家族構成は、母親と小1の娘さんと両親の同居。敷地内に要介護3で認知症の祖父と祖母で、仕事は月曜から土曜までフルタイムで働いている。父は兼業農家で出勤前と帰宅後2時間、畑に出かけて家にはいない。母も農業の手伝いと祖父母2人の介護だけでなく、母自身も大病をして以来、体調がすぐれず横になる日もある。祖父は家族の名をも忘れてしまうほどだし、祖母も80半ばで去年、危篤状態から奇跡的に生還して、自分のことで精一杯の状態。このような家庭環境で放課後児童クラブが利用できないとなると、負担は母にかかるが、大病の後だし、母が倒れると、仕事を続けることが困難になります。市に相談したら、ファミリーサポートを勧められたが、1時間600円もかかっては、なんのために働いているのかわかりません。今のままでは仕事を続けていくことは難しいと感じています。転職も考えています。

片親ですし、将来の事を考えると仕事を続けたいのですが…、先のことが不安でなりません。」

こんな風に、三世代同居でも厳しい子育て環境にある。ましてや共働き世帯にとって、職場に復帰して働き始めてはいたが、再びどちらかが子供を見るために、働くことを放棄せざるを得ない状況が見受けられます。それが今、小一の壁と言われていることです。

少子化や核家族化の進行、就労形態の多様化等に伴い、女性の力が最大限発揮できるよう、安全で安心して児童を預けることができる環境を整備することは重要です。今後とも共働き家庭がふえていくと思われますが、そうしますと、子育て支援の中で放課後児童の対策が必要になってきます。

本県の現状を見ますと、平成27年度で放課後児童クラブは13市5町の337か所、放課後子ども教室が18市町、189教室で実施されていますが、全国学童保育連絡協議会が9月2日に公表した学童保育(放課後児童クラブ)の実施状況調査結果によると、放課後児童クラブを利用できなかった児童、いわゆる待機児童数は全国で15,836人、本県でも512人発生しています。

そこで、先ずは質問ですが、本県では学童待機児童の定義があるのかどうか、あればどういったものか示していただけると幸せます。

さて、本県では、共働き家庭等の「小1の壁」を打破するとともに、次代を担う人材を育成するため、全ての就学児童が放課後等を安全・安心に過ごし、多様な体験・活動を行うことができるよう、一体型を中心とした放課後児童クラブ及び放課後子ども教室の計画的な整備等を進める「放課後子ども総合プラン」を推進しています。

放課後児童クラブは共働き世帯の児童を対象とした生活の場、放課後子ども教室は学習・体験活動の場との役割分担のもとで実施していますが、本来は全ての子供が安全・安心に放課後を過ごし、その中で多様な体験・活動を行いながら、次代を担う人材を育成していくことが最も重要だと考えます。

例えば、同一小学校内の余裕教室の融通活用であるとか、特に放課後子ども教室は教育委員会が所管していることもあり、退職教員の有効活用や大学生、地域ボランティアなど、豊富な知識と経験を持った指導者がおり、そのような人材を放課後児童クラブと連携して共通プログラムを設定するなどにより、さらに充実を図ることができるのではないでしょうか。

この点、実施主体は市町であり、最後は市町がどう対応するかということになりますが、県も一体的、または連携して実施することを推進していることから、その実現に向けて適切に支援していく必要があると考えます。

そこで、知事及び教育長にお伺いいたします。

まず、待機児童が発生している放課後児童クラブの現状認識と放課後子ども総合プランの推進状況を踏まえた上で、教育委員会と連携して、一体的または連携実施の促進策を検討すべきと考えますが、知事の御所見を聞かせてもらえれば幸せます。

また、教育委員会においても、放課後子ども教室の実施状況を踏まえ、学校施設の利活用促進や退職教員などを活用した共通プログラムの実施の促進など、知事部局と連携して放課後子ども総合プランを推進すべきと考えますが、教育長の御所見も聞かせてもらえれば幸せます。

健康福祉部長答弁

 放課後児童クラブの待機児童の定義についてです。

 厚生労働省が行う「放課後児童健全育成事業の実施状況調査」では、「調査時点において、放課後児童クラブの対象児童で、利用申し込みをしたが何らかの理由で利用できなかった児童」とされており、本県も同様に取り扱っています。

次に、放課後児童クラブの現状認識と、放課後子ども総合プランの進捗状況を踏まえた上、教育委員会と連携した一体的又は連携実施の促進策の検討についてです。

 まず、放課後児童クラブの現状については、対象児童の拡大や女性の就業割合の高まりなどにより、本年5月1日現在で、7市1町において512人の待機児童が発生しており、これらの市町においては、実施場所や職員の確保が課題となっていると認識しております。

次に、放課後子ども総合プランの進捗状況については、本県では、「やまぐち子ども・子育て応援プラン」において、放課後児童クラブの受入児童数を平成31年度に15,551人に増やす目標を設定していますが、昨年度末で受入児童数は14,137人となっており、ほぼ目標ペースで進んでいます。

 また、放課後子ども教室との一体的又は連携実施については、市町が整備する放課後児童クラブに対する財政支援や、教育委員会と連携した放課後児童クラブと放課後子ども教室の従事者の合同研修会の開催などの取組により、実施個所数は年々増加しており、現在74クラブとなっています。

今後は、一体的又は連携実施がさらに進むよう、教育委員会と連携して、市町の意見も聞きながら課題等を整理し、促進策を検討してまいります。

県教委教育次長答弁

放課後子ども総合プランに関するお尋ねのうち、知事部局との連携についてお答えします。

 県教委では、国の補助事業を活用して、市町による放課後子ども教室の設置・運営に対する財政支援や高校生等ボランティアの参画支援を行うほか、福祉部局等とも連携して放課後子ども教室や放課後児童クラブ等に関わる地域住民等を対象とした合同研修会を開催し、双方の関係者が交流できる機会を提供するなど、放課後子ども教室の設置と、放課後児童クラブとの連携の促進に取り組んでいます。

 また、お示しの「放課後こども総合プラン」の策定を受けて、昨年度から、当該プランの趣旨を踏まえ、学校施設等を活用して放課後児童クラブと一体的に実施する放課後子ども教室、いわゆる「一体型」の設置に対する財政支援を拡充したところであり、こうした取組により、放課後子ども教室の設置数は10年前に比べほぼ倍増し、「一体型」や、放課後児童クラブと連携して実施する「連携型」についても年々増加しています。

県教委としては今後とも、子どもたちが放課後において安心・安全に、充実した学習や体験を行うことができるよう、福祉部局や市町教委との連携により、放課後子ども総合プランの推進に努めてまいります

最後に、上関原発建設計画について質問します。

8月3日の上関原発予定地埋立免許竣工期限延長等の「許可処分プラス要請」を知って、真っ先に、憤りと共に思い出したのが、平成13年4月23日の資源エネルギー庁長官宛の上関原発計画を電源開発基本計画組み入れに対する6分野21項目の知事意見書です。

同意の表現を意見書に盛り込まず、「国の責任と誠意ある対応」を担保に副知事が口頭で「同意」を伝える異例の形を取りました。そして中国電力に対しては今回同様に要請を行っています。

この知事意見書により、上関原発建設計画は平成13年6月11日に国の電源開発基本計画に組み入れられ、平成17年に横滑りして、「国の重要電源開発地点の指定」と言われるものになっている。

注目すべきは、「今後の対応状況等によっては、当該計画の推進等について、県が保有する権限、事務、協力等を留保することもあり得ることを申し添えておきます。」との、強い調子の文言を両文書ともに使っていることです。

このことを踏まえた時、今回の延長許可処分のキーワードは、「上関原発に係る重要電源開発地点指定は引き続き有効であり…解除することは考えていない」としていることから、

そもそも論からして、平成13年4月の知事意見が全てクリアされているのかを県民に説明する責任がある。従って、この6分野21項目、特に、「安全対策、防災対策、環境保全」分野について国からどのような担保が得られているのかを詳しく説明されたい。これが質問の1点目です。

 

2点目です。情報公開請求によって、正確には非開示に対する異議申立による情報公開審査会の答申第45号によって、ようやく開示されるようになった「上関原発をめぐる公有水面埋立法の運用手続き等について国へ問い合わせた際の復命書」に関連して質問します。

①平成24年10月4日、この日は埋立免許期限切れの10月6日の前日5日に中電が駆け込みで設計概要変更・工事竣功期間伸長許可申請書を出してきた前日に当たるが、土木建築部審議官、港湾課主幹などのみなさんが国交省水管理・国土保全局水政課に出張された復命書には、「昨年6月に示された国の法解釈について確認した。」「県の法的整理の考え方について報告した。」とある。

既に、「意思形成過程にあるものは非開示としてきたものは開示する。」と回答されていることから、ここでいう、「国の法解釈」及び「県の法的整理」についての資料をあらためて県民の知る権利を保障するためにも開示すべきであるが、どうなのか伺います。

②平成24年10月17日の出張では、この日は第1回目の補足説明を求めた23日の直前だが、「●設計概要の変更許可については、『正当な理由があること』及び『法第4条第1項、第2項の免許基準に適合していること』の両方を満たしているか否かを審査する必要があると考えている旨を報告した。●設計概要の変更許可に係る『正当な事由』の有無については、県が判断すべきものである旨の確認をした。」とあるが、敢えて法第4条第3項を除外した理由を説明していただきたい。

さらに、10月23日の1回目の補足説明から平成25年1月30日の間、4回の補足説明を求めた中に法第4条に基づき「環境保全」に関する項目があるのは当然と思うが、このやり取り及び中電の回答に対して、どういった部署が担当したのか、また、どう具体的に評価したのか明らかにされたい。

また、事業者の平成25年2月22日の4回目の回答中のハヤブサの記述で26~7字程度の不自然な黒塗りがあるが、この部分を非開示とした理由を説明されたい。

③中電へ1回目の回答指定日としていた平成24年11月13日の出張で、「行政処分の時期については、県の判断である旨を確認した。」とあり、国との協議で時期に言及している。結果として、以降4年近く処分を棚上げし、行政手続法で定めなければならない標準処理期間を無視してきた事実からして、極めて意図的なものを感じるが、この点について県は法を守らなくても良いとでも言うのか?この点について県民に明らかにされたい。

④さらに、山本知事時代にもう1回、村岡知事になってから4回の復命書が開示されているが、最も酷いのが、延長許可処分を下す直前のこの7月29日に土木建築部長が出張した「竣工期間伸長許可に関する確認」なる復命書だ。「①竣功期間の伸長許可について、他の事情を一切考慮せず、埋立地に建設する建物の着工時期が明らかでないことのみを理由として、申請を不許可とすることは適切ではないこと。②竣功期間の延長許可について、埋立地に建設する施設の位置や規模が変更される可能性がある場合であっても、変更が必要になれば出願事項の変更手続きを取ればよいものであり、他の事情を一切考慮せず、このことのみを理由に申請を不許可とすることは適切ではないこと。」の2点を口頭確認した。と、ある。国からは、待ってましたとばかりに、「貴見のとおり。竣功期間の伸長許可について定める公有水面埋立法第13条の2は、免許権者において、申請に係る具体的状況を総合的に考慮して、期間内に竣功できなかったことについて合理的な理由があること、今後埋立を続行するのに十分な理由があることなど、正当な理由が認められるか否かを審査して、その可否を判断すると解される。」と、ある。

無茶苦茶で、これでは、2019年7月6日に埋立工事が竣功できるとは考えていないのに期間伸長許可を出したとの疑念を持たざるをえない。

そこで質問だが、8月3日の我々への説明では、国の見解では、期間延長に正当な事由があると認められるときは、埋立免許権者は「許可をなすべき法律上の拘束を受ける」、すなわち、許可しなければならないとされている。したがって、県としては、法に基づき許可するほかない。と説明し、あたかも公有水面埋立法が法定受託事務であり、県は、国の意向に反する行為ができないかのような説明をするが、今回は、設計概要変更も含んだものであって、先に②でふれたように、「正当な事由」と「法第4条の免許基準」の両方を満たしているか否かを知事が審査し判断できる。公有水面埋立法第4条は、1号法定受託事務にはそもそも入っていないのだから、至極当然のことであって、あたかも県知事の判断は国により拘束され、法に基づき許可するほかない。との説明は誤りであり、8月3日の「上関原発に係る公有水面埋立免許の出願事項の変更の許可」は取り消し処分にできる。すべきと思うが、見解を質しますので答弁をお願いします。

土木建築部長答弁

(1)延長許可に当たり、(上関原発を電源開発基本計画組み入れに対する)6分野21項目の知事意見書について、全てクリアされているのか、特に、「安全対策、防災対策、環境保全」分野について国からどのような担保が得られているのかとのお尋ねです。

お示しの6分野21項目の知事意見については、平成13年に知事意見を求められた際に、県から資源エネルギー庁長官宛てに提出したもので、これらの項目については、原子力発電所本体の安全審査等が進む中で、国の対応状況を検証しいくものであることから、お示しの「安全対策、防災対策、環境保全」については、現時点では、国の対応状況を検証しうる状況にありません。

(コメント;当時の副知事が、国からの担保が得られたので、口頭で「合意」と受け止めてもらっていいと答えた。との公式見解は、どこにいったのか)(この知事意見書が、その後の重要電源開発地点指定につながっていっている)

(2)ア①次に、平成24年10月4日に国交省に出張した復命書の「国の法解釈」および「県の法的整理」についての資料を、改めて開示すべきであるとのお尋ねです。

 お示しの資料については、国とは口頭でやり取りを行っていたため、公文書として存在していません。

(コメント;二井元知事の法的整理を引き継いだ筈の山本前知事の裏切りを、追跡されたくないのだろう)

②次に、法第4条第3項を敢えて除外した理由を説明せよとのお尋ねです。

 お示しの出張の際には、設計概要の変更許可の要件について県の考えを報告したもので、設計概要の変更について規定する公有水面埋立法第13条の2では、法第4条第3項は準用されておらず、敢えて除外したものではありません。

(コメント;この時点で、不許可方針から転換しており、祝島漁協が未だ漁業補償金の受け取りを拒否していることを無視し、漁業補償金問題は解決済みの立場を県はとっている)

③「環境保全」に関する項目のやり取り及び中電の回答に対して、どういった部署が、どう具体的に評価したのか、とのお尋ねです。

埋立免許の所管課である土木建築部港湾課が担当し、環境部局の協力を得て、環境保全について審査をし、今回の設計概要の変更が、当初免許時と同様、支障ないと評価したところです。

(コメント;中電の言い分を丸のみするばかりで、上関の自然を守る会などの調査報告は無視し続けている)

④ハヤブサの記述の部分を非開示とした理由についてです。

 旧環境庁が示した環境影響評価法に基づく環境影響評価項目選定指針に関する基本的事項で、「希少生物の生息・生育に関する情報については、必要に応じ公開に当たって種及び場所を特定できない形で整理する等の配慮が行われること」とされています。

お示しの箇所については、希少生物の生息・生育に影響を与えるおそれのある情報であり、山口県情報公開条例における非開示事項である法令秘情報に該当するため、非開示としたものです。

(コメント;ハヤブサが鼻繰り島にいることは既に広く知られている)

⑤国との協議で「行政処分の時期については、県の判断である旨を確認した」とあり、以降4年近く処分を棚上げし、行政手続法で定めなければならない標準処理期間を無視してきた事実からして、県は法を守らなくても良いのかとのお尋ねです。

 標準処理期間は行政処分をする期間の目安であり、一方、埋立免許権者としては、申請内容の的確な把握に努め、公有水面埋立法に基づき、適正な審査を行う責務がありますので、法律上の要件である「正当な事由」の有無を判断できるようになるまでは、審査を継続する必要があったものであり、目安である標準処理期間を超過してもやむを得ないものと考えています。

(コメント;前山本知事の方針転換により、処分の先延ばしの是非を国に相談したのだろう)

⑥期間延長に正当な事由があると認められるときは、埋立免許権者は許可しなければならないとされていると説明し、あたかも公有水面埋立法が法定受託事務であり、県は、国の意向に反する行為ができないかのような説明をするが、公有水面埋立法第4条は、1号法定受託事務には入っていないのだから、県知事の判断は国により拘束されるとの説明は誤りであり、変更の許可は取り消し処分にできるとのお尋ねです。

ご指摘のとおり、公有水面埋立法第4条は第1号法定受託事務には入っておりませんが、一方で、今回処分を行った期間延長及び設計概要の変更は、ともに法第13条の2に基づくもので、この条項は第1号法定受託事務とされています。

 また、処分の説明に当たりお示しした国の見解は、埋立免許権者が審査した結果、正当な事由が認められる段階に至った場合には、許可という選択肢しかないという趣旨の行政実例を引用しているもので、この度の処分は、公有水面埋立法に基づき厳正に対処したもので、取り消すことは考えていません。

(コメント:法4条の許可要件は無視し、正当な事由が、資源エネルギー庁の課長名文書、しかも公印もない文書の記述をもって判断できた。とし法13条の2をもって延長許可するなどの政治的判断は認められない)

再質問  国とのやり取りの中で、「正当な事由」があるのみで、許可相当だと判断している。

ここに情報公開で出てきた文書、村岡知事の公印のある4月14日付の「上関原子力発電所の係る公有水面埋立免許については、現在、事業者から出願事項の変更の申請がされており、県はその申請内容に具体的に公有水面埋立法に基づき、変更の許可または不許可についての審査を行っている最中である。」との公文書があるが、この不許可の審査についてどう説明するのかが質問の1点。

そして、知事が佐々木県議にも、ほかの県議にも答弁しているが、「土地需要が当初免許と同様にあるから、法律の許可の要件を満たしている以上、免許権者である知事としては許可をしなければならないとなっているので許可を行った。」と答弁されています。

今回の根拠規定は、公有水面埋立法第13条の2の1項と言うが、13条の2の最後は「…許可することを得」、ここで終わっており、許可しなければならないとは書いてない。

 法令上の規定がなくとも、違法な行政処分を行政庁自ら取り消すことができるのは、行政法上当然な解釈である。

「自庁取消」ないし「職権取り消し」と呼ばれるもので、最高裁判所第2小法廷昭和36(オ)1183:判決がある。「違法な行政行為の取り消しは、これを認める明示の法律規定を必要としない。」との解釈がされている。先程、戸倉県議の質問で、昭和20何年かの通達があると言ったが、最高裁の判例の方が最高法規ですから、部長答弁はおかしい。再答弁を。

そして、公有水面第4条、には1号から6号ある。この4条1項の4号、「埋立地の用途に照らして、公共施設の配置及び規模が適正で有ること。」これからいうと、(議長が、時間です。やめてください。と)先ほど戸倉県議も言われたように、変更申請があるかもわからないと、とんでもない話なので、再答弁を。

土木建築部長再答弁

1点目は、不許可に関する審査の方はどうなったのかという質問でした。許可にすべきか、不許可にすべきかを審査をしてきたということで、その結果が許可すべきという結論になったということです。

 次に、許可をしなくてはならないと説明したわけですが、法律の方では、許可をすることを得。つまり許可することができるという書き方になっているのではないかということでございます。これにつきましては、、昭和28年内閣法制局の「この許可は行政庁の自由裁量の範囲に属するものではなく、免許権者は正当の事由があると認められるときは変更の許可をなすべき法律上の拘束を受けるものと解されている」、これに従いまして処分をしたものです。

(答弁漏れを自席で指摘。)

 最高裁判決があって、違法な行政行為の取り消しはこれを認める明示の法律規定を必要としない。とある。先程の通達より、最高裁の判決の方が上ではないかと問うたが?

部長答弁

違法な行政行為とは思っておりませんので、取り消しはございません。

(すれ違い答弁だと指摘)

 全くすれ違いの答弁だ。どちらが上か?

