イージス・アショアの配備諸問題について

6月1日、大野防衛大臣政務官が来県し、県知事・萩市長・阿武町長などに萩市の陸上自衛隊むつみ演習場をイージス・アショアの配備候補地としたこと、また、今後、公告を行った上で、夏以降に地質・測量調査や電波の調査を実施したい旨の説明があったようです。

同日、秋田県にも福田防衛大臣政務官が訪れ、イージス・アショアに関する説明が行われました。

まず、最初に糾弾せざるを得ないのは、山口県の情報開示の姿勢の欠如は今に始まったことではないが、今回でも問題だと思っています。

6月1日のその後の両県の情報開示には歴然たる差がみられます。

秋田県は、ホームページのトップに6月15日には早速、「防衛省によるイージス・アショアに関する説明について」をアップし、「防衛省からの説明資料」及び当日の秋田県知事発言などの「会議録」まで広く県民に開示・閲覧できるようにしているのに対し、本県の場合は県民に「知らせる」対応は特にされてはいない。

そこで、最初に、6月1日の知事などと防衛政務官とのやり取りの「会議録」などの開示を早急にすべきと思う訳でして、この件に関する全ての公文書の開示についてどうされるのか伺いますので先ずはお答えください。

総務部長答弁・・・

6月1日の防衛大臣政務官からの説明があった際の会議録等、全ての公文書の開示について、どうされるのかとのお尋ねです。

当日の会議録等については、既に作成のうえ、現在、防衛省側の発言について同省に確認を依頼しているところであり、確認ができ次第、本県ホームページに掲載することとしています。

さて、私も11月定例会、そして2月定例会でイージス・アショアの萩市むつみへの配備報道を受け、色々と質問しましたが、質問ははぐらかされ、答弁は「国からは正式な連絡を受けていない。」「県としては、国の専管事項である防衛政策を尊重し、協力していくという基本的な姿勢の基で、仮に県内が候補地となった場合には、国に対し、地域住民に不安を与えることのないよう、言うべきことはきちんと伝えるとともに、詳細かつ丁寧な説明を求めていきたい」といったもので議論になりませんでした。

しかし、6月1日には萩市の陸上自衛隊むつみ演習場をイージス・アショアの配備候補地としたこと等について県は防衛省から正式に説明を受け、6月8日に防衛大臣宛てに、「配備に係る適地調査の実施について」9項目の照会をし、15日に回答を得ています。さらに、17~19日の3日間で、各1時間半弱の住民説明会が、それも住民に開催案内周知の余裕もない慌ただしさの中で開催されました。

私も、むつみ会場の説明会に行ってみましたが、地元の住民の方の不安の声に対し、防衛省側から納得できる回答はかえってこずに、「けっして危険なものではないので、配備を前提としたボーリング地質調査・測量調査や電波の調査を実施したいので、ご理解を」と繰り返すのみで、住民のみなさんの不安が解消されたようには思えませんでした。

にもかかわらず、防衛省はむつみ演習場の測量調査を一般競争入札することを21日付けでホームページに公告しました。

この事に対し、「調査の開始に先立ち、国において住民の理解が得られるよう、詳細かつ丁寧な説明を行われるよう重ねて強く要請します」と文書で表明されている県として、断固抗議すべきですが、御所見を伺います。

総務部長答弁・・・

防衛省がむつみ演習場の測量調査等の一般競争入札を公告したことに対し、県として断固抗議すべきとのお尋ねです。

このたびの防衛省による入札行為公告は、あくまでも調査の実施に向けた準備行為の一つであり、県として、抗議する考えはありません。

さらに、イージス・アショアの配備には、「適地調査の実施について」で照会された電磁波やジオサイト保全などについて多くの懸念があります。これらへの影響を評価検証する専門的知見を持たれた専門家による第三者委員会を設けるべきだと思いますがご所見を伺います。

総務部長答弁・・・

専門家による第三者委員会の設置についてです。

調査の実施にあたっては、国の責任において、住民の理解が得られるよう、詳細かつ丁寧な説明を求めているところでありますが、お示しの第三者委員会の設置を含め、地元への説明に資する対応として、どのような対応をとるのかは、調査主体である国において判断されるものと考えております。

(むつみ演習場、現地にも行ってみました。この場所は萩阿武火山群の真上で、2012豪雨のときに時間雨量100mmを記録した場所だそうで、こんなところをコンクリートで台地を固められたら、同じ雨が降ったら麓はとんでもないことになる。と実感したことを申し上げ、1回目の質問を終わります。)