部長答弁

 その処分が違法であったときには、ということがその最高裁の判決でございましょうか、その適用条件と理解いたします。今回はその違法な処分であるとは思っておりませんので、それは適用されないと考えております。

(コメント;最後は開き直ってしまった。) 

最後に、私たち6名の県議は、本年1月6日付けで公文書開示請求をしたところ1月15日付けで部分開示の真黒塗り文書を出され、3月11日に異議申立をし、5月12日には山口県情報公開審査会の依頼により意見書を提出済みであるが、それから4か月半超を経過してもなしのつぶてである。

出張復命書を基に質問できたのも、情報公開請求し、黒塗りの部分開示、異議申し立て、審査会の審議・答申というめんどくさい手続きを経て、やっと文書開示されたとはいえ、事前に検討する余裕ができたから質問できた。この異議申し立てがその後、一体どうなっているのかお答え願いたい。

最後の最後に、昨年の9月議会でも、「山口県情報公開条例」では(開示をしないことができる公文書)第11条本文で、「(いわゆる)非開示情報が記録されているときは、当該公文書の開示をしないことができる。」と、『できる規定』になっており、これは中四国・九州17県で唯一古い条文のままで、他は皆、『開示しなければならない』であること。

さらに、非開示の範囲はできるだけ狭くするという流れであるにもかかわらず、第11条第5号に「意思形成の過程」の文言が、中四国・九州で唯一山口のみ残っていること。などなどを指摘し、条例改正の検討を求めましたが、再度、同じ事を伺いまして、1回目の質問を終わります。

総務部長答弁

 上関原発計画に係る情報公開についてのお尋ねのうち、まず、異議申し立てについてお答えします。

山口県情報公開審査会では、情報公開条例の定めにより、実施機関からの諮問に基づき、実施機関及び異議申立人の双方から意見書又は資料の提出を求めて審査を行い、答申することとなっています。

 本件異議申立については、実施機関及び異議申立人双方の意見書の提出を受けて、本年6月の審査会から審査が行われています。

 現在、審査会では、法令等に基づく検証や個々の対象公文書の見分を行うなど、実施機関の行った部分開示決定の妥当性について慎重に審査が行われているところです。

 次に、条例改正についてお答えします。

本県の情報公開条例は、公文書の「原則開示」を基本理念とし、条例の解釈及び運用に当たっては、開示を求める者の権利を最大限に尊重しなければならないと規定しています。

 その上で、公文書の開示請求に対し。実施機関は、非開示事項に該当しない限り、開示することを原則としているところです。

また、「意思形成過程情報」などの規定についても、他県においては、法令の解釈及び運用等に当たり、同様の趣旨を含む「包括的な規定」により、非開示情報を判断することとされているところです。

 したがいまして、本県の条例は、趣旨及び運用において、他県の条例と何ら異なるものではないため、その見直しを行うことは考えていません。

以上

 

6月議会報告(1)6月議会報告(2)

6月定例会(2016年6月15日)

           一般質問

知事は、議案の説明に先立ち、熊本地震の被災地に実際に行かれて、大規模な災害への備えの重要性について改めて認識した。と述べられました。

そこで、最初に、本県の災害・防災対応について質問します。

東日本大震災の救援・復興では、自治体職員の献身的な奮闘が伝えられています。熊本地震でもそうですが、その一方で、支援物資が被災者にすぐに届かない、被災証明書の発行がすぐにできない、義援金の配布が遅いなどの状況があるようです。  この原因は何か。

1つは同じ被災地区に自治体職員は住むのですから、当然、みずからが被災者になっているということです。もう1つは、小泉改革以降、市町村合併も行われ、激しい自治体職員の削減があったからです。  県内自治体の正規職員数も、この間の市町村合併で、かなり減少しています。このことは防災上の直接のマンパワーを後退させ、災害対応の即応性や的確さ、丁寧さが失われることにもつながっています。  さらに、既に県も含め市町の業務の多くが委託業者、指定管理者に任されています。災害となった場合、ここでもフル稼働していただき、被災市民の援助に向かってもらわねばなりません。  県も市町も、幾つもの災害時の協定を結んでいます。自治体間では相互応援協定、食品などの物資や復旧工事、情報や仮設資材などでは、各種団体、業者との業務協定を結んで災害時に備えています。  しかし、直接自治体の公的事業を担っている委託業者や指定管理者との災害時のしっかりした対応と連携が意外と不十分であり、不明確に思われます。

本県では、既に多くの公的業務を指定管理者などに業務委託しています。もし直営の公的業務とそこの正規職員のみが災害時に対応するだけなら、本県の防災力は落ちるばかりとなるでしょう。  例えば直営の公的業務が100%だったものを外部に業務委託するなら、直接の業務は90%、80%、70%と減っていきます。それがコスト削減になるからいいことだとされてきました。しかし、その業務委託先との防災に関するしっかりした、基本的にして具体的な契約内容がなければどうなるかです。業務委託先から、県民の救済は契約にありません、そもそも具体的に何も指示されていませんとなってしまいます。  そうなると、本県の持つ防災上の力は、本来100%だったものも、90%、80%、70%と落ちていくではありませんか。これでは防災上において、安かろう、危なかろうとなってしまいます。  今回、本県の指定管理者制度ガイドラインを読んでみました。包括協定書を調べさせてもらったところ、19条に(緊急時の対応)があり、「災害その他の緊急事態への対応等について、あらかじめマニュアルを作成し、管理業務に従事している者に周知徹底するものとする。」と一応はなっているようですが、取ってつけたようなもので、災害については、重要な基本的契約でもないし、たとえやればできるにしても具体的内容にはなっていません。つまり、直ちに県民への災害と救助に対応することができないのです。また、担当部ごとにばらばらなのではないのかとも危惧されます。こんな先方まかせの災害対応で本当に良いのかと思います。これらを整理して防災への協力体制を確立していく必要があるかと思います。

そこで質問します。防災は県のすべての部署から整備されるべきです。災害時に当たっては、県の持つすべての力を迅速に、最も大切な県民の救済と復興に充てなければなりません。そのためには、県の多くの公的事業を担っている委託業者や指定管理者との災害時のしっかりした対応と連携を図るべきです。  防災危機管理の面から、県の公的事業の委託先との協定書、契約書、仕様書などの内容を総点検し、災害時の対応を基本的にして具体性・即応性ある内容に改定していく方向を示すべきです。いかがお考えでしょうか。そして、市町にも同様の対応をお願いされてはどうかと思いますが、御所見を伺います。   資料を見てもらいたいのですけれども、これはS市の条例定数と正規職員の増減のグラフです。さっき言った小泉内閣以降を見てみますと、正規職員が1,128名から729名と、399名も減っている。条例定数では949名なのですけれども、このように正規職員が削減されています。

災害に関しては3段階、職員に対する動員があると思います。第1配備、第2配備、第3配備と。第1配備が注意、第2が警報、第3配備は大規模災害の全員動員ということになっているようですが、防災マンパワーから見ると、全員出動でいえばますます防災マンパワーが後退していくということになるかと思います。災害対応の直接の主戦力は正規職員なのです。  その一方、非正規の職員の皆さんは、この正規職員の業務の穴埋めのためにどんどんふやされています。これらの方々の非正規職員の皆さんの力もしっかり借りる。そして、アウトソーシングされている指定管理者や民間委託先の力もかりなければ、基本的なマンパワー、防災力としては落ちるばかりではないでしょうか。このことを危惧するものです。  そこで質問します。  災害に対する県や市町、自治体の基本的なマンパワーは正規職員です。また、すべての事業で直接災害に即応できるのは直営事業です。官から民へ、正規から非正規へとして正規職員の削減に次ぐ削減は防災力を弱めることになり、もうこの辺で改めるべきと考えますが、御所見を伺います。  既に大変な数で非正規職員の方々が主な業務に従事しておられます。これらの皆さんの待遇改善とともに、正規職員だけでなく、非正規職員にも防災教育や防災上の業務訓練もすべきです。この点についてもお尋ねします。

【総務部長答弁】

①指定管理者やその他の公共施設に係る委託業者については、利用者の安全確保や危機管理などの観点も含めて、審査を行った上で、適切な事業者を選定しており、緊急時における防災体制が整っています。

 このうち、避難所等の防災拠点としての活用が想定される指定管理者施設につきましては、既に業務仕様書において、災害時に優先して避難者等を受け入れることなど緊急時の対応を定めていることから、協力体制は確保できていると考えています。

 このため、県の全ての指定管理者や委託業者との協定書などを総点検することは考えていませんが、引き続き、災害時の対応に支障がないよう努めてまいります。

 また、各市町においても、地域の実情に応じ、関係者との適切な連携が図られていると考えています。

②正規職員の削減が防災力を弱めているのではないかとのお尋ねです。

県では、簡素で効率的な組織体制の構築に向けて、事務事業の見直し等を通じ、適正な人員配置に努めており、災害発生時においても、必要な行政機能が維持できるよう、「業務継続計画」を策定し、執行体制の確保を図っております。

③次に、臨時職員等の処遇改善とともに、防災教育等を行うべきではないかとのお尋ねです。

臨時職員の賃金等については、その業務内容等を踏まえて、正規職員の初任給の水準等も勘案し、決定しており、適正なものと考えております。

また、職員の防災教育等については、正規職員向けに開催している県の防災体制等の研修に加えまして、今後、臨時職員等を対象とした研修も行うこととしています。

【再質問】

実際に災害が起こった時に、施設おられたかを安全に誘導するというのは、別に(契約内容)に書いて無くとも、当然のことで、熊本県も山口県と同じ自然災害の保険料率であったように地震がないとされてきたのに、あのような地震が起きた。山口県も地震がないからを企業誘致の売り文句にしている。

点検する気がないとは、いかがなものか。

【総務部長答弁】

指定管理者等について点検する気がないとのことだが、万一のためにも点検すべきだとの重ねてのお尋ねでありますが、特に避難所などの活用することが考えられる指定管理施設については、災害時には、避難者、たまたまそこにいた人だけでなくて、避難者についても来られた場合には、避難者等優先して受け入れると定めているところであります。こういったことを定めていました、協力体制が確保できていると考えています。

また、指定管理施設につきましても、定期的なモニタリングも実施しておりますので、こうした機会を活用しながら、各施設における危機管理体制に遺漏がないよう努めたいと考えております。

次に、税制についてお尋ねいたします。  現在、我が国の税制は、税収に占める消費税の割合がたかまり、消費税依存税制となっています。今年度の国の一般会計における当初予算においては、税収が57.6兆円となり、バブル崩壊が始まったと言われる1992年度の実績を23年ぶりに上回った昨年度よりさらに高水準とされています。  しかし、24年前の1992年度と今年度の税収を比較すると、法人税は13.7兆円から1.5兆円減少し、所得税収は23.2兆円から5.3兆円減収する一方、消費税収は5.2兆円から11.9兆円も大幅に増加し、17兆円を超えています。つまり、この間の復興特別法人税の前倒し廃止なども含めた法人税減税、所得税率のフラット化などによる減収分を消費税で穴埋めしてきたと言っても過言ではありません。  一方、法人所得に課税する国・地方の実質的な税負担率、つまり法人の実効税率について、政府は、平成28年度税制改正で法人実効税率を20%台まで引き下げました。  しかし、法人実効税率を1%下げるには、約5000億円の財源が必要とされることから、代替財源として赤字法人にも課税できる地方税である法人事業税における外形標準課税の拡大などで財源を捻出しようとしています。さらに、中小企業にも外形標準課税を拡大させようという動きもあるやに伺っています。  しかし、企業数の99%を占め、雇用の7割の受け皿となっているのが中小企業であります。外形標準課税の拡大は、アベノミクス恩恵に浴することができず赤字となっている中小企業の税負担の増大により、業績がさらに悪化するとともに、雇用の拡大や賃金上昇に悪影響を与えるおそれが大であります。  さて、本県の財政状況に目を転じると、財政力指数は公表されている最新の平成24~26年度の3か年度平均が0.40867と、財政力指数が40%台の団体で下位、全国で26/47位のようです。  しかし、今後の財政需要の増加が見込まれる一方で、アベノミクス効果が十分ではない本県では、県税収入の動向が不透明であり、地方消費税の引き上げ後も自主財源比率は依然低く、貯金にあたる基金の残高は73億円で、自然災害に備え最低限必要としてきた100億円を割り込んでいますし、中期財政見通しでは、2017年度に134億円の財源不足を見込んでいるとのことでありますが、今後の景気の後退や国の歳出改革などにより、財源不足はさらに拡大する可能性も否定できません。  財源の確保として地方交付税は、地方の財源不足や格差を補う役割を持ち、地方固有の共有財源であり、財源調整・保障機能を有しているものであって、いわゆる頑張る地域の応援、行革努力や地域の活性化努力の反映や選別主義、政策誘導的、恣意的な交付税算定をさせてはならないのが大前提でありますが、私が重要だと考えているのが、地方税の充実強化です。  現在、国と地方の歳出比率は、4対6であるのに対し、税収比率は6対4と大きくかけ離れている状況となっています。地方の自主性、そして自立性を高め、今後の歳出規模に対応するためには、少なくとも国税と地方税の割合を5対5にするなど、地方税の充実強化を図ることが必要であると考えます。  そこで、お尋ねをいたします。  自治体の安定した財源確保は、住民の暮らしを守り、地域の経済を元気にするために必要不可欠であり、そのためには地域的な偏在性の低い地方消費税の充実強化などが考えられますが、地方税の充実強化のためにどのような税制改革を国に求めていくのか、御所見をお聞かせください。  また、大企業の減税の一方で、外形標準課税の拡大など、本県においても大多数を占める中小企業への課税強化の動きについては反対すべきと考えますが、御所見をお聞かせください。

【総務部長答弁】

①「国と地方の税源配分」については、かねてより国と地方の役割分担に応じた配分が望ましいとされてきたことから、平成19年度には、所得税から個人住民税への税源移譲が行われました。

されに、社会保障財源の安定確保のため、地方消費税についても、税率引き上げによる充実強化が図られたほか、税源の偏在性を是正するため、地方法人課税を見直すなど、所要の措置が講じられてきたところです。

本県としては、引き続き、地方分権を支える基盤は地方税であるとの観点から、地方税の充実や、税源の偏在性が小さく安定的な地方税体系の構築が図られるよう、全国知事会等を通じ、国に要望してまいりたいと考えています。

②中小企業への課税の強化の動きに反対すべきとのことですが、現在、法人事業税の外形標準課税は、資本金1億円を超える企業を対象としており、中小企業への適用拡大については、本県としても、地域経済への影響等を踏まえて、慎重に検討するよう、全国知事会を等を通じて要望しているところです。

【再質問】

 地方創生、人口減少対策をはじめとして、防災・現在対策も含めて、さらには地域活性化など、本当に今、県も含めて、地方自治体の直面する課題に地方が責任をもって対応していくためには、自主財源の確保・充実は絶対に必要だと思いますし、全国知事会を通じて、偏在性が小さい、税収が安定的な地方消費税の拡充など要望しているとおっしゃっていますけれども、この間、全国知事会を通じて要望されても、単なる儀式に終わっているような気がしてなりません。

 改めて、県として、財政力指数が26位ですか、平均よりやや下にある、自主財源だけでは賄えないという状況にさし至っている中で、自然災害に備える基金も100億円を割っているという状況の中では、知事は御若い訳ですから大阪府の橋下元知事のように、言いたいことを言いあげればですね、テレビでも全国区に村岡知事がなられるのではないか、そういう風な気がいたしまして、思い切って言われる。言われなければ、いつまでも知事会に頼っているということは、現状を是認するということに繋がりかねないと思いますので、改めて決意のほどをお聞かせいただきたいと思い、再質問させていただきます。

【総務部長答弁】

税制に関して、地方税源、地方税制充実のために決意をというご質問でございました。

 地方税制につきまして、もちろん、かっては、先ほども申しました19年度の税源移譲等もございます。地方税制、地方税源の充実ということを求めております。ただその税制、税体系につきましては、先ほども申しましたが、税源の偏在性が小さいということですとか、税収が安定的であるというなど、望ましい地方税の条件というものもございまして、こうした点について、全国知事会を通じましてしっかり要望しておりますし、県として、県の政府要望の中でも、この税源の偏在性、できるだけ現行の税制の中でも、偏在性を小さくしてほしい、あるいは、税制、きちんと財源を確保してほしいということを、これまでも、そしてこれからも、きちんと政府にも要望していきたいと考えております。

 

次に、医療保険制度改革についてお尋ねいたします。  昨年5月27日、医療保険制度改革関連法が国会で可決・成立しました。この法律の主たる内容は、国民健康保険の改革、後期高齢者の支援金制度の改正、負担の公平化、患者申出療養の創設などであり、その根底には、国からの医療保険への税の投入を極力減らすことにあります。  今年度からは、大病院への紹介状がない受診には、一部自己負担以外に定額負担が課されます。これが一般化すれば、診療所、中小病院の受診者にも形を変えた定額負担が課せられるのは必定であり、患者の自己負担と医療供給体制に大幅なしわ寄せと混乱をもたらすのではないかと危惧しています。  さらに、患者申出療養は、混合診療解禁への道を開くものではないでしょうか。しかも、この制度は、現行では前例がない評価療養の承認がおおむね6から7カ月とされているものを、原則6週間としていることであり、これでは薬の副作用などについて安全性が全く担保されないばかりか、高額な新薬を使用する場合には、民間医療保険会社が介入することによって、安心できる医療は金次第という流れがつくられるのではないかと、これまた危惧するところであります。  そして、この医療保険制度の改革の中核は、国民健康保険の財政運営等を2018年度より都道府県に移管することにあります。今日、国保は大きな赤字を抱えており、その財政運営責任を都道府県に負わせるというものであります。  さて、市町国保の総収入に占める国庫支出金の割合は、1980年代以降低下し、公的医療費抑制策が打ち出された1980年代の約50%から2008年には約25%と削減され、その分が医療保険加入者の保険料、自治体の一般会計からの繰り入れなどに転嫁されてきました。国保制度は見込まれる医療費を加入者に負担させるという観点で国保料が算出されるため、国保料が高く改善傾向にあるものの、収納率は低い水準にあります。そして、滞納者が多いことから、保険料が高いという悪循環に陥っています。  市町国保の構造的な問題として、本来の農業者、自営業者が加入する保険から、無職者や非正規労働者などが加入する制度に変容したことが挙げられ、国保加入者の平均所得が被用者保険に比べると低い水準であるにもかかわらず、被用者保険に比べて、国保の保険料が非常に重い負担となっています。被用者は、勤務先の被用者保険に加入させるなど、制度の改正、行政の指導を徹底させるなど、非正規雇用の生活の安定を図るべきと考えます。  市町国保は、各自治体が保険者となって運営しているため、保険料の算出方法や設定金額、保険料の減免規定などは各自治体に任されており、国保の1人当たりの保険料格差は、全国的には最大と最少で、実に5.2倍にもなっているようです。  これまで、このような格差を縮小する方策を何一つ打ってこなかった国は責任をとらず、全てを都道府県に丸投げし、国保の安定化を目指そうとし、さらに、都道府県が医療費適正化の目標を達成できなければ、都道府県単位での診療報酬の引き下げを可能とする案もあるようですが、結果、医療現場に大混乱を来し、医療保険制度の解体をもたらすものではないかと危惧するのであります。  現状を改善するならば、国庫負担の増額、減免制度の拡充などを行い、皆保険制度を支える中心的な役割を担っている市町国保を立て直すのが筋であろうと思いますし、本来的にはスケールメリットを生かし、全国一律に国が対応すべきと考えるのであります。  そこで、お尋ねをいたします。  今回の医療保険制度改革が県民負担の増加を招き、医療の受診抑制につながるのではないかと考えますが、県民の医療サービスにとっていかなる影響が出てくるのかをお聞かせください。  また、国保の都道府県化を進める理由として、市町間の保険料の格差是正と言われますが、現実には、都道府県化後の保険料の平均額が大幅に上がるのではないかという危惧を抱くのであります。今でも高すぎる保険料のため保険証の取り上げなど事実上の無保険者もいる中で、国保加入者がまともに医療を受けることができない状況がさらに広がる恐れがあります。そして、医療費の目標を決める「医療費適正化計画」と、県では7月策定を考えているようだが、「地域医療構想」の策定具合によって、県を司令塔にした給付費削減が行われ、地域医療の崩壊が進むことがあってはならないと考えます。  そこでお尋ねをいたします。  県では、2018年4月からの都道府県移管に当たり、国保の制度設計をどのように進め、被保険者が負担する保険料がどのようになると考えているのかお示しください。

【村岡知事答弁】

 県民の医療サービスに与える影響についてのお尋ねにお応えします。

 急速な高齢化に伴い、医療費が増加する中、良質な医療を国民にあまねく提供する医療保険制度を安定化し、将来にわたって持続可能なものとすることは、我が国の喫緊の課題となっています。

 こうした状況に対応するため、国において、お示しのように、国民健康保険制度をはじめとした医療保険制度改革がなされたところです。

 私は、この度の改革は、国の財政支援の拡充等による国民健康保険の安定化や負担の公平化、医療サービスの向上を目指すためのものであって、総じて、県民の医療サービスの低下につながるものとは考えていないところです。

【健康福祉部長答弁】

 国保の財政運営の都道府県移管についての2点のお尋ねにお答えします。

 まず、国保の制度設計の進め方についてです。

 県は、今後、医療費や国保財政の見通し、市町における保険料の標準的な算定方法に関する事項などを国保運営方針として定めるとともに、県が市町から徴収する事業費納付金の算定方法について決定することになります。

 この国保運営方針については、現在、市町と協議・調整を進めており、今後、外部有識者等で構成する国保運営協議会での審議をなどを経て、平成29年末までにけってすることとしております。

 次に、被保険者が負担する保険料については、県が国保運営方針や事業費納付金を決定した後、市町において決定されるものであり、県内の市町における保険料がどのようになるのかを現時点で具体的にお示しすることはできません。

【再質問】

 国保の都道府県移管後の保険料については、見通せないということでしたが、予測は立てられているべきではないかと思いますので、予測はどうかお尋ねします。

 都道府移管された場合、将来どうなるのかというのは、きちんと考えられた上で将来に向かっての方策を立てられるべきだと思いますので、当然、予測はされているのではないか、予測をされずに都道府県が言ってきたものをそのままやるということであれば、当然、高くなるということが予測されるということですので、その点について再度のお尋ねです。

【健康福祉部長答弁】

 被保険者が負担する保険料につきましては、県が国保運営方針や事業費納付金を決定した後に、市町において個別に決定されるものであることから、県内の市町における保険料がどのようになるかは、現時点で予測することができません。

 

次に、昨年6月議会と同じことのくり返しになりますが、公契約条例の制定についてお尋ねします。

安倍首相は、アベノミクスは失敗していない。「有効求人倍率は24年ぶりの高い水準」と繰り返しています。ここで指摘しておきたいのはこの倍率は実際に就職が増えたかどうかを示す指標ではないということです。そして、東京工科大学の工藤昌宏教授は、「有効求人倍率が上昇している原因は、サービス産業。建設業など一部の業種での労働力不足にあります。特に建設業では東日本大震災の復興や公共事業などで一時的に労働力需給がひっ迫しており、それが求人倍率を引き上げています。この分野では、非正規雇用が多い上、低賃金のため労働力の移動が激しく、景気に関係なく慢性的な労働力不足に陥っています。このことが有効求人倍率を引き上げる原因になっています」と、逆に雇用環境の悪化を意味すると指摘しています。

建設業の厳しさが浮き彫りになっていますので敢えて引用しました。本題に入ります。

先日建設業界のある組合の大会にお招きを受ける機会を得、そこで、今年度公共工事設計労務単価は、対前年度4.9%の引き上げ、平成24年度比で34.7%引き上がったが、引上げられた賃金は、現場に行き渡っていない状況がアンケート結果からわかっている。と教えられました。

そこでお尋ねです。

私の昨年6月議会での質問に対し、「他の自治体での導入事例や検討状況など、情報収集に努めてまいります。」と、答弁されました。

また、本県では、2006年3月17日に、公契約法制定に関し、国に対する意見書が採択されています。そして、これを契機に県内すべての自治体で意見書が採択されています。

つまり、公契約条例の必要性については共有されているのだと思います。

近くに、福岡県の直方市が、公契約制度に関する意向等、現状を把握するため、業者登録に合わせて、事業者・労働者への「公契約条例に関するアンケート調査」から始め、「条例策定審議会」を設置、条例制定に至った事例がある訳ですから、具体的に一歩前に進めるべきだと思いますが、御所見を伺います。

【会計管理局長答弁】

 お示しの直方市を含む一部の自治体において、最低賃金法による最低賃金を上回る独自の基準を定め、契約の相手方に対し、その賃金の支払いを義務づける、賃金条項を規定した公契約条例が制定されています。

 この賃金条項につきましては、様々な職種、経験年数、年齢に応じた基準額を自治体が独自でどのように設定するのか、また、同一企業内の同一職種において、公契約に従事する者と従事しない者との間に、賃金格差が生じることなどの課題が指摘されているところです。

 こうした課題は、我が国の労働政策の根幹にかかわる全国共通の課題であり、労働関係法制を所管する国において、十分に検討されるべきものと考えております。

 平成18年3月の山口県議会の意見書につきましても、建設労働者の適正な労働条件の確保など、公共工事における新たなルールづくりが必要であることから、国に要望されたものと認識しております。

 また、近年では、賃金条項のない公契約条例を制定した県も見受けられるところであり、国においては、こうした自治体の様々な状況把握や、幅広い観点からの調査・検討がなされているところです。

 このため、県としましても、引き続き、国の動向を注視するとともに、他の自治体での導入事例や検討状況などの情報収集に努めてまいります。

【再質問】

 毎年2月に公共工事の設計労務単価を国交省が公表をしている。昨年は大工19,000円、左官17,800円等。

 建設山口の賃金アンケート結果では、一人親方と常用雇用者の受取賃金の平均日額は14,381円にすぎない。

 公共事業で低賃金労働者を県がまき散らすようなことになっては大変ではないか。そこから県の税収や年金財政が悪化するだけでなく、県内地域経済全体が貧しくなっていくような事があってはならない。

 公契約条例は、県内企業への適正価格での発注、地場中小事業のことだと思うので、公契約条例について真剣に検討してほしい。

【会計管理局長答弁】

 公契約条例の制定につきまして、公共事業の労務単価が建設従事者の賃金に行き渡っていなくて、そうしたことが地域の疲弊を招くのではないかと、そのためにも公契約条例が必要ではないかというようなご質問であったと思っております。

 公契約条例につきましては、先ほど賃金条項があるものについては、同一企業内では、同一職種において賃金格差が生じたり、様々ですね、独自の賃金設定等がですね、課題となっておりまして、引き続きですね、

また、適切な、そうしたものの入札制度につきましては、低入札価格調査制度等もまた活用して、労働者の適切な労働条件の確保に取り組んでいるところです。

 

最後に、公有水面埋立免許についてお尋ねします。

まず、このことに関連して、1月6日付けで公文書開示請求書を提出したところ、1月15日付けで部分開示決定のほとんど黒塗り文書と、文書が存在しないとした却下通知を受領し、3月11日に異議申立書を提出。すると4月15日付けで山口県情報公開審査会から「異議申し立てに係る実施機関からの理由説明書に対する意見書」の提出を求められたので5月12日に意見書を提出したところです。

そこで事務局に、これの審査状況がいったいどうなっているのかを、先ずお尋ねします。

最後に、これまでも、埋立法8条の「補償しなければ工事に着手できない」の規定については再三質問し、2月定例会でも、「埋立の際に「水面権以外の財産権」を無視してよいことにはなりません。なぜなら、「水面権以外の財産権」に補償することなく埋立工事で侵害すれば、公有水面埋立法違反にはならないにしても、財産権の侵害(憲法29条違反)になり、工事は違法工事(民法709条の不法行為)になるのではないですか。

この点については、昭和48年に埋立法が改正される際に国会で論じられ、政府は、「具体的な実害がある場合には当然民法の不法行為責任によりまして損害賠償しなければならないことになります。事前に、そうした方々とは損害賠償を行うなり、あるいは損害賠償の予約をおこなうなりというような行為が当然必要。…運用上そうした方々を無視してはならない」、さらに「無視してはならないではなくて、十分にその権益は保護されているか」の質問に対し「民法の不法行為の規定によって保障されている方々でございますから、そうした方々の権益に対しても絶対に支障を与えないようにいたします。」(第71回国会衆議院建設委員会会議録第21号)と答弁し、「運用上、民法の条件等を背景といたしまして、ときには個別の折衝等によりまして解決しながら埋め立てをやっていく」(参議院建設委員会会議録第22号)と答弁しています。」と、国会答弁を引用し質問したがこの点に関して明確な答弁がなかったので、改めて質問し、一回目の質問を終わります。(ご清聴、ありがとうございました。)

【総務部長答弁】

 公有水面埋立免許に関連した公文書開示請求に係る異議申立ての審査状況についてのお尋ねにお答えします。

 山口県情報公開審査会では、山口県情報公開条例の定めにより、実施機関からの諮問に基づき、実施機関及び異議申立人の双方から意見書又は資料の提出を求めて審査を進めることとしています。

 本件異議申立てについては、実施機関及び異議申立人双方の意見書の提出を受けて、6月に開催した審査会から、山口県情報公開条例に則し、実施機関の行った部分開示決定の妥当性について審査を行っているところです。

【土木建築部長答弁】

 水面権以外の財産権に補償することなく埋立工事で侵害すれば、財産権の侵害になり、違法工事になるのではないか、とのお尋ねにお答えします。

2月議会でも答弁しましたが、漁業権者等の水面権理者以外の者に対する補償については、公有水面埋立法で必要とされているものではありません。

お示しの補償については、埋立法とは別に、当事者間で解決すべき民事上の問題であることから、県としては、お答えする立場にありません。

以上

 

 

 

2月定例会で、4度目の一般質問を行いました。

2月定例県議会(一般質問 2016.3.4)

社民党・市民連合 中嶋光雄

発言通告に従い一般質問を行います。

一点目は、地方創生についてです。

国の地方創生加速化交付金については、提出した書類の出来不出来で配分額に差をつけると言われています。この自治体間の競争をあおる手法から思い起こされるのは、平成の大合併です。地方財政が先細りするなか、自治体が生き残るにはスケールメリットを生かすしかないとあおられた結果、全国の市町村が雪崩をうって合併へ突き進んだ。その結果、合併市の周縁部に新たな過疎地が生まれている。今日の人口減少の一因ともいえます。

そして今、政府は平成の大合併で用いた『財政縮小』を『人口減少』と言い換え、再び自治体を競争の渦に巻き込もうとしているのだと感じています。

しかも、地方版総合戦略の事業に対して交付される新型交付金は、既存交付金の衣替えと各省庁補助金等の財源からの振り替えの二本立てで捻出される。何も手を打たなければ、これまで受け取ってきた交付金、補助金が丸々削られてしまう可能性すらあるのだから、総合戦略を「策定しない」という選択肢はあり得ないということになっている。「住民福祉の向上には財源がいる。財源を確保するためには何でもしなければならない」という、難儀なことになっている。

そこで質問です。「過疎」という言葉が生まれた県とされる島根県で、市町村消滅論とは正反対のデータが注目されています。県の大半を占める中山間地域の3割以上のエリアで、この5年間に4歳以下の子供がふえています。4割を超える地域で30代女性がふえています。そういった特筆すべきデータがあります。特に離島や山間部といった「田舎の田舎」で若い世代のUターン、Iターンが目立っているというのです。

人口減少や高齢化が最も著しい地域ですが、最近、目立ってきた若者らの地方移住、『田園回帰』で移住先にえらばれているのは、『田舎の田舎』なのです。都会を卒業した若者が向かう先は、『ミニ東京』のような地方都市ではなく、田舎の田舎なのだ、そうです。  この田園回帰と表現される現象を生み出している背景には、長年にわたって過疎という課題から逃げずに向き合ってきた島根県中山間地域研究センターの研究がありました。

1%戦略って聞かれたことがおありでしょうか。1%戦略、これは、中山間地域研究センターの研究統括監を務める藤山浩先生が提唱する地域再生の戦略です。  注目すべきは、独自開発の人口予測プログラムと経済分析を行うツールを開発し、それを駆使して、小さな地域単位、小学校区や公民館単位で人口が安定するためにどうしたらいいのかの処方箋までも示している点です。  国立社会保障・人口問題研究所などが使っているコーホート要因法とは異なる小地域に適したコーホート変化率法で人口予測を行います。この方法は、出発時点と五年前の男女・年齢別のデータさえあれば誰でも簡単に扱え、どの層の世帯がふえれば改善できるのかという処方箋が出せるところがすぐれています。  例えば五百人くらいの小学校区で20代前半男女1組2名、30代子連れ夫婦1組3名、60代定年帰郷夫婦1組2名の毎年3組7人の定住増、約1%の増加が達成できれば、人口は安定するというのです。あとは、その1%定住増を養うだけの仕事、所得を1%どうふやすか考えればいいというのです。  現状、中山間地域では、食料や燃料などを筆頭に、物やサービスの多くを域外から調達しています。その結果、稼いだ所得が域外に流出しています。その流出を1%ずつ域内にとどめることで、1%の定住増の条件をつくれるというのです。どれだけ日々の食料や燃料、日用品、住宅関連までを域外から購入しているのか家計調査を行い、その購入額の1%を域内からの調達に変えていこうという考えですから、人々の意識改革で大いに、そして容易に変えることができるのではないでしょうか。行政の調達方法も変えていけばいいのです。画期的な発想、着想だと思われませんか。  同じ金額を地域外で獲得した場合と地域内で回す率、回数が変われば大きな違いが生まれるという地域内経済循環の理論についても、地元のスーパーの取り組みで証明しています。あるスーパーは、5年前、全売上高に占める地元産品の割合が8.4%だったのを、毎年1%ずつ地産地消の取り組みを進め、今や14.5%、金額ベースで約7億円の地元調達を達成したといいます。地元の雇用確保、確保といいますが、工場誘致や観光開発といった派手な外貨獲得策ではなく、域内の消費を域内でできるだけ賄うような構造に変えていくことによって人口と所得を保障できるという考え方、大いに傾聴に値するのではないでしょうか。  人口の1%取り戻しビジョン、所得の1%取戻戦略は、地方消滅論で意気消沈し、展望を持てずにいる多くの県民に対して、毎年それくらいならばできるという希望を抱かせ、百人の一歩を踏み出させることにつながるのではないでしょうか。  そこで、知事に伺います。  島根県中山間地域研究センターの提唱する1%戦略、十分傾聴に値する地方創生のための視点だと思いますが、山口県の創生策もこの視点で補強すべきと考えますが、お考えをお聞きします。  このセンターは、もともと平成8年5月の中国地方知事会において、中国5県の共同研究センターとして位置付けられ、島根だけでなく、鳥取県、広島県も職員を派遣して、百名近いスタッフで中山間地域の活性化策等に係る研究を進めており、全国の自治体からの人的・金銭的参画も歓迎しているとお聞きしました。山口県も積極的に参画すべき有意義な研究機関だと考えますが、検討されてはいかがでしょうか、併せてお考えをお聞かせください。

 

 

答弁(部長)

 地方創生に関する2点のお尋ねにお答えいたします。

 (1) まず、島根県中山間地域研究センターが提唱する「1%戦略」の視点で山口県の創生策も補強すべきとのお尋ねです。

  県といたしましては、地方創生の実現に向けまして、地方の取組を後押しする国の財政措置もしっかりと活用し、中山間地域の更なる振興に取り組んでいくことが重要であると考えています。

  こうした中、県では、平成18年に「中山間地域づくりビジョン」を策定し、市町や地域と一体になった取組を進めております。

  お示しの島根県中山間地域研究センターとは、ビジョンの策定段階から活発な意見交換を行うとともに、ビジョンの推進に当たりましても、情報共有等を図りながら、複数集落が広域的に集落機能を支え合う「新たなコミュニティ組織づくり」に取り組んでいるところであります。

  こうした地域組織の下で、住民自らがその将来像を描く「地域の夢プラン」に沿い、「田園回帰」に対応した新たな定住者の受入れや、経済の地域内循環も重視した生活店舗の運営など、すでに「1%戦略」の考え方にも通じる、住民主体の地域づくりが進んでおります。

  また、市町におきましては、センターが開発したプログラムを用い、各地域での人口予測とその活用の取組が始まっているところであります。

(2) 次に、センターに対し、本県も積極的な参加を検討してはどうかとのお尋ねです。

 センターは、中国5県共通の課題であります中山間地域の振興に向けた共同研究機関としての位置づけの下、これまで本県からも6年間にわたって職員を派遣してまいりました。 

 また、中国各県から毎年度負担金を拠出し、共同研究や共同事業を進めており、本県としては、センターの事業推進に積極的に参加をしているところでございます。

二点目は、子どもの貧困対策の具体化について質問します。

今、日本社会の子どもの貧困が急激に進んでいます。OECD(経済協力開発機構)諸国では最下位クラスとなり、ひとり親世帯では実質的に最下位国となっています。  特に大きな問題とすべきは、日本では所得再分配の機能が逆に働いていることです。所得再分配とは、累進課税制度や社会保障で社会の貧富の格差を是正し、誰もが安心して生活できるための仕組みです。大企業や高額所得者などの富裕層から応分の税負担を求め、それを社会保障給付などで、所得の低い人も人として公平な生活ができるようにすることです。しかし、日本のこの間の政治では、所得再分配後にかえって子どもの貧困率が悪化しています。残念ながらこのような国は、ほかにはありません。  政治の貧困が、親の貧困と子どもの貧困を生み出しています。このような事態は、憲法25条の、全ての国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有するという生存権をも踏みにじるものです。  ようやく2014年に、全ての子どもたちが夢と希望を持って成長していける社会の実現を目指すとして、子どもの貧困対策推進法も施行され、県でも昨年7月に「山口県子どもの貧困対策推進計画」が策定されています。

その内容を具体的にしっかりしたものにするのか、それとも形ばかりのうたい文句だけとするのか、これからの国の政治とともに、県民生活に責任を持つ県の政治にかかっています。

そこで質問します。  子どもの貧困対策に向けての村岡知事の基本的姿勢についてです。  子どもの貧困についての現状認識と支援について、総論的にお答えください。  とにかく自治体としてやるべきことはいっぱいでしょうが、まず行うべきことは、今まで行ってきた保育、教育、医療などの事業を充実させることが重要だと考えますが、子どもの貧困に関して、新年度の施策及び予算で、どう措置されておられるのかお答えください。

 

 

答弁(知事)

 中嶋議員の御質問のうち、私からは子どもの貧困対策の具体化についてのお尋ねにお答えします。

 子どもの将来が、その生まれ育った環境によって左右されることのない社会の実現に向けて、必要な環境整備と教育の機会均衡等を図る子どもの貧困対策極めて重要であると考えています。

 本県においては、生活保護世帯や経済的に厳しい状況にあるひとり親世帯が増加する中、生活保護世帯の子どもの高等学校等進学率や母子世帯の平均収入が低いなど、子どもの貧困に関する状況は、依然として厳しいものと認識しています。

 このため、私は、昨年「山口県子どもの貧困対策推進計画」を策定し、「教育の支援」、「生活の支援」、「保護者に対する就労の支援」、「経済的支援」の4つを柱として対策を強化することとし、新年度においても具体的な取組をしっかりと進めることとしています。

まず、「教育の支援」については、スクールソーシャルワーカーによる相談支援体制の充実や、生活困窮世帯等へのボランティア等の派遣による学習支援の拡充など、学校や地域が連携した総合的な支援対策を展開することとしています。

 「生活の支援」については、子どもの悩み相談や学習支援・食事の提供等を行う子どもの居場所づくりに新たに取り組み、また、「保護者に対する就労の支援」については、就業支援専門員の配置や、就職に有利な資格を取得するための貸付制度の創設などに取り組むこととしています。

 さらに、「経済的支援」については、ひとり親家庭等の生活基盤の安定に向け、福祉医療費助成制度を引き続き実施するとともに、児童扶養手当や保育料の軽減制度の大幅な拡充を図ることとしています。

 私は、こうした取組を通じて、本県の未来を担う子どもたちが、夢と希望をもって成長していけるよう、子どもの貧困対策の充実・強化に努めてまいります。

 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。

 

 

要望(中嶋議員)

知事から子どもの貧困対策についてご答弁をいただきました。

非常に私が残念でならないのは、予算の説明で子育て支援とか大きな項目が組んでありますけども、あそこにせっかくやられているのでしたら、子どもの貧困対策についてという大項目を設けていただければ、本当に山口に住んでみたいなあという人も出てくるんではないかと思いますけれども、そういうことがないということが、どうも、知事の熱意が感じられない、そういうふうに思えてなりません。

特にひとり親家庭なんかは、県の計画の中にも、先ほど知事自らが申されましたけれども、貧困家庭の大学進学率がうんぬんかんぬんであるとか、かなり克明に調べておりますけれども、その割には、先ほど河合さんも質問されましたように、給付型の奨学金については、少しも前進をしない、具体策がないではないか、というような気がしてなりません。

そして、大変恐縮ですけれども、代表質問で、小泉県議さんが、大変感銘深いご質問をされたと思います。

小泉県議に恐縮ですけれども、引用させていただきますと、「子どもの貧困は、子ども本人だけでなく、社会全体にとっても、大きな損失をもたらす」と鋭く指摘をされました。

今、子どもの貧困対策をきっちりとやれば、恐らくその方が村岡知事のようになられるかもわかりません。

村岡知事ご自身が、高校時代は遊び回って、慌てて夏休みから猛勉強して、このように東大を通られて、知事になられた。こういうふうになられた例もあるのですから、是非、そのことを子どもの貧困対策は、社会的コストだということで、ヨーロッパ諸国では考えられています。

下線部分は議事録からの削除を求められました。知事の個人的な事を発言してはならないことになっているそうです。訳が分かりませんが、最終日の本会議で「発言の取り消しについて」議題にされ取り消されました。

子どもの貧困対策を今のうちにきちんとやれば、村岡知事のような将来立派な方になられて、税金も社会保障料も社会保険料も納めることになる。

貧困は連鎖をすると言われていますので、貧困対策をされないと、税も社会保険料も払えない子どもになってしまう。

だから、このことをずっと力を入れていただきたいと思います。

 

 

三点目は、学生等の投票参加についてのお尋ねです。

先日、萩の市会議員さんから興味深い年代別の投票率の一覧表を貰いました。5歳ごとのデータです。

例えば、直近3回の参院選山口県選挙区で、20~24歳の投票率が最も悪く、30%、31%、24%でした。

この夏の参院選から18歳選挙権になります。若者の投票率に否が応でも注目が寄せられています。

そこでお尋ねします。

ある在京の有名私大の教授が講義の中で選挙アンケートをおこなったところ、「欠かさず投票に行く」者は約2割で、選挙権があるのに一度も投票に行ったことがない人は42%という結果で、さらに、その人らに「投票に行かなかった理由」を聞くと、1.選挙があることを知らなかった…15%、2.何となく…16%、3.投票日に用事があった…26%、4.住民票が実家にある…38%、5.その他…5%だったそうです。

用事があった。と答えた人は、期日前投票が簡単にできることを知っていれば投票したかもしれません。問題は住民票が実家にある。と答えた学生の割合が多いことです。

そこで、お尋ねですが、いわゆる下宿している学生などに対して、「住民票を実際の居住地に移すよう」県の選管として自ら啓発活動を行う、また市町にもお願いすることが投票率への影響は限定的かも知れませんが必要ではないかと考えますが、御所見を伺います。

話がわき道にそれますが、前々回の衆議院選挙では約588億円の税金が使われたようで、前回2014年の衆院選では「選挙にかかる費用600億円」と盛んに報道されました。そこで、計算してみると、有権者数は約1億400万人でしたので、投票という行為に一人当たり約577円の税金が使われたことになる。史上最低の52.66%の投票率で、小選挙区の選挙に行かなかった人は4922万人でしたから、掛ける577円の284億円もの税金が有効に使われなかったのではないかと思う訳です。

折角の税金ですから、活きたお金にするためには、第一義的には、やはり多くの有権者が投票に行く自覚が必要ですが、投票しやすい環境を整えることも重要だと思います。

全国的には、選挙権年齢が「18歳以上」に引き下げられることに関連して、高校や大学などに期日前投票所を設置しようとする動きになっていますが、県内状況を把握しておられればご説明いただきたいと思いますし、こうした投票率の向上に向け、何かお考えがあればお聞かせください。

 

 

答弁(選管委員長)

 学生等の投票参加についての2点のお尋ねにお答えします。

①まず、下宿している学生などに対して住民票を移すよう啓発すべきではないかとのお尋ねです。

 選挙権を行使するためには、住民票を基に調製される選挙人名簿に登録される必要があります。

また、下宿している学生の住所は、一般的には、下宿先にあるとされていることから、その下宿先に住民票を移す必要があります。

一方で、下宿している学生の多くが、住民票を実家から移していない実情があります。

このため、県選挙管理委員会としては、学生等が貴重な一票を行使することができるよう、進学等により引っ越ししたときは、住民票異動の届出が必要であることを、広報誌に掲載するなどにより周知を行っているところでございます。

今後においても、住民票を所管する市町や大学等とも連携し、大学の入学式等の機会を利用して、積極的に周知を図ってまいります。

②次に、高校や大学などへの期日前投票所の県内の設置状況と、こうした投票率の向上に向けた取組について何か考えはないかとのお尋ねです。

 県内の設置状況については、これまで、山口市選挙管理委員会が、昨年4月に行われた県議会議員一般選挙等において、山口大学と山口県立大学に期日前投票所を設置したところであり、今後も、設置する予定であると聞いております。

また、こうした取組は、投票しやすい環境を整え、投票率の向上を図っていく上で重要であり、若年層の政治意識向上にもつながるものと考えています。

このため、県選管としては、大学に期日前投票所を設置する取組が県内に広がるよう、引き続き、設置権限のある市町選管に助言するなど、投票環境の更なる向上に努めてまいります。

 

 

要望(中嶋議員)

選管委員長には、わざわざありがとうございました。投票しやすい環境についてさらなるご努力をお願いをいたしたいと思います。

よろしくお願いしたいと思います。

 

 

四点目は、上関原発に係る公有水面埋立について、4回目の質問です。

これまで3回の質問に対する答弁を私なりに整理すると、要するに、「上関原発は依然として重要電源開発地点に指定されているので、埋立免許延長申請も認める」、そして、法的には、「認めないことが当然なのですが、あまりに当然のことなので、法律上の規定はなく、それをいいことに政治的判断で認めようとしている」。のだと、思わざるを得ませんので、視点を変えてお尋ねします。

第一に、埋立法8条は、「補償しなければ工事に着手できない」と規定してあり、補償の対象となる者は漁業権者等の公有水面に関し権利を有する者ですが、そもそも当該の漁業補償契約がなされたのは2000年であり、補償契約後に漁業を始めた漁民も多数いるはずですので、補償契約後16年以上も経った時点で再開するには、改めて漁業補償しなければならないのではないですか?お答えをお願いします。

第二に、9月定例会で「祝島の自由漁業・許可漁業者は含まれていません。

埋立工事の施行区域内の「漁業権者」である山口県漁業協同組合等水面権利者への補償はなされており、公有水面埋立法上必要な要件を満たしていることから、埋立工事の着手は法律違反には当たらないと考えております。」と、答弁をされました。

到底納得できません。埋立の際に「水面権以外の財産権を無視してよいことにはなりません。なぜなら、「水面権以外の財産権」に補償することなく埋立工事で侵害すれば、公有水面埋立法違反にはならないにしても、財産権の侵害(憲法29条違反)になり、工事は違法工事(民法709条の不法行為)になるのではないですか。

この点については、昭和48年に埋立法が改正される際に国会で論じられ、政府は、「具体的な実害がある場合には当然民法の不法行為責任によりまして損害賠償しなければならないことになります。事前に、そうした方々とは損害賠償を行うなり、あるいは損害賠償の予約をおこなうなりというような行為が当然必要。…運用上そうした方々を無視してはならない」、さらに「無視してはならないではなくて、十分にその権益は保護されているか」の質問に対し「民法の不法行為の規定によって保障されている方々でございますから、そうした方々の権益に対しても絶対に支障を与えないようにいたします。」(第71回国会衆議院建設委員会会議録第21号)と答弁し、「運用上、民法の条件等を背景といたしまして、ときには個別の折衝等によりまして解決しながら埋め立てをやっていく」(参議院建設委員会会議録第22号)と答弁しています。

さらに、埋立法の不備を補っているもう一つが、これまでも指摘をしてきた「公共用地の取得に伴う損失補償基準要綱」ではないですか。

「法律違反にはあたらない。どころか憲法違反、民法違反」ではないですか。

即刻、事業者の延長申請は不許可にすべきですが、明快なるご答弁をお願いし、1回目の質問とします。    (ご清聴ありがとうございました。)

 

 

答弁(部長)

 上関原発に係る公有水面埋立についての数点のお尋ねにお答えします。

①まず、漁業補償契約後16年以上も経った時点で再開するには、改めて補償しなければならないのではないか、とのお尋ねです。

 公有水面埋立法上、埋立工事の着手に当たっては、漁業権者等の水面権利者に対する補償が必要ですが、漁業権者である山口県漁業協同組合への補償はなされており、その上で、事業者は、埋立工事に着手しています。

 漁業権者への補償は既に終わっており、その補償契約後に漁業を始められた方がおられたとしても、公有水面埋立法上は、年月の経過により、改めて補償をする必要はありません。

②④次に、水面権以外の財産権に補償することなく埋立工事で侵害すれば、財産権の侵害になり、違法工事になるのではないか、憲法違反、民法違反ではないか、とのお尋ねです。

漁業権者等の水面権利者以外の者に対する補償については、公有水面埋立法上で必要とされているものではなく、当事者間で解決すべき民事上の問題であることから、県としては、違法かどうかについてお答えする立場にありません。

③次に埋立法の不備を補っているもう一つが「公共用地の取得に伴う損失補償基準要綱」ではないか、とのお尋ねです。

 お示しの要綱は、各起業者間で不備不統一であった損失補償基準を適正かつ統一的に確立する必要があるとの観点から、損失補償の大綱として制定されたものであり、公有水面埋立法の不備があって、これを補うというものではないと認識しています。

⑤次に、即刻、事業者の延長申請は不許可にすべきではないか、とのお尋ねです。

 県としては、法律上の要件である正当な事由の有無を判断するため、事業者に対し、補足説明を求めているところであり、事業者からの回答がなされていない現時点では、正当な事由の有無を判断できる段階にはなく、許可・不許可の判断ができる状況ではありません。

 

 

再質問(中嶋議員)

上関原発に係る公有水面埋立てについて

実は、さきほども申しましたように、同じ会派の佐々木県議、そして民主党の戸倉県議、共産党の木佐木、河合県議、そして草の根の井原県議にもご協力いただきまして情報公開請求をさせていただきました。残念ながら、こんなもんで全く情報が得られませんでした。ただ、この真っ黒けの中に何か貴重な情報が隠れているような気がいたします。今も部長が答弁されました。この補足説明を求めるにあたって、重要電源開発地点に指定されている上関原発の国のエネルギー政策上の位置付けが変わらないかどうか補足説明を求めていくと、こうおっしゃっています。さすがに鑑は全部開示されています。この中には、内容審査のため必要がありますので、別紙事項に関する補足説明を書面により、先ほど河合県議が言われましたけれども、持ってきて対面で直接問うというのでなしに何月何日まで消印有効とこうなってます。まさに図面でやりとりと、で、ところが、先ほど言われましたけども位置付けを求めているいるといいましても、この中で開示をされているのを項目を読みますと、指定期間内に工事を竣功できなかった理由について、大きな項目、あとは真っ黒です。それを日本語で読んで、どうして今の前田部長が答弁されたような質問になってるのでしょうか。で、括弧の2で指定期間内竣功を阻害した要因の解消の度合い及び指定期間内に確実に竣功できることについて、これが先ほどの答弁の文言に推測できますか。私の国語力じゃ理解できません。そして括弧3が埋立てを継続して行う必要性について、全く同じものが(毎回毎回)ずっと続けられている。このことについて、是非開示されるか、公文書でどういう形で残されているのか、お示しをいただきたいと思います。

 

答弁(部長)

 再質問にお答えいたします。

 先日、中電の補足説明のやりとりの文書を開示請求したところ、黒塗りの文書が渡されたと、この内容を文書で示すべきではないかとの問いというふうに理解して、お答えさせていただきます。

 補足説明の照会・回答の内容については、現在審査中であり、法人の不利益情報や意思形成過程の情報を含むことから、現時点では公表できません。しかしながら、補足説明を求めたことについて、県民の皆様への説明責任を果たすため、補足説明の内容の一部を公表しながら、県としての考え方を御説明しているものでございます。

以上

 

 

 12月定例会で、3度目の一般質問を行いました。

12月定例県議会(一般質問 2015.12.8)
社民党・市民連合  中嶋 光雄

安倍政権は、アベノミクスと称して、じゃぶじゃぶの金融緩和で円安・株高を生み出して、あたかも経済政策が成功したかのように宣伝していますが、地方にはトリクルダウンの気配すら感じられません。
しかも、日本銀行が金融緩和のために大量に国債を買っているのに甘えて、政府が野放図に借金を膨らませるという副作用のほうがよほど大きな問題だと思います。
本来、デフレからの脱却に必要なのは、長く続いている国民所得の減少に歯止めをかけて、所得増によって消費購買力を回復させる根本的な対策が必要であります。安倍政権もその必要性を認めており、賃上げを経営者側に求めていますが、そのくせ、臨時国会を来年に先送りしたため、国家公務員の給与法改正ができないという平成初の珍事が起こっています。そのため地方公務員も総務省の国の給与改定に先行してはならないとの指導により給与改定の越年を強制されています。
安倍内閣が民間雇用者の賃上げを経済界に要請していることとの整合性を考えれば、全く不条理、極まりない暴挙である。と、怒りを込めて申し上げて、質問に入らせていただきます。

質問の第1点目、消費回復のてこ入れ対策について伺います。
大多数の労働者にとって余りに厳しい雇用実態の中で、労働者の賃上げを実現し、県民の購買力を高めるため、地方自治体として、取り組むべきことは、都市部と比べていまだ消費の回復が不十分な地方経済において、その影響が大きい地方公務員の賃金カットを安易に行わないことはもちろんのこと、県当局が率先垂範して非正規雇用や低賃金雇用の構造を根絶することが必要だと考えています。
その具体策は、県みずから公契約条例を制定すること、公共工事設計労務単価を引き上げること、指定管理者制度についても、労働条件審査を導入し、加えて公募制の弊害を検証し非公募型に切り替え長期継続契約にすること、さらには下請法を遵守するよう尻抜け状態にメスを入れ、賃上げできる経営環境づくりに向けて、行政指導を強化することであります。
そこで、未組織労働者の無権利状態・低賃金構造からの脱却のためには、政府任せでなく、県としてもみずから経営者団体等へ賃上げ要請を行うこと、民間における非正規雇用から正規雇用への転換など処遇改善に向けた取組を進めるべきと考えますが、知事の御所見をお聞かせください。
商工労働部長答弁
賃上げ要請についてですが、賃金は各企業において労使が自律的に決定することが基本で、県として企業の経営者や経営者団体に要請する考えはない。
非正規雇用から正規雇用への転換など処遇改善については、国に雇用の安定に向け全国知事会を通じ、「非正規労働者の正規雇用化や処遇改善策の充実」を要望するとともに、県内企業に対して、正規雇用化に向けた国の支援制度の周知などに努めています。
また山口労働局と連携し、5月の求人確保促進月間に、新規学校卒業予定者の正規採用枠の確保の要請等を企業等に対して行うとともに、11月には正規雇用の就職の更なる拡大や非正規雇用者の正社員等への転換等について、県内経済団体等に対し要請したところです。
(再質問)
本県の経済が成長軌道に乗り、県内企業が持続的に成長することによって、働く者の賃金が引き上げられ、それによって生ずる新たな消費がさらに企業の成長に繋がる、このことが重要だと思う。企業には人を雇用してくれと要請しているのだから、今最も必要な賃上げをやってくれと言われても良いのではないか。安倍首相自らがしているように。
商工労働部長答弁
賃金の上昇や、雇用の拡大、これが消費の拡大や投資の増加に繋がり、そしてそれがさらなる企業収益の拡大に繋がっていく、そうすれば再び賃金が上昇する、そういう考え方、認識は間違っていないというふうに考えています。

質問の2点目は、若者の就職支援についてです。
県では、若者就職支援センター(愛称YYジョブサロン)で若者やUJIターン希望者を対象に個別就職相談・情報提供・職業紹介等の支援、いわゆるワンストップサービスに取り組まれており、昨年度の就職決定者は目標3200人に対し実績は3603人だったそうで、評価すべきですが、さらに県民に十分に認知され、積極的に活用されるよう広報活動を今以上に広げることが求められている。と思います。
最近の学生は、自宅でインターネットを使っているだけで就職活動をしているとの錯覚を起こし、その結果として就職先がなかなか決まらない状況を生み出していることも考えられます。
学生や若者がYYジョブサロンや県民局でのキャリアカウンセリングにわざわざ足を運ぶようにするためにはどうすればよいのか。それは、各機関がインターネットでは提供できないきめ細かなサービスを提供していく必要があります。その場所へ足を運べば、インターネットより重要な何かを得られるというものがなければ、いずれ就職活動はウエブに任せていれば対応できるという時代が来て、今以上に雇用のミスマッチがふえていく可能性があります。
そのようにならないために何が必要かといえば、求職者に提供できる有効な機能は就職相談ではないでしょうか。求人情報は雑誌やパソコンで収集できますが、個人ごとの条件に合わせて就職先の相談に乗るとか、悩みを聞いて有効なアドバイスをするということになれば、やはりその道のプロのいる相談機関ならではの仕事ということになります。特に職業経験の浅い若者の場合は、有能な相談員のサポートとアドバイスが役に立ってきます。そのような支援を受けることで、若者が正規の職を得て生活の場をつくっていくことになり、「元気創出やまぐち、活力みなぎる山口県」の未来に寄与することになると思います。
そこで、山口県若者就職支援センターは、今以上に充実した相談機関でなければならないと思いますが、このセンターも指定管理者制度によるものだそうで、事業者との定期連絡会議で評価やチェックをおこなっているとの説明は受けましたが、一抹の不安を覚えています。それは、指定管理者となった事業所で働く人々の雇用条件や労働環境についての問題が明らかになり2010年12月に総務省自治行政局長から「指定管理者制度の運用について」(通達)が出されるに至っているからです。就職相談を受ける側が不安定雇用等ではシャレになりません。勿論、一般論として申し上げていますので心配が杞憂であれば幸いです。
したがって、知事はこれから若者就職支援センターの相談体制の充実を図る対策や利用がなされる広報にどのように取り組むおつもりか、お伺いします。
(村岡知事答弁)
本県が抱える最重要課題である人口減少の流れに歯止めをかけ、活力みなぎる山口県を実現するためには、本県の将来を担う若者が、県内に就職し定着できるよう、しっかりと支援していくことが重要であると考えています。
このため、若者就職支援センターを中心に、個別相談から情報提供、職業紹介に至るワンストップ支援を行うとともに、各県民局や大学等に16のブランチを設置し、県内全域の若者を対象にきめ細やかな就職支援サービスを提供しているところです。
まず、若者就職支援センターの相談体制については、就職を希望する若者一人ひとりの適正に応じた的確なアドバイスを行える体制の強化が必要であります。このため、平成22年度から、民間ノウハウを活用する指定管理者制度を導入し、業務に精通した管理者とキャリアカウンセラー等の専門職員により、併設の新卒応援ハローワークと連携して、きめ細かな就職支援を行っています。
また、より多くの就職相談に対応するため、センターの開館時間については、平日は午後7時まで、土曜日は午後5時までとし、月2回の日曜開館も行っているところですが、今年度についても、開館日や開館時間の拡大など、更なる利便性の向上に努めることとしています。
次に、センターの利用促進については、ホームページや広報誌等によりセミナーやイベント等の開催情報、県内企業の魅力情報や求人情報を発信するなど効果的な広報に努めているところであり、また、新たに利用が見込まれる大学進学者等に対して、県内すべての高校で卒業時に、センターへの利用登録を積極的に勧めることとしています。
私は、一人でも多くの若者が県内に就職し、本県を支える人材として活躍できるよう、今後とも、若者就職支援センターを中心に、山口労働局等関係機関と緊密に連携して、若者の就職支援に全力で取り組んでまいります。

質問の第3点目は、脱原発・再生可能エネルギーの推進についてであります。
福島第一原子力発電所事故を契機に、脱原発・再生可能エネルギーの活用が全世界的な課題となっています。省エネルギーの推進とともに、自然エネルギーの導入を拡大し、主要なエネルギー源とすることが我が国のエネルギー自給率を高め、化石燃料価格の高騰や為替等の影響をダイレクトに受けない安定的なエネルギー供給を実現する方策であると考えられます。
かつて、原子力立国計画を策定し、太陽光発電の補助金を打ち切って積極的に原発を推進していた小泉元首相までもが、今では原発を即ゼロにしたほうがよいと発言しております。
また、11月27日には、34道府県とソフトバンクで太陽光発電などの普及を議論する自然エネルギー協議会が総会を開き、「欧米の先進的な国や地域では、2030年に40%を超える高い自然エネルギーの導入目標を掲げながら、地球温暖化対策と経済成長を両立するべく、挙国一致の取組を進めている。
一方、我が国における2030年の電源構成では、自然エネルギーの導入目標は22~24%に留まり、地方創生を実現する意欲的な導入目標からは程遠いと言わざるを得ない。(中略)次期エネルギー基本計画の策定を見据え、系統運用の見直しをはじめとする最大限の導入促進策により、総発電電力量における自然エネルギーの割合を、2020年までに20%、2030年には30%を超える。などのような高い導入目標へと引き上げ、具体的なロードマップ策定等の着実な推進を図りながら、日本全体で自然エネルギーの導入を加速していく方向性を明確にするよう要望する」との提言を取りまとめています。
本県も、この自然エネルギー協議会に参加している訳ですので、協議会の一員として国に働きかけるだけでなく、県として明確に脱原発・クリーンな再生可能エネルギーの推進を政策の基本とすることを、まず県民に宣言すべきではないでしょうか。知事のご所見を伺います。
(商工労働部長答弁)
エネルギーは、国民生活の安定向上並びに国民経済の維持・発展に欠くことのできないものであることから、県としては、従前から、国のエネルギー政策に協力するという立場で対応してきたところです。
昨年4月に閣議決定された「エネルギー基本計画」においては、原子力を、安全性の確保を大前提に、エネルギー需給構造の安定性に寄与する重要なベースロード電源として位置付けています。
また、再生可能エネルギーについては、現時点では安定供給面、コスト面で様々な課題が存在するが、重要な低炭素の国産エネルギー源であり、その導入を積極的に推進していくこととされています。
エネルギー政策は国家運営の基本であり、このように原子力や再生可能エネルギーについては、エネルギー基本計画の中でその位置づけが、国の責任において示されていることから、県として、お示しのような宣言をすることは考えていません。

脱原発に関連して、上関原発建設についての9月議会の私の質問に対し、「公有水面埋立法上の漁業権者とは、漁業法に基づき漁業権の免許を受けた者をいい、祝島の自由漁業・許可漁業者は含まれていません」との答弁に議事録でなっています。到底承服しかねる答弁です。
許可漁業・自由漁業は、開始された当初は、権利でなく、単なる利益に過ぎませんが、継続して営まれ続けると、権利に成熟していきます。そのことは、「公共用地の取得に伴う損失補償基準要綱」にも、「この要綱において、『権利』とは、社会通念上権利と認められる程度にまで成熟した慣習上の利益を含むものとする」(2条5項)と規定されています。要綱の解説書である『公共用地の取得に伴う損失補償基準要綱の解説』には、2条5項について「適例としては、入会権、慣行水利権、許可漁業あるいは自由漁業を営む実態が漁業権と同程度の地位を有すると認められるもの等がある」と解説されています。要するに、許可漁業・自由漁業は、慣習(実態の積み重ね)により、権利に成熟するのです。つまり、許可漁業・自由漁業が継続的に営まれると、要綱でいう「権利」になり、要綱でいう「権利」とは、侵害する際に補償が必要な「財産権」のことですから、それは財産権にあたります。
したがって、漁業権漁業のみならず、継続的に営まれてきた許可漁業・自由漁業も財産権となり、埋立等でそれらを侵害する場合には補償が必要です。
従って、担当部長に再答弁を求めます。
土木建築部長答弁
お示しの「公共用地の取得に伴う損失補償基準要綱」では、一定の要件を満たす場合には、自由漁業・許可漁業者に対する補償も行うこととされています。
これに対し、公有水面埋立法では、埋立工事の着手にあたっては、埋立工事の施行区域内の「漁業権者」等水面権利者に対する補償が必要とされていますが、この場合の「漁業権者」とは、漁業法に基づき漁業権の免許を受けた者をいい、自由漁業・許可漁業者は含まれていません。
このことについては、判例の根拠もあることから、9月議会において、お示しのように答弁したものです。

再質問
許可漁業は許可された時点では、ただの利益ですが、それが社会通念上、権利として成熟すればそれは権利になると要綱には書いてある。そしてまた解説には許可漁業・自由漁業も例示されている。なぜ関係ないと言い切れるのか納得いかない。裁判で結論出ているというなら、何の裁判か示してもらいたい。

土木建築部長答弁
「公共用地の取得に伴う損失補償基準要綱」において、権利が成熟すれば対象になると書いてあるのに、公有水面埋立法での補償ではなぜ範囲が異なるのかとの問いと、裁判で結論が出てるというのはどのような判例かという2つのお問い合わせというふうに考えております。
まず、一つ目、「要綱」は、土地収用法等に基づき土地等を収用し、又は使用することができる事業の円滑な遂行と損失の適正な補償の確保を図ることを目的として、損失補償の対象とあり方を定めたものということで、固有の目的・対象がございます。また、公有水面埋立法につきましては、公有水面を埋め立てて、所有権を与えるにあたっての手続きを定めたものということでございます。このように両者、目的・内容が異なることから、両者の漁業補償の対象は自ずから異なっておるものでございます。
次に、どのような判例かということでございますが、平成19年3月19日、松江地裁の判決で、(島根原発3号機)埋め立て予定地周辺において、岩海苔の採取を慣習的に行っておった方が公有水面埋立法上に基づく権利を有する者だと主張されたということでございますけれども、その判決の中で、この法で定めます漁業権者は漁業法に基づき漁業権の設定を受けた者と解するのが相当であるという判決が出ているものであります。

質問の第4点目は、介護職員の処遇改善についてであります。
高齢化の進展に伴い、介護ニーズが増大する中で、サービス提供を担う介護人材を確保することは重要な課題であります。しかしながら、介護職員については、離職率が高く、人材確保が困難な状況にあります。これは介護職員の賃金水準が他の職種と比較して低い傾向にありながら、肉体的にも精神的にも厳しい職場が多いことが原因であると考えられています。
このような状況を踏まえ、2009年から2年半にわたって「介護従事者処遇改善」のため全額国庫負担による「交付金」も出されましたが、十分な成果を上げないまま廃止されて、2012年度からは介護報酬に加算という形になっています。そこで、適正に賃金改善など、労働条件の向上に運用されるよう、実態の把握と適正な運用のために助言を行うことが必要であると考えますが、ご所見を伺います。
また、介護職員の離職率を抑え、プロフェッショナルを養成していくためには、単に賃金改善をするだけではなく、介護職員が目標を持ち、キャリアアップを図っていけるよう、適切な研修の機会が与えられる必要があります。
しかしながら、介護職員のキャリアアップのための研修制度の充実について、事業者による取り組みだけに委ねるのは限界があります。県として、積極的にプロフェッショナルな介護職員の養成に取り組んでいかなければ、介護職員の処遇が改善されず、介護人材不足が続き、ひいては介護サービスの低下につながるものと考えられますが、今後どう取り組んでいくのか、知事のお考えをお伺いいたします。
(健康福祉部長答弁)
介護職員処遇改善加算につきましては、介護職員の賃金改善に充てることを目的にして、平成24年度から導入されたもので、事業者の約8割で計上されています。
この加算については、全額を賃金改善に充当するよう義務付けられており、これまでの実績報告では、加算分が全て賃金改善に反映されていることを確認しているところであり、今後とも適正な運用について指導・助言に努めてまいります。
次に、介護職員のキャリアアップのための研修制度の充実については、介護職員の処遇改善を図る観点からも、重要であると考えています。
このため。県では、介護職員や介護支援専門員などの職種別の経験年数・役職に応じたスキルアップ研修のほか、認知症や医療的ケアへの対応など専門性向上のための研修を実施するとともに、介護職員が研修を受講する際に、事業者が代替職員を雇用する場合の費用の一部を助成しているところであり、今後とも、介護職員のキャリアアップに向けた取組を積極的に支援してまいります。

質問の第5点目は、TPP農業対策についてであります。
TPP交渉の大筋合意が成立し、併せて、各種農産物が受ける影響が農林水産省において分析されています。その内容は国内農業への影響は少ない。そして農家の不安を解消しようという恣意的な狙いが現れたものとなっていますが、分析は極めて表層的であり、ことはそう単純ではないと考えます。TPP発効直後こそ輸入品との差別化が図られる構図が観られるでしょうが、中長期的に見れば農林水産物に限らず、地域産業、雇用、医療・福祉、国民皆保険、食品安全など国民生活の隅々にまで良きも悪しきも影響が及ぶことになるでしょう。
各種報道でも様々な論点が駆け巡っていますが、地方の農家の不安を訴える声は日々大きくなっています。
TPPに対する本県のこれまでのスタンスは、十分な情報提供を行ったうえで、農業を中心に地域の実情に合った経営安定化対策を国の責任において講じ、地方経済に犠牲を求めることはするべきではない。とするものであり、悪影響を懸念し、危機感を持っていただいているものと思料いたします。
国はTPP農業対策の中で、「攻めの農業への転換」を強調しており、生産性を高めるための農地集積などを進めて、農家の体質強化に取り組む方針を打ち出しています。農家の競争力を高めることは、もちろん必要ですが、一方で、県内農業を守っていく具体策を伴わなければならないと考えます。
TPP対策の名の下に、農業現場の声を無視して推し進めることはあってはなりませんし、農業者の高齢化や兼業化の進行、小規模な耕地面積規模と言った日本の農業の特性も考慮すれば、やみくもに場当たり的な補助金をばら撒くことも適当ではありません。
そこで、今回のTPP交渉の大筋合意を受けて、攻めるべきは攻め、守るべきは守るという姿勢のもと、特性のある県内農業を守るうえで、農業振興策として、どういった点に重点化を図っていくおつもりなのか知事にお伺いいたします。
(農林水産部長答弁)
農業就業者が減少・高齢化し、県土の7割を中山間地域が占める本県において、農業が持続的に発展するためには、担い手対策をはじめ、法人等の経営体質の強化や産地競争力の強化に重点的に取り組むことが必要であります。
このため、担い手対策については、本年度からスタートした日本一の担い手支援策を前面に打ち出しながら、一人でも多くの新規就業者の確保・定着に努めてまいります。
次に、経営体質の強化については、これまで、農地を地域が一体となって守る集落営農法人づくりを推進しているところでありますが、さらなる法人の規模拡大や多角化を目指し、複数の法人が連携する「集落営農法人連合体」の育成にも取り組んでまいります。
また、産地競争力の強化については、全国に誇れる「やまぐちブランド」の生産拡大や高品質化を促進し、地産・地消や国内外での売り込み強化に努めるとともに、これに対応した生産拡大や生産基盤の整備に鋭意取り組んでまいります。

また耕作放棄地が増加している現状において農地を保全する仕組みを構築することも大きな課題であります。地域を支える集落営農の推進強化、農地中間管理機構等による農地集積の促進などを現在推し進めておられますが、転用売買願望地主や不在地主の農地が飛び地になっていたりする農用地の現状を見ると、それにも限界があり、全てを集積できる訳ではありません。
そこで、農地保全策としては、零細規模の多い本県農業の特性からして、例えば、定年退職後の高齢者を活用して、市民農園や産直市と言ったものを活性化するなど、住民により身近な支援施策が必要となってくると考えますが、併せて、ご所見をお伺いいたします。
(部長答弁)
お示しのように集積が難しい農地もあることから、定年退職者や女性グループ等がこうした農地を活用し、多彩な農産物の直売所への出荷を拡大できるよう、農業大学校や農協等での営農講座を通じ、栽培技術や加工販売などを支援しているところであります。
また、こうした条件不利地域では、地域住民が一体となった農地保全活動や、耕作放棄地での山口型放牧などの農業振興対策に加え、市民農園をはじめ都市農村交流などの中山間地域対策や、市町独自の地域づくり対策ともしっかり連携しながら、本県の特性を踏まえた農地の有効活用をすすめてまいります。

第6点目は、給付型奨学金制度の導入についてであります。
終身雇用と年功序列型賃金を特徴とする日本型雇用が維持されていた1990年半ばまでは、大学進学者の家庭の多くは子供の学費を支払うことが可能であり、奨学金受給者は全学生の中では少数派でした。
しかし、経済状況の悪化、新自由主義的グローバリゼーションの進行は、日本型雇用を解体し、非正規雇用の増加と正規雇用労働者の待遇悪化という事態をもたらしています。
「子どもが成長する頃には賃金が上がる」という年功型賃金制度の解体によって、奨学金を借りることなしには、子どもを大学に通わせることが困難な家庭が増加し、全大学生(学部生・昼間部)の中で奨学金を受給している者の割合は、96年の21.2%から12年には52.5%に急上昇しています。
民間労働者の平均年収や世帯の平均所得の減少と奨学金受給率の上昇の時期が、ぴったりと重なっています。
奨学金問題は、経済的に厳しい状況に置かれた少数派の学生に限られた問題ではなく、大学生の多数派に関わる問題となっています。
しかも、83年まで日本育英会の奨学金は利子がつかないものでしたが、日本学生支援機構へと組織改編され、いまや「金融事業」と化した如くになってしまい、貸与制の有利子奨学金の返済が社会問題になっています。
つまり、奨学金は大学生だけの問題ではなく、日本社会の将来全体に関わる射程を持っています。奨学金の返済年数は最大で20年間であり、深刻化する労働市場の劣化に加えて、奨学金という名の多額の借金を抱えていれば、結婚・出産・子育てはいずれも容易ではありません。多額の奨学金返済が未婚化と少子化を促進し、子育てを困難にしているといっても過言ではありません。
「人口減少社会」や「自治体消滅」の危機を乗り越え、「地域再生」を図るためには、「給付型奨学金の導入」をはじめとする「教育の私費負担」軽減策の実施が必要不可欠になっています。
本県では山口県ひとづくり財団奨学センターにおいて、大学生への奨学金の貸与事業を行っておられます。
奨学金返済が若年層の生活を圧迫し、未婚化や少子化をもたらしている現状を把握・認識し、大学生に対する給付型奨学金制度を導入すべきであると考えますが、教育長のご所見を伺います。
また、若年層の実態を捉えたうえで、本県の「高等学校等就学支援金制度」や、高校生の「奨学のための給付金制度」を改善し、できる限り給付型奨学金制度の実現を目指すべきですが、教育長のご所見を伺います。
(教育次長答弁)
大学生に対する給付型奨学金制度の導入についてですが、お示しの、山口県人づくり財団奨学センターにおいては、経済的な理由により就学が困難と認められる大学生に対して、無利子による奨学金の貸与事業を行っております。
こうした中で、給付型奨学金制度を導入するには、現行の貸与型奨学金利用者との公平性や、制度を継続していくための財源などの課題があります。
また、日本学生支援機構においては、奨学金の貸与を受けた本人が一定の収入を得るまでの間、貸与終了後の返還を猶予する制度などを設けるとともに、毎年、無利子である第一種奨学金の貸与人数枠を拡大しているところです。大学生への給付型奨学金制度の導入については、こうした状況を踏まえ、今後の国の動向を注視してまいりたいと考えております。
次に、高等学校等就学金制度および奨学のための給付金制度についてです。
現在、高等学校等への就学に伴う経済的負担の軽減を図るため、保護者等の市町民税所得割額の合計が、30万4千2百円未満の世帯の生徒を対象として、国が、授業料に充てるための就学支援金を支給しています。
また、これに加えて、教科書代や教材費、学用品代など、授業料以外の教育費の負担軽減を図るため、低所得世帯の生徒に対し、県が返済義務のない給付金を支給しているところです。
これらの制度は、いずれも、平成26年度の入学生から給付を開始し、年度ごとに対象学年を広げながら、両制度の円滑な運用、定着に努めているところでありますので、新たな給付型奨学金制度を導入することは考えておりません。

質問の第7点目は、非核・平和教育についてであります。
唯一の被爆国である日本において、21世紀を担う子供たちが核の脅威と平和、さらには福島原発事故などについて、正しい認識を持つことが必要不可欠であると考えます。
本県では、県を含め県内全自治体が非核宣言を行っています。非核宣言自治体とは、核兵器廃絶や非核三原則の遵守などを求める内容の自治体宣言や議会決議を行った自治体のことであります。
非核宣言自治体が世界に広がっていく契機となった最初の非核宣言は、1980年にイギリスのマンチェスター市で行われました。マンチェスター市は、米・ソ冷戦のさなか、核兵器の脅威をなくすため、みずからの町を非核兵器地帯であると宣言し、他の自治体にも同じような宣言をするように求めました。すぐにイギリス国内の多くの自治体が賛同しました。その後、この宣言運動は世界に広がり、日本でも1980年代からこの非核宣言を行う自治体がふえ続け、現在では1500を超える自治体が宣言を行っています
すなわち、日本においては核兵器廃絶や非核防衛政策の主張は偏っているとはみなされません。ところが、非核・平和教育の実施となると、自衛隊や日米安保条約、沖縄・岩国の米軍基地問題、日本による戦争加害などについては、政治的に偏っていると批判されることがあり、現場の教師が学校外部からの批判を意識する余り、非核・平和教育への取り組みが不十分になるおそれがあります。
しかし、本県も非核宣言自治体であり、その主張は偏っているものではありません。そのことを忘れずに、適切な非核・平和教材を活用して、非核・平和教育を充実させる必要があると考えます。
そこで、非核・平和教育について、これまでどうやってこられたのか、成果はどうか、また、今後どう取り組むのか、教育長にお尋ねをいたします。
(教育次長答弁)
各学校では、学習指導要領に則り、児童生徒の発達の段階に応じて、平和に関する教育が行われています。
小学校の社会において、原爆や戦争の悲惨さなどを取り上げ、平和維持に向けた各国の相互理解や協調の大切さなどについて学ぶ学習、総合的な学習の時間や特別活動において、地域の語り部の方などから体験談を聞く学習などを行っており、広島平和記念資料館や長崎原爆資料館等には、多くの学校が訪問しています。
また、高等学校の公民科において、核兵器廃絶などについて理解させ、国際社会における日本の果たすべき役割について考察させる学習などを行っています。
このような学習の成果として、子どもたちは原爆の悲惨さや平和の尊さなどについて理解を深めており、今後とも、学習指導要領に則り、平和に関する教育が適切に行われるよう努めてまいります。

 

9月定例会で、反対討論をおこないました.

社民党・市民連合の中嶋光雄です。会派を代表して討論を行います。
まず、議案の賛否についてです。本議会に上程された議案のうち、議案第1号、第2号の2議案に反対し、議案第3号~7号には賛成いたします。
最初に、議案第1号の反対理由について申し上げます。
議案第一号 平成27年度山口県一般会計補正予算(第2号)について、であります。
今回の補正予算には、地域産業の人材ニーズを掘り起こし、成長を支える人材のUJIターンを促進するための「プロフェッショナル人材戦略拠点」整備や、高齢消費者の被害防止に向けた対策、さらには、今後のへき地医療を担う総合診療専門医の養成促進などに所要の予算が計上されており、一定の評価はいたします。
しかし、残念ながら、我が会派の佐々木明美代表も、反対しましたが成立した、本年2月定例会における議案第32号 山口県資金積立基金条例の一部を改正する条例によるところの「岩国・和木・大島地域まちづくり基金」、これは、米軍再編に伴う負担増への見返り措置とされる国からの新たな交付金を原資として創設したものです。
この基金を発動させて5億4百7万3千円が計上されています。
国が山口県を唯一、新たな交付金の対象としたのは、他ならぬ、2017年からの空母艦載機部隊の岩国移駐を円滑に進めるためです。
このことは、平成27年4月10日付け防衛省訓令第21号で定められた「再編関連特別地域整備事業交付要綱」を読めば明々白々です。
例えば、第6条に(交付の対象)が定められており、「航空機の数が40機を超えて増加すること。人員の数が1000人を超えて増加すること。」このいずれにも該当すること。さらに、「駐留軍等の再編の円滑かつ確実な実施について理解を示し、協力を行っていると認められる県であって…云々」と、極めて露骨と言わざるを得ません。
さらに、昨年、空中給油機KC130部隊の15機の沖縄からの移駐時期を、言葉では「容認できない。」と、いい続けてきた事はどこ吹く風に、なし崩しで容認。また、オスプレイ訓練基地の固定化についても、県・市は、目・耳・口をふさいだままです。
このままでは、空母艦載機59機の移駐容認の事実上表明。と国にお墨付きを与えたも同然で、岩国基地は極東最大の軍事基地と化してしまいます。
したがって、こんな危険なひもがついた交付金は受け取るべきではありません。ましてや使うべきではありません。よって、議案第1号に反対いたします。

議案第2号は、平成27年度の県が行う建設事業に要する経費の一部を市町に負担させるものです。
対象事業によって市町負担割合はそれぞれ違いますが、県事業費総額、182億7,913万円に対し、市町負担金は17.42%の31億8,429万8千円に、にも、なっています。
これは、国直轄事業負担金と連動している問題です。
平成21年7月14日付けで、全国知事会は、(国)直轄事業負担金制度の改革に関する申し合わせ~直轄事業負担金の支払い基準及び今後の廃止方針~を取りまとめ、政府に働きかけを行い、維持管理費負担金の廃止など一部見直しがされ、2013年度(平成25年度)までの間に、負担金制度の廃止と、その後のあり方について結論を得るという政府方針が打ち出されるところまで行っていましたが、今やすっかり後退してしまい、本年7月29日に全国知事会として「国の施策並びに予算に関する提案・要望」(国土交通関係)分を国に提出。この中で、相変わらず「直轄事業負担金制度改革の確実な推進について」の項で、直轄事業負担金制度については、国と地方の役割分担等の見直しや地方への権限と財源の一体的な移譲と併せ、制度の廃止など抜本的な改革を速やかに、かつ、確実に進めること。その際には、社会資本整備の着実な実施にも配慮すること。と、政府に要望しています。
このように、全国知事会を通じて県が国に廃止を求め続けている以上、市町に負担金を課すことは筋が通りません。まず、隗より始めよ。です。よって、議案第2号に反対をいたします。

次に、請願についてです。
請願第1号 「戦後70年に当たり、「立憲主義」の堅持を求めることについて」を、不採択とする委員長報告に反対いたします。
近代以降の憲法の役割は、国の権力を縛ることです。昔は王様が主権者(絶対的な権力者)だったわけですが、フランス革命やアメリカ革命などの市民革命を経て、人々が主権者となりました。その時に、国は人々との間で、これからは、一部のエライひとの特権を守るのではなく、人々の人権を守るために活動しますという契約を結びました。この契約を文書にしたものが憲法です。国は、軍隊・警察を動かしたり、税金を集めたりと、特別な権力を持っています。「権力は暴走する」、これは歴史の教訓といえます。特別な権力を持つ国を、憲法で「縛る」という考え方が「立憲主義」と言われています。
本請願は、まさにこの事を言われており、いわば、「当たり前のことを、当たり前にしてくれ。」とおっしゃっているだけです。よって、本請願を不採択とすることに反対をいたします。

請願第2号 「治安維持法犠牲者国家賠償法(仮称)の制定を求める意見書」の採択を求めることについて、ですが、この請願の不採択に反対いたします。
治安維持法は、当時の大日本帝国政府にとって都合の悪い言論や思想を弾圧するための法律でした。主なターゲットは、天皇制と矛盾する、本請願でも述べられているような、政党、団体、個人でした。
これによる思想弾圧はすさまじいものだったと言われています。たとえば料亭や喫茶店で友人と会って話をした事が、政党の目的遂行のためだったと判断されて、犯罪にされました。一枚の記念写真を契機に、私的な温泉旅行が当時の共産党の秘密会議だったとでっち上げられ、60人もの人が逮捕され、拷問されて、4人の死者まで出ています。(横浜事件です。)
こういうことを反省して、今の憲法には「集会・結社の自由」(憲法第21条)とか、「思想良心の自由」(第19条)とか、「表現の自由」(第21条)が入れられたのです。
なお、横浜事件は2005年にようやく再審が認められましたが、きちんと有罪・無罪の審理に入る前に手続きは打ち切られました。過去の罪責に正面から向き合うことさえ、この国の権力は拒否しているということです。
ナチスの罪を直視し、戦後ドイツの周辺国との和解に貢献した故ワイツゼッカー元ドイツ大統領の有名な演説があります。
<問題は過去を克服することではありません。さようなことができるわけはありません。後になって過去を変えたり、起こらなかったことにするわけにはまいりません。しかし過去に目を閉ざす者は結局のところ現在にも盲目となります。非人間的な行為を心に刻もうとしない者は、またそうした危険に陥りやすいのです>。
この一節を紹介することによって、本請願を不採択とすることに反対をいたします。

請願第3号 「女性医師、看護師等の夜勤制限を求めることについて」を不採択とすることにも反対いたします。
我が国は、「病床数が多すぎ。しかも入院期間が長すぎる」と、して、「医療介護総合確保推進法案」を成立させ、都道府県命令で医療機能ごとに病床数を減らしていかなければ医療費の高騰に歯止めがかからない。などと、無茶苦茶なことが行われようとしています。
しかし、先日、ある学習会に参加して興味あるデータを拝見しました。
英・独・仏・スウェーデンとの医療分野についての国際比較です。OECDのヘルスデータによるものですが、人口千人当たりの臨床医師数は、日本は2.2人に過ぎませんがスウェーデンは3.8人で、病床100床当たりの臨床医師数は日本16.4人に対し英国は91.8人。
臨床看護職員数を人口千人当たり及び病床100床当たりで比較しますと、それぞれ日本10.1人に対し独国11.3人。日本74.3人に対し英国324.7人。と、日本は圧倒的に医師・看護職員が不足しています。
その証拠として、同じデータで平均在院日数が日本、32.5日なのに英国は7.7日。スウェーデンにいたっては5.7日に過ぎません。急性期平均在院日数で見ても日本18.2日に比べ英国は6.6日です。
このことは、日本の医師・看護職員が慢性的な人手不足で治療が施せずに、結果として患者の入院長期化を招いていることを如実に語っています。
24 時間365日いのちを守る医療や福祉は、夜勤がどうしても必要ですが、夜勤交替制労働は、健康リスクや安全リスクが高い勤務です。家庭生活や社会的活動の面でも負担や制限など支障がでます。
患者・利用者の安全を守るためにも、医療・介護労働者が健康で働き続けるためにも、夜勤交替制労働の時間短縮が必要です。ましてや、本請願が求めている母性保護は急を要します。
よって、本請願を不採択とすべきとすることに反対をいたします。

最後に、請願第4号 「戦後70年に当たり、「立憲主義」の堅持をもとめることについて」です。これは、請願第1号と要旨を同じくするものですが、主権者教育に関わる請願になっています。
この請願についても不採択とのことですが、反対をいたします。
反対の理由については、請願第1号と同じで、重複をさけて省略します。
なお、主権者教育については、同僚の佐々木明美議員が一般質問で申し上げた通りです。
よって、本請願を不採択とすべきとすることに反対をいたします。

以上をもちまして、私の反対討論を終わります。ありがとうございました。

9月定例会で一般質問を行いました。

9月定例県議会(一般質問)
社民党・市民連合  中嶋 光雄

1点目に防災・災害への備えについてお聞きします。
先ずソフトの面です。これまで、市町と一緒になって、地域防災力の強化、具体的には自主防災組織の組織化を進めておられると思いますが。平成17年度時点で51.9%(全国32位)だったようですが、最新の調査での自主防災組織率は、どの程度まで上がっているのかをお尋ねいたします。
(部長答弁)自主防災組織は、災害時の被害を最小限に抑える上で、大きな役割が期待されており、県では、育成に取り組む市町を支援してきたところですが、平成27年4月現在、県全体の組織率は93.6%まで向上しています。
その上で、問題は自主防災組織を結成したはいいが、その後の活動がもっと大事なことは言うまでもありません。県として、例えば、避難訓練や救出訓練など、県下の自主防災組織の活動状況はどうなのでしょう。把握が出来ているのであれば、教えていただきたいと思います。
(部長答弁)自主防災組織においては、地域の実情に応じた様々な活動が展開されており、具体的には、危険個所の把握や防災訓練を実施するとともに、災害時には、住民への連絡や避難誘導等を行っています。
 多くの場合、組織化はされたものの活動が伴ってはいないという状況ではないかと思います。ですから、その活性化が課題です。自治会役員など組織の名目的リーダーはいても、訓練など具体的な活動の時に、中核となって率先して行動できる人材が不足していないのか懸念しています。
そこで、そのような人材養成は、自主防災組織の活性化に不可欠と思います。県としてその人材育成に取り組んでおられると思いますが、自主防災組織リーダーの現在の状況と今後の育成方針など教えていただきたいと思います。

(部長答弁)自主防災組織の活性化には、活動の中核となるリーダーの育成が重要であることから、県では、リーダーの育成に取り組む市町を支援するため、平成25年度から、専門的な知識・技能を持つ「自主防災アドバイザー」を養成し、現在、128名が、直接、地域で助言等を行っております。

今後、より多くの地域でリーダーの育成が図られるよう、引き続き、自主防災アドバイザーの養成に努めるなど、市町の取組を支援してまいります。
そして「訓練実施に対する支援」も必要だと思います。普段できていないことを災害発生時に行うことはできませんし、ましてや、大災害が発生した時に、その被害の規模が大きいほど消防あるいは自衛隊など公的な支援の到着が遅れるというのが現実だろうと思います。  自主防災組織が災害発生時に行う初期対応は、被害の軽減に大変重要な役割を果たすものです。訓練に取り組む自主防災組織に対して支援する制度が必要と思いますがいかがでしょうか。ご所見を伺います。

(部長答弁)訓練に取り組む自主防災組織に対する支援についてです。
 災害時に、迅速かつ的確な行動がとれるよう、日頃からの訓練の実施は重要であり、県では、自主防災アドバイザーの派遣や、毎年、自主防災組織交流大会を開催し、研修や情報交換の機会を設けるなど、実践的な訓練の実施を支援しているところです。

災害の発生は時と場所を選びません。万一の場合は、自分の安全は自分で守るのが、つまるところ防災の基本だと言われていますが、その前提になるのが避難情報などのいち早い入手が重要だと思います。「緊急速報メール」を携帯電話各社に一括配信してもらう情報伝達手段が普及していますが、肝心の携帯の電波が届かないエリアが一部の中山間地域に残っています。費用対効果でこの解消に電波事業者も及び腰のように聞いています。そこで、防災の観点からも県として何らかの対応を講じるべきではないかと思いますが、ご所見を伺います。

(部長答弁)住民への防災情報の伝達については、市町において、防災行政無線や広報車等、地域の実情に応じた、様々な手段を組み合わせて確保されるべきと考えており、県では、国の支援制度を紹介するなど、伝達体制の整備を支援しています。
 携帯電話の緊急速報メールも、有効な伝達手段の一つであると考えており、毎年、電波の届かない地域の解消に向け、市町からの要望を踏まえ、事業者に対して要請を行っているところです。
 県としては、今後とも、市町と緊密に連携し、ソフト面でも防災対策の充実に努めてまいります。

再質問 携帯電話に関する国の支援制度については、どの程度のものなのか具体的におうかがいしたい。また、市町長を通じてどの程度積極的に要請しているのか伺いたい。

(部長答弁)携帯電話の電波が届かない地域の解消に向けた国の支援制度、無線システム普及支援事業につきましては、一時的に条件の不利な地域において市町村が携帯電話の基地局を整備する場合や通信事業者等が基地局の開設に必要な伝送路施設を整備する場合に必要な補助を行うものであります。
 本県におきましては、平成21年度萩市において活用がされております。

次にハードの面です。鬼怒川などの堤防決壊が広範囲な大災害に繋がっています。
河川法にはこう書いています。第16条です。「河川管理者は、その管理する河川について、計画高水流量その他当該河川の河川工事及び河川の維持についての基本となるべき方針に関する事項(以下「河川整備基本方針」という。)を定めておかなければならない。」と。そして第16条の2、「河川管理者は、河川整備基本方針に沿って計画的に河川の整備を実施すべき区間について、当該河川の整備に関する計画(以下「河川整備計画」という。)を定めておかなければならない。」と書いています。この条文から言うと、県の管理する河川全てにおいて策定しなければなりません。県管理の河川は1級河川が2水系、2級河川で106水系あるようです。この中で河川整備基本方針はホームペイジを拝見すると37水系、河川整備計画は同じく34水系しか策定されていません。例えば、その中で小さな河川も含まれていて、そこまで手が回らないのでしょうか。既に河川法で明記されて以降、18年も経過している中で、近年は局地的な集中豪雨が頻発している状況があるだけに、方針・計画が出されていないのは、いかがなものかと思います。計画が無いところに防災対策工事はあり得ません。早急に河川整備基本方針、河川整備計画を策定すべきなのではないかと思いますが県としての考え方をお聞かせください。

(知事答弁)本県には、総延長で2,200Kmを超える2級河川があり、急峻で流路の短い河川が多く、災害を受けやすい地勢的な特徴を有しています。
 こうした中、平成25年7月の県北部における大雨をはじめとする記録的な集中豪雨が、この6年間で4回も発生し、県内各地で甚大な被害をもたらしています。近年の気候変動を考慮すると、集中豪雨による洪水被害は、今後、ますます頻発・激甚化することが懸念をされており、私は、県民の暮しの安心・安全を確保するため、河川改修やダムの整備などのハード対策は極めて重要であると考えています。
 このようなハード対策の実施にあたっては、河川法に基づき、長期的な河川整備の方針を定めた「河川整備基本方針」と、おおむね30年間の具体的な河川整備の内容を定めた「河川整備計画」を水系ごとに策定する必要があります。
 このため、県では、過去に大きな水害が発生した河川や、川沿いに人口・資産が集中している河川を優先して基本方針等を策定をすることとし、治水、利水、環境に関する調査・検討を行った上で、「山口県河川委員会」や「川づくり検討委員会」の意見を聴きながら策定を進めてまいりました。
 この結果、河川改修を進めているすべての河川で策定が完了したところでありまして、残りの河川につきましても、優先度・緊急度を考慮しながら、順次、基本方針等の策定を進めてまいります。
 私は、県民の暮しの安心・安全はあらゆることの基本であるという認識の下、チャレンジプランに「災害に強い県づくり推進プロジェクト」を掲げており、引き続き、河川改修などのハード対策を着実に推進してまいります。

2点目に情報公開についてお聞きします。
本県では、情報公開条例を1997年(平成9年)7月に制定し、9月から施行されてきました。
国の情報公開制度はやや遅れて、情報公開法、正式な法律名は「行政機関の保有する情報の公開に関する法律」といいますが、1999年(平成11年)5月に制定され、2001年(平成13年)4月から施行されています。この国の情報公開法は、それまでに制定されていた情報公開条例の水準を超える内容を含んだものでした。
国の情報公開法では、その第25条、地方公共団体の情報公開において、「地方公共団体は、この法律の趣旨にのっとり、その保有する情報の公開に関し必要な施策を策定し、及びこれを実施するよう努めなければならない。」としています。従って、この条文は、情報公開制度を整備していなかった自治体に、この法律の趣旨にのっとった整備を促すとともに、本県のように既に情報公開条例を整備している自治体に対しても、この法律の趣旨にのっとった条例の見直しを求めているということができます。
そこで、本県の条例を、中国・四国・九州の各県の条例と対比してみたところ、「非公開事項(情報)の範囲」の規定において、なんとも古臭いままになっています。
具体的には、「山口県情報公開条例」では(開示をしないことができる公文書)第11条本文で、「(いわゆる)非開示情報が記録されているときは、当該公文書の開示をしないことができる。」と、『できる規定』になっており、これは中四国・九州17県で唯一古い条文のままで、他は皆、『開示しなければならない』であること。
さらに、非開示の範囲はできるだけ狭くするという流れであるにもかかわらず、第11条第5号に「意思形成の過程」の文言が、中四国・九州で唯一山口のみ残っていること。さらに、第7号の「(協力・信頼関係情報については、)協力関係又は信頼関係が著しく損なわれるおそれがあるもの」の文言は佐賀、高知、山口のわずか3県のみであること。第8号の「合議制機関等情報について公開することにより、当該合議制機関等の公正で円滑な議事運営が著しく損なわれるおそれがあるもの」は開示しないことができることとなっており、中四国・九州17県で、これも唯一山口だけが温存しているという情けないことに条文上なっています。
まとめますと、本県条例は、「非開示事項に該当する情報が記録されているときは開示をしないことができる。」となっているが、これを、いわゆる(公文書の開示義務)「非開示情報が記録されているときを除き開示しなければならない。」に見直し、また、「意思形成過程情報」「協力・信頼関係情報」「合議制機関等情報」という旧来の情報の類型を、情報公開法の成立後は、審議・検討等情報として整理し、他の事務事業と同じように扱う形での条例見直しがされるべきだと思いますが、ご所見を伺います。
なお、本県の名誉のために申し添えますが、本県条例では「個人情報」について、かっての官官接待の情報公開等の経験を踏まえて、職名にとどまらず、公務員の氏名を原則公開とする規定があり、これは、自治体が「地方自治の本旨」(憲法92条)に即し法律よりも公開の幅を広げている例として参考とされるべき。と情報公開法の解説書で紹介されていることを申し添えておきたいと思います。
それだけに、なおさら条例の見直しを是非ともお願いしたいと思っております。

(部長答弁)「開示をしないことができる公文書」の規定を「非開示情報が記録されているときを除き、開示」するよう見直すべきとのお尋ねです。
 本県条例は、公文書の「原則開示」を基本理念としており、県民の知る権利を尊重し、県が保有する公文書の開示を請求する権利を明らかにするとともに、条例の解釈及び運用に当たっては、開示を求める者の権利を最大限に尊重しなければならないと規定しています。
 こうしたことから、本県の条例施行後に制定された情報公開法や他県の条例と規定の方法は異なっているものの、趣旨及び運用において、なんら異なるものではありません。
 また、「意思形成過程情報」、「協力・信頼関係情報」、「合議制機関等情報」の規定につきましては、お示しのとおりの状況にありますが、国や他県においては、法令の解釈及び運用等に当たり、同様の趣旨を含む「包括的な規定」により、非開示情報を判断することとされています。
 本県条例がこれらの規定を設けていることで、非開示の範囲を広げているものではありません。県としては、直ちにこれらの規定の見直しを行うことは考えておりませんが、引き続き、条例の趣旨、目的を踏まえながら、情報公開制度の適正な運用に努めてまいります。

再質問 「開示をしない範囲を広めているわけではない」と言われたが、実は、まさに広めている。他県と違う取り扱いがされている(例として)、山口県情報公開審査会の答申、平成25年12月20日、平成27年6月8日の答申がある。
事案は「上関原発をめぐる公有水面埋立法の運用手続き等について国へ問い合わせた際の復命書の開示請求」が非開示決定されたことに異議申し立てがされたことに対する答申です。
非開示とした理由を「意思形成の過程」(第11条5号)、「協力関係または信頼関係」(第11条7号)にしていることに対して、・・・・(ここで、質問時間が切れる)

(部長答弁)情報公開制度の運用の中で、「意思形成」ですとか、「協力・信頼関係情報」などについて、現実問題として非開示事項、非開示範囲を広げているのではないかとの質問かと思います。これは、国の情報公開法ですとか、他県の条例の中におきましては、別の「包括的な規定」があって、例えば、情報公開法であれば、「審議、検討等に関する情報」等の「包括的な規定」を有しており、これらの中で、同様の事項が定められており、県条例が、国や他県と法令の運用において、実質問題、実質の部分として、趣旨及び運用において、非開示の範囲が異なるものではないと認識をしております。

3点目に農政改革についてお聞きします
戦後の農地改革で多くの小規模農家が生まれたこともあり、小さな圃場が複雑に入り組んでいる地域があちこちにある中、これまでも政府は農地を担い手に集める政策を打ち出してきました。最近でも、1993年の「農業経営基盤強化促進法」「認定農業者制度」、2009年には農地法を改正し企業も農地を借りられるようにしましたし、2012年から「ひと・農地プラン」制度もスタートしています。そして、昨年度からは、点在する農地を集約・集積して借り上げ、意欲ある生産者に貸し出すために都道府県ごとに「農地中間管理機構(農地バンク)」が設置され、国は10年間で農地集積率を、全国平均で50%から80%にする目標を掲げました。
安倍政権が成長戦略の一環として農家所得の倍増の鍵を握る農業強化策の柱だったが、初年度の実績は低迷し、早くもてこ入れ策が検討されています。
① 初年度の貸付実績を基に各都道府県の機構をランク付けして公表。②貸付実績に応じ各般の施策について配慮する仕組みを検討。③機構の役員を民間出身者などが過半を占める体制に見直し…が検討されていたようだが、中山間地や基盤整備の実施状況など、地域の事情によって集積の進めやすさは異なるもので、こんなことは実績ありきで混乱を招くだけでナンセンスと思うが、実際のところ、この①~③についてはどうなっているのか教えていただきたいし、仮に実施されるとするなら県としてのご所見をお伺いしたいと思います。

(部長答弁) 農地中間管理事業の初年度実績が低迷していること受けた、国のてこ入れ策についてですが、
① 各都道府県のランク付けについては、平成26年度の貸付実績の高い順に、47都道府県を順位づけし、本年5月に公表されております。なお、本県は8位となっております。
② については、現時点で国からは具体的な内容は示されておりません。
③ 国は、機構の役員の過半数が、経営に関し実践的能力を有する民間出身者となるよう、
県としては、今回国が示した方策は、全国的に集積が進んでいないことを受けた対策であると捉えており、今後とも、機構を通じた担い手への農地集積が進むよう精力的に取組、必要な予算の確保を国に各県の機構に要請しており、本県の役員は民間出身者が過半数を占めております。要望してまいります。

いずれにしろ、農地集積は簡単には進みそうもありません。このような中、6月末に閣議決定された新たな成長戦略に、耕作放棄地を含む遊休農地の課税強化が盛り込まれ、農地を手放さないのは住宅地などと比べ、固定資産税が低く抑えられているからとし、「土地持ち非農家」らの農地の税金を上げることで、貸し出しを促そうというもので、まさにアメとムチの対応といえます。
しかしこれは財産権を侵害する提案であり、許せるものではありませんし、こんな強権的なことを行おうとする姿勢こそが、中間管理機構に農地が思うように集まらない理由だと思います。
課税強化が遊休農地対策だとするなら、耕作放棄地になる確率が極めて高いのが中山間地域といえます。中山間地域では、農地の出し手は居ても、担い手不足こそが深刻な問題となっています。しかし受け手の見込みのない農地は、中間管理機構では受け付けてくれないでしょう。
ですから中山間地域では農地も貸せず、税負担だけが重くなるとんでもない話になります。
そこで、条件の良い農地しか引き受けないとする機構の運営方針を改める必要があると思いますし、出し手と受け手を交えた話し合いを徹底し、信頼関係を熟成することは必要と考えますが、本県の農地中間管理機構は、現在どのような方針で臨んでいるのでしょうか。

(部長答弁) 本県の機構は、農業者の高齢化等により遊休農地が増加しないよう、農地の条件にかかわらず、担い手への貸付が見込まれる農地を借り受けるという方針としており、集落営農法人等の担い手への農地集積を最優先で進めております。
 この方針の下、市町・JA・農業委員会等と連携を密にし、機構の農地集積推進員が集落での話し合いを進め、出し手と受け手の間で貸付条件など、きめ細かな調整を図りながら、可能な限り担い手への農地集積が進みますよう努めてまいります。

4点目に農協法・農業委員会法改正についてお聞きします。
農協法が改正されました。政府は、農業者の所得増大のため、農協が自由に経済活動ができるようにするのが、この法改正の目的と説明しました。そうでしょうか、どう考えても、TPPに反対する全中の監査権の廃止と一般社団法人への移行で権限を弱めるのが目的に思えるのは私だけではないように思います。そこで農協検査の権限を持つ本県として、今回の農協法改正についてどのような見解をお持ちなのか教えていただきたいと思います。併せて、今まで県内の農協に対しての県の農協検査と全中による監査があったわけですが、全中による監査が廃止され、一般事業者としての会計監査が義務付けられる一方、業務監査が任意の取り扱いとなることから、県の検査の責任が増大するということは無いのでしょうか。お聞かせください。

(部長答弁) 今回の農協法改正は、「最近における農業をめぐる諸情勢の変化等に対応して、農業の成長産業化を図るため、農業協同組合等についてその目的の明確化、事業執行体制の強化、株式会社等への組織変更を可能とする規定の整備、また農業協同組合中央会の廃止等の措置を講ずる」とされており、これに対応して、JAグループにおいても、自己改革に取り組むこととしておりますことから、この改正が農業者の所得向上等に着実に結びつきますよう期待しているところであります。
 次に、県の検査の責任が増大するのではないか、とのお尋ねです。
 今回の法改正により、一定規模以上の信用事業を農協等は、公認会計士または監査法人による会計監査を受けることとなりますが、現在のところ、これにより、県が実施する検査に大きく変更があるとは聞いておりません。
 県は、従前から、農協法及び「協同組合検査実施要項」等に基づき、経営管理や法令等の遵守などの取組を重点事項として検査を実施しているところであり、今後とも、農業協同組合の健全な発展を促進するため、効果的な検査の実施に努めてまいります。

農業委員会法も農協法との一括法案で改正されました。
農業委員の公選制は廃止され、市町村長が議会の同意を得て任命する制度に変更されました。
これまで農業委員会は公選制による委員と農業団体や市町議会からの推薦により首長が選任する委員により構成されていましたが、今後は市町が前面に出て、農業委員の推薦・募集から名簿の公表・選任までしなければいけなくなります。また、委員の過半は認定農業者とされました。認定農業者は農作業に従事する時間も長く、公職につけば農作業に影響も出てくるので、説得も大変だろうと危惧されます。
また、農業委員数を現在の半分程度にするというのも、農地利用最適化推進委員についても農業委員と別に置く意味が理解できません。農業委員会は、農地の権利移動や農地転用の許認可を担うなど「農地の番人」としての役割を果たしてきました。合わせて、県農業会議、全国農業会議所の指定法人化によって今までの市町、県、国を結ぶ系統組織としての農業委員会制度が解体され、農業委員会が農地中間管理機構の下請け機関になってしまうなどの懸念が多く感じられる改正です。これは農村にとっては大きな問題だと思います。
山口県農政を推進するにあたって、農業委員会法の改正に対して、県としてどう対処していかれるのかご所見をお聞かせいただけたらと思います。

(部長答弁) 今回の改正は、「農業委員会が担い手への農地の集積・集約化、耕作放棄地の発生防止と解消、新規参入の促進といった、その主たる使命である農地利用最適化をよりよく果たせるようにする」ためのものとされております。
 県としては、県農業会議とも連携し、農業委員会が法改正の趣旨に沿って、新制度を円滑に運営できるよう支援してまいります。

加えて、実務的に市町は、来年4月1日の施行に向け、ことが定員におよぶ内容を含むだけに農業委員会だけでなく市町の様々な部門での条例改正が必要になるだろうし、政省令が公になるのも10月中かとも言われているようなので、てんやわんやの事態が想像されます。従って市町との連携、助言体制の構築などが必要と思われるが、いかがでしょうか。

(部長答弁) 改正法の施行日は来年4月1日とされておりますが、経過措置により、農業委員等の規定は現委員の任期満了後から適用されるということになっておりまして、来年以降、任期満了日を迎えた市町から、順次、新制度に移行するということになります。
 県としては、各市町が円滑に申請ぢに移行できますよう、説明会等を通じて法制度の周知を図るとともに、随時、相談にも対応しながら、市町への支援に努めてまいります。

5点目に上関原発建設についてお聞きします。
今年の夏も、原発は1基も稼働していませんでした。にもかかわらず電力不足は全く起こらず、電力需要がピークに高まる日中、軌を一にするように発電する太陽光が強みを発揮、川内原発(89万キロワット)12基分に相当するピーク時シェア(6.5%)1100万キロワットの電力を生み出していたことが明らかになっています。原発ゼロが続いた間に、太陽光が欠かせない電源に成長したことが明確になっています。
国民・県民は、「原発の安全神話」が真っ赤な嘘だったことに気付いています。
原発建設には、バックエンド費用を含めると天文学的金額がかかりますが、それに比べ再生可能エネルギーは格段に安上がりなうえ、何よりはるかに安全です。そして紹介したように太陽光が原発の代替電源になりうることが証明されています。
そこで、6月定例会に引き続いての質問です。
祝島漁民が漁業補償金を受け取っていないことから補償がなされたことにならず、工事は違法になる。旨の質問をしましたが、部長答弁は、「最高裁の判断によりまして、祝島の漁業者にも受忍の義務が生じるということが確認されておりまして、…」そして「水産庁通達は、行政上望ましいというふうにしめされたものと認識しております」となっていることを、議事録で確認しましたが、それぞれ、「最高裁判決は共同漁業についての判決であり、自由漁業・許可漁業とは関係がないこと」。また、「水産庁通達には「行政上望ましい」旨の表現は全くなく、「必要である」の表現しかありません」
そこで、「公共用地の取得に伴う損失補償基準要綱」(2条5項)および「要綱の解説」によれば、ようするに「自由漁業あるいは許可漁業を営む実態が漁業権と同程度の地位を有する権利と認められる場合、その補償が必要なこと」となっていることから、公有水面埋立法第8条(工事着手の制限)違反を事業者は犯している。と指摘したのだが、再度のご答弁をお願いします。

(部長答弁) お示しの公共用地の取得に伴う損失補償基準要綱は、土地収用法等に基づき土地等を収用し、または使用することができる事業の円滑な遂行と損失の適正な補償の確保を図ることを目的として、損失補償の対象とあり方を定めたものでありまして、公有水面埋立法とは、その目的が異なることから、補償の対象となる範囲は異なります。
 公有水面埋立法上、埋立工事の着手にあたっては、埋立工事の施行区域内の「漁業権者」等水面権理者に対する補償が必要ですが、公有水面埋立法上の「漁業権者」とは、漁業法に基づき漁業権の免許を受けた者をいい、お示しの祝島の自由漁業・許可漁業者は含まれていません。
 埋立工事の施行区域内の「漁業権者」である山口県漁業協同組合等水面権者への補償はなされており、公有水面埋立法上必要な要件を満たしていることから、埋立工事の着手は法律違反には当たらないと考えております。…(コメント、無茶苦茶な答弁だ!)

公有水面埋立免許がなされて、今月(10月22日)ですでに7年になります。埋立法上免許は「特許」であり、知事は埋立を抑制し環境を保全する観点から広範な裁量権を有しています。
現に、翁長沖縄県知事は前知事の埋立承認の瑕疵の有無の検証(埋立の必要性や環境アセスメントの違法など)を第3者検証委員会に求め、その答申を受け、取り消しの決断を近々にもされるとの報道に接しています。
しかるに、上関の「埋立の必要性」に関して原発立地の合理性、公益性につき、県民を代表して公正に判断することが求められている知事は、上関原発の新旧のエネルギー基本計画での位置づけや今回新たに持ち出してきた「長期エネルギー需給見通し骨子案」における原発の新増設の方向性について、中電が納得できる説明を果たさなければ、即刻、延長申請を不許可にしなければならないのに、あろうことか県は未決の延長申請と新たな再延長申請を「一体」で審査するとしているが、いったい何の法的根拠によってこのようなことが行いうるのか説明願いたい。

(部長答弁) 埋立免許については、竣工期限が到来する前の平成24年10月に延長申請がなされており、公有水面埋立法の運用に関して国が出した解釈によれば、処分がされるまでの間は、竣工期限を経過した後においても有効に存続するものとされております。
 お示しの再度の延長申請は、埋立免許が有効に存続している中で行われているものであり、適正な申請であることから、これら2つの申請を一体で審査することとしたものです。
…(コメント、出鱈目な答弁で、さらに追及していきたい。時間が足りなくて残念) 

兎に角、「公有水面は国民全体の共有物であって、特定の個人ましてや一企業の物ではない。「免許を受けた者が埋め立て工事を完了しないのに、いつまでもその権利を持っているとされるのであっては、不合理極まりない。」
村岡知事は、県民から良好な海の管理を信託されておられます。上関の海は、免許を受けたからといって。未来永劫、中電の独占物ではない。と、強く申し上げておきたいと思います。
以上、大きく5点について、ご質問いたしました。前向きなご答弁を期待し、1回目の質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。
県議会絆通信No1、2015年晩夏
NO1(1P) NO1(2P) NO1(3P) NO1(4P) NO1(5P) NO1(6P) NO1(7P) NO1(8P)

2015年6月定例会、一般質問

戦後日本の政治は、曲がりなりにも「政治は憲法に則って行う」という立憲主義が尊重されてきましたが、安倍政権はそれを無視し、国会で多数を握れば万能とばかりに「戦後レジームからの脱却」すなわち憲法改悪を自らの使命としているところに、その特異性と危険性があります。
日本国憲法のもつ主権在民、平和主義、基本的人権尊重の理念は、国民一人ひとりの尊厳を守り、戦後の日本の発展と国民生活の向上を導いてきました。  また不戦の誓いは、他の諸国とりわけアジア近隣諸国からの信頼を得る礎となってきました。
安倍首相は、就任以来2年半、「厳しさを増す安全保障環境への変化」を口実に国家安全保障会議(日本版NSC)設置法、特定秘密保護法、防衛政策三文書策定(国家安全保障戦略、新防衛計画の大綱、中期防衛力整備計画)、武器輸出三原則の廃止、そして歴代政権の憲法解釈を否定した集団的自衛権行使容認の閣議決定などを矢継ぎ早に進めてきました。
しかし、安倍首相の靖国参拝や「村山談話」を否定するような誤った歴史認識と言動こそが「厳しさ」を招く要因であり、いわば「自作自演」で国民の不安をあおって「戦争する国」づくりを正当化しようとするものです。
安倍政権は、今国会で集団的自衛権の行使を可能にする一連の「戦争法案」整備を目指しています。これに先立ち、日米安保条約を大きく逸脱して日米軍事一体化を拡大する「日米防衛協力のための指針(ガイドライン)」再改定に合意しました。法案提出の前に対米公約で既成事実化をはかることは、国会軽視、主権者無視の許しがたい暴挙です。戦後70年にわたる平和国家としての歩みを180度転換し、「専守防衛」の自衛隊を「軍」に変えて、米軍とともに世界規模で戦争に加担できるようにする「戦争法案」を許すわけにいきません。
県政においても、安倍自民党政権の復活と同時に、上関原発も米軍岩国基地も「国策に協力」にすっかり先祖帰りしてしまいました。加えて朝鮮学校補助金打ち切りなど国へ追従する県政が行われています。
残念でなりません。
こんな時だからこそ、我が国の将来、子どもたちの未来のためにも、戦争法制反対をしっかり訴えていきたいと思います。

それでは、発言通告にしたがって、知事及び担当部長の御所見を伺いたいと思います。
最初に、地方創生についてお伺いいたします。
6月11日、村岡知事を先頭に、国に対し「平成28年度予算編成及び政策決定に関する提案・要望」が行われ、その報告が総合企画部長からありました。
総務省事務次官からは、「地方が自主的・主体的に地方創生の取組を進められるよう、地方の一般財源はしっかり確保してまいりたい。」と、あったそうですが、地方創生の言葉だけが独り歩きしているようで、言葉の深堀をしなければ額面通りには受け取れない。との思いがいたします。
やはりこの間の地方分権改革の総括から説明していただかないと、財源を含めどうなっていくのかさっぱりわかりません。
そこで、まずは地方分権に絡めてお聞きします。
地方分権を進めなくてはならないと言いだして、既に20年以上経過したと思います。そもそもこの議論の始まりは、国と地方とは仕事の量は4:6なのに、税金の割合は反対に6:4なのはおかしい。だから、国からお金を出してもらいながら、地方が仕事をすることになる。結果、地方は国からお金をもらうためだけに、大変な手間と人件費を費やす事になってしまう。もうこんな無駄な国家的な浪費は無くしていこうじゃないか。集めた税金と仕事の量を一致させ、地方は自分でお金の使い道を決められるようにして、無駄なく本当に必要なことに使うことができるようにしようじゃないか。という崇高な理念と目標があったように思います。
20年前の平成7年、村山内閣のときに「地方分権推進法」が成立し、「地方分権推進委員会」が設置され、橋本内閣の3年間で5次にわたる勧告がだされ、平成11年小渕内閣において「地方分権一括法」が成立し、機関委任事務が廃止され、国と地方が対等な関係になり、必置規制も見直されるなど、政権が引き継がれながらも、この第1次分権改革によって「地方分権」は着実に動き始めたと思います。
そして平成18年、第1次安倍内閣のときに「地方分権改革推進法」が成立し、具体的な国から地方への権限移譲に向けた、第2次分権改革もスタートしました。福田内閣、麻生内閣、そして政権交代後の鳩山内閣に対して、4次にわたる「地方分権改革推進委員会勧告」が出され、菅内閣で第1次、第2次一括法が成立、いよいよ野田内閣において、移譲対象出先機関である、経済産業局、地方整備局、地方環境事務所の移譲手続きを定めた法案が閣議決定されました。ここまでは着実に進んでいたと思います。
しかし、解散総選挙後の第2次安倍内閣において「権限移譲等の見直し方針」が出され、この出先機関移譲法案は国会に提出されず、闇に葬られました。
わき道にそれますが、6月23日に国交省中国地方整備局長が来庁され村岡知事に、「国の直轄事業費が174億8000万になる」と伝えられた。と、報道されました。国の直轄事業負担金そのもの自体に釈然としない思いもありますが、それはさておき、この国の出先機関移譲のどんでん返しについて村岡知事のご感想・ご所見をお聞かせください。

部長答弁

 お尋ねの「法律案」につきましては、東日本大震災を踏まえ、災害時における危機管理体制への懸念があることや、特定広域連合が担う地域と、引き続き国が担う地域が混在することへの十分な検証が必要であることなど、地方公共団体からも様々な意見が出されたことから、国会への提出を見送られることとなったものと受け止めております。
その後は、地方公共団体への事務・権限の移譲等を中心に昨年「第4次地方分権一括法」が成立し、そして現在「地方創生関連3法案」の一つとして「第5次地方分権一括法」が6月19日に成立したという状況なのはご案内のとおりです。
そこで何点かお聞きします。
地方分権に向けては、昨年から委員会勧告方式から提案募集方式に変わりましたが、今回の「第5次地方分権」に当たっては、全国から866件の提案があったそうですが、山口県として何を提案し、それについての結果をお示しください。また、27年度における提案はどのようなものを考えているのかもお示しください。

部長答弁

 昨年度は、本県から、放課後児童クラブの補助要件の緩和や、農家レストランの農用地区域内での設置など、5項目を提案し、そのうち3項目が国の「対応方針」に盛り込まれました。

 また、本年度は、地域振興各法における計画策定手続きの簡素化や、林業関係資金に係る貸付事業計画承認制度等の見直しなど4項目について、提案をおこなっております。


私は、この分権改革が委員会勧告方式から提案募集方式に変わったということ、地方の声を反映するという意味では良い制度だと思いますが、見方を変えれば、国の方が「もう分権改革はネタ切れ」になって行き詰ったので、苦肉の策での地方からの提案募集ではないかとも思います。現実に地方分権の流れが、行き詰っているように見えて仕方ありません。
現在の状況が地方分権社会だと言えるはずがありません。逆に政府が地方交付税で自治体を操る状況など、中央集権が強くなりつつある社会にも見えます。いずれにしろ、今後の分権改革はまだまだ必要であることは誰もが認めるところだと思います。そこで知事の考える今後の地方分権の進むべき姿、その方向性についてお考えを披歴していただきたいと思います。

知事答弁

 地方創生を実効あるものとし、確かな成果に結び付けていくためには、地方が自主性・独自性を最大限発揮し、地域の実情と課題に応じた対策を推進していく必要があり、地方分権改革は、地方創生を実現するための基盤として、その重要性が今後ますます高まっていくものと考えています。

 先般成立した「第5次地方分権一括法」は、新たな手法として導入された提案募集方式により、本県を含む地方の提案に基づいて実現し、長年の懸案であった農地転用許可権限の移譲等を内容としており、地方分権改革を新しいステージへと押し上げるものであると評価しています。

 私は、今後の地方分権に向けては、地方が自らの発想と創意工夫により、地方創生を着実に進めていけるよう、地方でできることは地方でという地方分権の本旨に基づき、どこまでも国から地方への権限移譲の拡大と地方での安定的な財源の確保を一体的に実現することが重要であると考えています。

 そのために、地方としては、提案募集方式を活かし、自らの発意による権限移譲や規制緩和を積極的に国へ求めるとともに、国においては、地方の提案を真摯に受け止め、その実現に向けて取り組んでいただきたいと考えています。また、財源の面では、移譲された事務・権限の円滑な執行はもとより、将来にわたる地方の安定的な財政運営に向けて、国に対し、地方の一般財源総額の確保や、税源の偏在が少なく、税収が安定した地方税体系の構築などの抜本的な改革を進めるよう、全国知事会を通じて働きかけてまいります。
関連して、先日の「経済財政諮問会議」で出された「地方交付税改革」についてお聞きします。新聞報道によりますと、来年度から、「地方交付税の算定方法を見直して、行政の効率化による財政支出の無駄の削減度合いを地方交付税に反映させる仕組みにして、自治体に仕事の効率化を促す」としています。これはとんでもない話だと思います。国の歳出を抑えるために、国の手のひらの上で自治体同士にコスト削減競争をさせるということであり、これでは国と地方が対等であるわけありません。知事はこの「交付税改革」についてどのようにお考えでしょうか。

部長

 国の経済財政諮問会議で、地方交付税の単位費用を低コスト団体に合わせる仕組みの導入等が議論されたことから、県では、条件不利地域等の構造的な行政コスト高を的確に反映する現行の算定を堅持するよう、先般、国に求めたところです。

 先月末に閣議決定された、「骨太の方針2015」では、「歳出効率化に向けた取組により、先進的な自治体が達成した経費水準の内容を、2020年度までに地方交付税の単位費用の積算に反映し、自治体全体の取組を加速する」とされ、国の財政改革と同一歩調で、地方交付税制度の改革に取り組む。とされております。

 県としては、条件不利地域の行政コスト差等を考慮しない単純なコスト比較を基に地方歳出が削減されるようなことがなく、地方交付税の財源保障機能が引き続き適切に発揮されるよう、今後の具体的な制度設計を注視しながら、国に対し必要な要請をおこなってまいります。


合わせて来年度からの「地方創生の新型交付金制度」です。これも各自治体の策定する「地方版総合戦略」の中身を国が精査して、交付額を決めるということですから、これも「地方分権」の理念とは逆の方向であり、地方創生の名の下の「中央集権」そのものだと思います。本県としてこの「新型交付金」についてどのように理解し、国に対してどう意見反映させていくおつもりなのか、お聞かせください。

部長答弁

 新たな交付金は、従来の使途を狭く縛る補助金や効果の検証を伴わない一括交付金と異なり、地方自らが、施策効果を重視し、自主性・主体性を持って進める取り組みに対し、財政的支援を行うものとされており、県としても、地域の実情に即した取組を進めるためには、地方の創意工夫を最大限に活かせる自由度の高い交付金にしていく必要があると考えています。

 こうした考えを新たな制度に反映していくため、国に対し、全国知事会等を通じて要望するとともに、県単独でも政府要望も行ってきたところであり、引き続き、地方の主体性が発揮できる制度設計と、十分な財源の確保について働きかけを行ってまいります。


 次に、地方創生法はその第1条に「人口の減少に歯止めをかけるとともに、東京圏への人口の過度の集中を是正し」云々と規定していますが、これは日本創成会議の「人口減少」「消滅自治体」論と認識を同じくしています。また、「骨太の方針」において「50年後も人口1億人」の目標を設定しています。
しかし、総人口が増え続ける中で、地方自治体の多くは逆に人口減少に直面してきました。その原因の多くは国の産業政策・国土計画に起因するものが多く、個々の自治体の政策の失敗によるものとは言えません。
高度経済成長のさなかに地方から都市へと走った集団就職列車は有名だが、その裏には農業の機械化、化学肥料の普及と言った省力化に伴う労働力余剰という問題があった。自治体政策の枠を超える大きな変化の力が働いていました。
1970年の「過疎地域対策緊急措置法」以降、1988年の「ふるさと創生事業」など過疎対策、人口減少対策、地域活性化対策に地方は取り組んできた。それでもなお、東京一極集中、地方衰退が進行してきた、何故そうだったのか、これまで政府が進めてきた政策に対する検証が不可欠で、過去の政策への検証、反省がない限り、今回の地方創生も失敗に終わる可能性もある。従って県としてこれまでの地域づくりへの検証をどのようにやってこられたのか。あるいはこれからの地方創生総合戦略づくりの中でやられようとしているのかお考えをお聞かせください。特に「平成の大合併」のメリット・デメリットの検証は県及び市町の現状と課題があぶり出せるだけにやり遂げるべきと思いますが御所見を伺います。

部長答弁

 県の総合戦略については、チャレンジプランに即し、現在策定を進めているものであり、これまでの取組の検証については、チャレンジプランを策定する中で、人口減少や少子高齢化の現状や今後の動向などを見通した上で、農林水産業での深刻な担い手不足、中山間地域の活力低下など、県政各分野における問題や課題を明らかにしてきたところです。

 また、お示しの平成の大合併につきましては、平成24年度に、合併市町村からのヒヤリングや現地調査等を通じて具体的な検証を行い、市町の行財政基盤の強化や広域的なまちづくりの進展などの効果とともに、地域の意見を反映した行政運営のあり方などの課題等について明らかにしてきたところです。


山口県人口ビジョン中間報告(案)を拝見すると、2030年に希望出生率(1.9)を達成し、2040年に人口置換水準の出生率(2.07)を達成すれば2060年に約96万人になるそうだが、国は希望出生率を1.8とみているが、敢えて県は1.9とした根拠なり理由をご説明していただきたい。

部長

 希望出生率は、若い世代の結婚や出産の希望が実現した場合の合計特殊出生率であり、国の長期ビジョンでは、全国調査である「出生動向基本調査」での、夫婦の予定子ども数や未婚の女性の結婚希望割合、未婚女性の理想子ども数などから算出され、希望出生率を1.8と設定されています。

 一方、山口県人口ビジョン中間報告で参考としてお示しした本県の希望出生率については、県内で実施した「子育て支援・少子化対策に関する県民意識調査」の結果を、国と同様の算出方法により計算し、1.9としたものです。
安倍政権は「成長戦略の中核」に女性の活躍をうたい、「ストップ少子化・地方元気戦略」にも組み込んで「2020年までに、*指導的地位に占める女性の割合を少なくとも30%程度に。*25~44歳の女性就業率を73%に。(2012年=68%)」にするという目標を掲げ、「女性の輝く社会をつくる。これは私の大いなる挑戦だ」と首相自身が語っています。
企業や自治体における役員や管理職への女性の登用はおおいに必要な課題であります。そこで。この間の男女共同参画の取組の中で具体的に民間での女性登用や県庁における女性管理職の登用率は、改善されているのでしょうか、どのような推移なのかお示しください。

部長

 民間では、県の雇用管理実態調査によれば、指導的地位である課長相当職以上の女性の割合は、平成26年6月末現在で13.2%となっており、3年前の前回調査から2.7ポイント向上しています。

 また、教育委員会、警察本部を含む県の課長級以上の女性職員の割合は、平成27年4月1日現在で6.3%となっており、3年前と比較して2.5ポイント向上しています。


その一方で働く女性のうち6割弱の人たちがパート、契約、派遣、アルバイトなど非正規雇用で働いておられます。雇用労働者のうち非正規雇用は全体で約2043万人、38.2%であり、女性だけで見ると57.5%にも上っています。この不安定な働き方の改善なくして、女性が輝くことはできないのは自明の理だと思います。
しかし、安倍政権は不安定雇用を常態化する「労働者派遣法」改悪案を衆議院で通過させるなど欺瞞に満ちています。先の出生率1.8人をOECD諸国の半数近くは実現しています。特に、「子供を産める社会の実現」に成功し、10数年程度で一気に出生率が2.01人にまで上昇し、世界中で驚かれたのがフランスです。フランス以外の先進国では、特に北欧各国が出生率をあげるのに成功しています。そのひとつ「デンマーク」も、わずか12年間で出生率が1.37人から1.82人にまで上昇しています。
「誰もが安心し、心豊かに暮らしていける。共生社会をめざしている北欧型の国では出生率が高く。」「頑張った人は豊かに暮らせるが格差社会のアメリカ型を目指す国は出生率が低い。」という事実です。勿論、北欧型は「高負担・高福祉」ですが国民の納得・合意の上での政策実行が行われています。
言いたいことは、「育児環境の整備」にプラスして「男女の仕事保障」がなければ出生率はあがらない。ということです。
そこで、今回の「人口ビジョン」における推計は将来的にも減少することが避けられない状況を示していますが、「山口県版総合戦略」の中で少しでも人口減少を食い止めるため、どのような効果的な施策を取り入れるおつもりか、村岡知事のご所見をお伺いします。

部長答弁

 人口減少の主な要因である人口流出と少子化の流れを変えていく必要があり、現在策定中の総合戦略では、社会減、自然減の両面から効果的な施策を展開していくこととしている。

 「社会減の流れ」を変えていくためには、産業を振興し、新たな雇用の創出により、若い世代の県内定着を促進することが重要でありますことから、本県の強みを活かした産業力や観光力の強化に加え、全国初の女性創業応援会社による女性の創業支援や、日本一の給付金制度による農林水産業の担い手支援などの、先駆的な施策も進めていくこととしています。 また、「少子化の流れ」をかえていくためには、若い世代の結婚、妊娠・出産、子育ての希望を実現していく必要があることから、多子世帯の負担軽減等の子育て支援をはじめ、「やまぐち結婚応援センター」の設置や、全国トップクラスの不妊治療への支援などにも取り組んでまいります。

2点目は、公契約条例の制定についてお伺いいたします。

公契約条例は、今年4月1日現在で、4県、11市、4区で制定されています。
公契約による仕事の代金は税金から支払われます。そこで働く人が、貧困であったり、県民・市民・町民の安全が守れないような公の契約は改善されなければなりません。
公契約法の制定については、平成18年2月定例会で「公共工事における建設労働者の適正な労働条件の確保を求める意見書」が可決されていますし、これまで何人もの議員の方が公契約条例を制定すべきではないかと質問されています。
去年の3月定例会での、ご答弁は、「本県におきましては、労働者の賃金の低下や品質の確保が懸念されるケースに対応できるよう、公共工事や業務委託全般について、低入札価格調査制度等を活用し、取り組んできたところです。特に、平成25年1月からは、印刷物について最低制限価格制度を導入し、対象となる契約を全国的にも低い水準に設定するとともに、公共工事における調査基準価格を平成17年1月以降数回にわたり引き上げるなど、所要の見直しを行っています。
公契約の適正化については、今後とも取り組みを一層進める必要があると考えており、新年度から、公共工事における調査基準価格をさらに引き上げることを検討しています。
なお、お示しの契約基本条例や公契約条例については、引き続き情報収集に努めてまいります」と答弁されています。
また、建設産業は過度な価格競争等を背景として、就業労働者数の減少、とりわけ、若年労働者数の大幅な減少など、依然厳しい環境下にあります。こうしたなか県におかれては、県民の安心・安全の確保を図るためにも、建設産業が果たす役割を十分に発揮していけるよう、やまぐち産業戦略推進計画や未来開拓チャレンジプランに「将来的にも地域を支え得る足腰の強い建設産業の構築」を掲げ、入札契約制度の改革などの施策を積極的に推進されているところであります。
さらに、「山口県まち・ひと・しごと創生総合戦略」の策定という絶好の機会到来、まさに機は熟しているのではないでしょうか。
そこで、【労働条項規定型―賃金条項有】の日本一の公契約条例を制定するご英断を村岡知事におかれましてはされてはいかがでしょうか。ご所見を伺います。

局長答弁

 賃金条項のある公契約条例は、自治体が発注する公共工事や委託事業等に関し、最低賃金法によって定められた最低賃金を上回る基準額を自治体独自で定め、契約の相手方に対し、その基準額を上回る賃金の支払いを義務付けるものです。現在、4県において、適正な労働条件の確保などを目的とした公契約条例が制定されていますが、独自の基準額を定めた賃金条項はありません。

 賃金条項につきましては、同一企業内の同一職種において、公契約に従事する者としない者との間に、賃金格差が生じることや、様々な職種、経験年数、年齢に応じた基準額を自治体が独自でどのように設定するのかなど、多くの課題が指摘されています。

 こうした課題は、制度の根幹にかかわる全国共通の課題であり、労働関係法制を所管する国において、検討されるべきものと考えています。現在、国においては、公契約について、調査・検討がなされており、県としましては、引き続き、国の動向を注視するとともに、他の自治体での導入事例や検討状況など、情報収集に努めてまいります。

最後に、上関原発問題についてお伺いいたします。

国は、「世界一厳しい安全基準」を定め、それをクリアした原発のみ、再稼働を認めると言ってきた。しかし、原子力規制委員会が2013年7月8日に定めた新規制基準が「世界一厳しい安全基準」でないことは、すでに多くの報道を通じて明らかになっています。
福島原発事故という深刻な事故を経験した日本であるから、新規制基準にはヨーロッパの最新型原子炉のようにコア・キャッチャーと二重の格納容器を盛り込むべきは当然であります。ところが新規制基準にはコア・キャッチャーも二重の格納容器も要求されていない。福島原発事故の被災民を顧みない暴挙であるが、新規制基準が「世界一厳しい安全基準」でないことは明らかです。
にもかかわらず、国は、「新規制基準は世界一厳しい安全基準であるから、それを満たした原発は安全であり、再稼働してよい」という見解を繰り返している。
他方で、原子力規制委員会の田中俊一委員長は、「新規制基準を満たしたからといって安全とは限らない」と言明しています。政府と原子力規制委員会は、安全性についての判断の主体を押し付け合っているだけ、いいかえれば、お互いに責任逃れをしているだけであります。
ところが2月定例会でのわが会派の佐々木代表の質問に対する答弁では「その後、事業者から延長申請があり、事業者からは、上関原発を位置づける重要電源開発地点の指定について、現時点に至るまで何ら変更はないとの主張がなされ、また、原子炉等施設の安全性は原子力規制委員会で審査されることが明確になっているなど、状況は変化しています。埋立免許権者である県としては、先ほど申し上げた法的整理にもあるように、実際の申請があれば、改めてその時点で正当な事由があるかどうか審査しなければならないことから、現在、公有水面埋立法に基づき、適正に審査しているところです。」と、訳の分からない答弁になっています。
中電が出している原子炉設置許可申請は福島原発事故以前の申請で、こんなものを原子力規制委員会が、わざわざ審査する筈がないのは子供でも分かることで、先ほども言ったように、そもそも「安全性」については国と委員会は責任逃れをし合っているだけなのですから、話にならない事業者の言い訳に、なぜ毅然として馬鹿にするな。とおっしゃらないのか。先ずこの点について分かり易く説明していただきたい。

部長答弁

 事業者の言い訳に、なぜ毅然として対応しないのか、とのご指摘ですが、埋立免許権者である県は、中国電力の埋立免許延長申請に対し、重要電源開発地点に指定された上関原発の国のエネルギー政策上の位置づけが変わらないことについて、補足説明を求めてきたところです。これに対し、中国電力からは、2月議会の答弁でお示ししたとおり、上関原発を位置づける重要電源開発地点の指定について、現時点に至るまで何ら変更はない。との主張がなされており、さらに、今年5月の回答においても、新たな主張がなされています。

 県としては、いずれも、一定の説明がなされていると受け止めております。


次に、「公有水面埋立法」にもとづき、適正に審査している。となにかにつけおっしゃいますが、埋立免許基準(4条3項)・・・知事は、埋立施行区域内の公有水面に関し権利を有する者(以下「水面権者」という)が居る場合には、次の各号の一つに該当する場合でなければ埋立免許を為すことができない。となっており、たしかに一号の水面権者の同意がなくとも4条3項2号または3号に基づいて知事が埋立免許を為すことは可能であるが、埋立免許取得者は、6条ないし8条の規定により水面権者に補償するか、水面権者の着工同意を得るか、または免許権者の裁定した補償金を供託しない限りは着工できないため、4条3項2号または3号は実質的に適用不能な規定である。つまり埋立法に定められた手続きは「水面権者の埋立同意埋立免許水面権者への補償着工竣功認可」です。
そこで、問題にしたいのは、祝島の漁民のみなさんが補償金をびた一文たりとも受け取っていないという事実であります。県としては、それは事業者の責任において解決すべきものであるとの立場ですが、あらためて、祝島漁民の皆さんの許可漁業・自由漁業に対する補償も含めこの漁業補償問題について、県としてのご見解をお伺いしたい。

部長答弁

 平成12年、祝島を含む光・熊毛地区の旧8漁協で構成する共第107号共同漁業権管理委員会が中国電力と漁業補償契約の締結をし、これに対して、祝島の漁業者等から契約の無効確認訴訟が提起されたところです。

 当該訴訟において、埋立同意を含む補償契約は有効であり、許可漁業・自由漁業に関しても、諸迷惑の受忍義務がある旨、最高裁において判断されておりますことから、県としては、その判決を尊重すべきと考えております。

 また、漁業補償金の配分が未だなされていないことに関しましては、山口県漁協内部の問題でありますことから、県としての見解を述べる立場にはございません。

(再質問)高裁も最高裁も、許可漁業、自由漁業について財産権だということを否定してない。

 憲法29条では、財産権は侵してはならない(1項)。財産権を収用するには正当な補償が必要(第3項)。と定めてあります。

 問題は、祝島漁民が補償金を受け取っておらず補償契約は完結していないのです。

水産庁通達では、漁協が補償契約を締結するうえでは、関係漁民全員からの委任状を取得する必要があるが、全員からの委任状は原則であって実際には数名の漁民からの委任状が取れていないからとして契約が交わせない訳ではないと、このことを利用して祝島漁協が同意をしなかったけれども補償契約は有効である。という裁判だった。

ところが福島地裁会津支部の昭和50年10月29日の判決があり、この判決に基づけば、漁業補償金の配分を受領することは補償契約に同意をしたものと解することができる。逆に、漁業補償金の配分を関係漁民全員が受領しない限り、補償がなされたことにはならず、工事は違法になる。事業者が工事を適法に行うためには、補償金の配分を関係漁民全員が受領することを要するのだと。

つまりこのことから、漁業補償金が払われていないので事業者は工事に着手できない。これが公有水面埋立法の規定に書いてあるではないか。今までの答弁では、埋立法に基づき、基づきと、おっしゃっている訳ですから、埋立法に基づけば6条、8条の規定によって事業者に対しては工事の着手はできないではないかと、県は指導されるべきではないか。もともと公有水面埋立法は免許という言葉、工事の許可ではなくて、免許が使ってある。意味があって免許という言葉が使ってあるではないか。 

部長答弁

 公有水面埋立法で補償が規定されているけれども、満たされていないではないか、とのお尋ねですが、当該漁業補償問題につきましては、既に司法の判決が示されておりまして、県としてはこの判決を尊重すべきと考えております。

部長答弁

 許可漁業・自由漁業について財産権は否定しない、補償金を受け取るか同意するまで完結しない。ということでありますけれども、最高裁の判決によりますと、祝島支店に関する漁業権、埋立の外側ですね。沖合の漁業権、これが共第107号海域ですが、この漁業権は現在も存続しておりますが、最高裁の判断により、祝島の漁業者にも受忍の義務が生ずるということが確認されておりまして、漁業補償契約の有効性は確定していますので、漁業補償は完了していると受け止めています。

水産庁通達で全員の委任状云々ということの再質問でしたが、この通達は行政上望ましいとして示されたものと認識しています。なお、上関に係ります今回の契約についての司法の判断も、当該通達を踏まえたうえでなされたものであると理解いたしております。
最後に、祝島のみなさんが、せめて現地を見に来てくれ。との要請まで無視し続けておられるが、あまりにも冷たい仕打ちであります。
そこで、30数年もどんな思いで祝島の皆さんが反対してこられてきたのか、この際、一度、知事が祝島に行かれて、本当に素朴で優しい島民のみなさんと語り合われたらどうかと思いますが、知事のご所見を伺いたい。

知事答弁

 上関原発計画については、町内に様々な意見がある中で、上関町は、原発立地によるまちづくりを進めたいという政策選択をされています。私としては、これまでの県の立場と同様、町としての選択を尊重するという考え方で対応していますので、直接住民のみなさんからお話を聞くことは考えていません。

(再質問)祝島では自然エネルギー100%プロジェクトをたちあげていますし、島で生活するにあまりお金を使わなくとも生活できる。自然と共生の社会を築かれています。だから、原発問題に反対しているから行かれたらどうか、ということではなく、今まさに地方創生で祝島のような例を取り上げていくことが、島根県の海士町を安倍首相も国会で取り上げたようなことになるのではないか、という意味を込めて、行かれたらどうかと言っているつもりだが、再度お尋ねします。

知事答弁

 県政を進めていく上で、できるだけ多くの県民の皆様のご意見を聞くということで、これまでも「どこでもトーク」ということで、各地域で開催をしております。それは今後も続けていきたいと思っています。この「どこでもトーク」というのは、例えば下関地域とか周南地域とか、そういった単位で、それぞれの地域で頑張っておられる方々に集まっていただいてお話を聴くということでして、どういった方に来てもらうかということは、その開催の都度、適切に考えていきたいというふうに思っております。