上関原発(住民訴訟における県知事の主張)

平成30年(行コ)第13号 損害賠償等請求控訴事件(住民訴訟)の令和元年8月19日付け控訴人第4準備書面において、上関原発は不新設原則に含まれないという、上関原発は新設では無いとも受け止められる知事の主張がされています。このことについて、回りくどい言い方でなく分かりやすく説明してください。

土木建築部長答弁

住民訴訟において、上関原発は新設ではないとも受け止められる知事の主張がされているが、分かりやすく説明せよとのお尋ねです。

県としては、お示しの準備書面において、上関原発は、一審の原告である被控訴人が主張する、原発の新設・増設は行わないという「不新設原則」には当てはまらないとの主張をしたものであり、新設ではないとの主張をしたものではありません。


上関原発(海上ボーリング調査)

延長期間については、海上ボーリング調査の所要期間6月、埋立工事の所要期間3年の計3年6月の延長を妥当と判断した。としています。つまり竣功期限は令和元年7月6日から令和5年1月6日までで、もうすでに3か月が経過しようというのに、いまだ海上ボーリング調査のための一般海域の占用許可手続きがされていないことについて、違和感を覚えますが、この点についてどのように考えているのか、お聞きしたいと思います。

次に、中国電力への要請について、法的に根拠がないのでお願いの形をとった。としていますが、公有水面埋立法の許可権者は都道府県知事で、許可、不許可の権限を有しています。これを安倍政権に忖度して巧妙にスルーしたのが今回も前回同様の延長許可処分であり中国電力への要請だと多くの県民は思っています。そこで、お尋ねは、仮に一般海域占用許可申請が出されたとしても、これを認めないことにすれば、中電への要請の法的担保になりえますが、お考えをお聞かせください。

土木建築部長答弁

 竣功期限まで3か月が経過したが、未だ海上ボーリング調査のための一般海域の占用許可手続がされていないことについて、どう考えているのかとのお尋ねです。

 竣功期限に向けて、どのように対応するかは、事業者において判断されるべきものと考えています。

    次に、一般海域占用許可申請を認めないことが、中国電力への要請の法的担保になるのではないかとのお尋ねです。

 許認可等の行政処分は、条例を含む法令の基準に沿って判断するものであり、法令に基づかない不許可処分等は行うことはできません。


上関原発(二井元知事の指摘)再質問

上関原発の発端は、「平成13年4月23日の山口県知事意見書提出により同年6月11日に国の電源開発基本計画に組み入れられ、現在は、重要電源開発地点として指定されていることから、国や県の計画とも整合している。」と、中電が「公有水面埋立願書に、埋立理由」として使い、二井元知事が「埋立許可理由」は、「平成13年に電源開発基本計画組み入れで土地利用が確定しているため」、としたこと。

この経緯があり、二井元知事は「福島原発事故前の手続きをもって、土地需要があるというのは無理な法解釈だ」と指摘。

これを踏まえた再回答を。

土木建築部長答弁

 この度の延長申請については、「上関原発に係る重要電源開発地点指定は引き続き有効であり、事情の変化がない限り、解除することは考えていない」との見解が、今回、改めて国から明確に示されました。

 この国の見解は、上関原発の国のエネルギー政策上の位置付けが当初免許時と変わることなく存続し、今後も存続する見通しである、すなわち、実際に土地需要があることを示す具体的な根拠となるものです。

 県としては、期間延長に正当な事由が認められたことから、延長を許可したものです。

 質問に対して、まともに答弁しない。

 


上関原発(二井元知事の指摘)

2008年10月22日に、当時の二井知事は公有水面埋立免許願書を免許するにあたり記者会見で、「安全性等の問題については、6分野21項目の知事意見に対する国の対応をしっかりチェックしていくことにより、責任を果たしていきたいと考えている」「埋立許可理由は、国の電源開発基本計画組み入れで、土地利用計画が確定している」ために免許することにした。と述べています。

ところが、福島第一原発事故が起こり、2011年6月県議会の代表質問に対する二井知事答弁、さらに2012年6月県議会における佐々木明美議員の質問に対して「公有水面埋立法上の要件である正当な事由がなく、延長の許可はできないと考えております。」との答弁があり、二井元知事は、この7月26日の免許延長許可に対して「福島第一原発事故前の手続きをもって、土地需要があるというのは無理な法解釈だ」と指摘されています。

この二井元知事の「免許延長すべきでなかった」との指摘について、説明責任を果たされるべきですが、どのようにされるのかお聞かせください。

土木建築部長答弁

 二井元知事の「免許延長すべきでなかった」との指摘について、説明責任を果たすべきとのお尋ねです。

 この度の延長申請については、上関原発の重要電源開発地点の指定が引き続き有効であることが、今回、改めて国から明確に示されたことから、土地需要があると判断し、延長を許可したものです。


原発ゼロ基本法案

原発は、一度過酷事故が起こると手の施しようがなく、仮に事故が起きなくとも、放射性廃棄物を排出し、10万年という途方もない年月の間、管理しなくてはなりません。福島第一原発事故後の実態を見れば、原発なしでも電力供給にまったく問題はありませんでした。

このような中、社民党を含む野党4党は、2018年3月、原発ゼロ基本法案を共同で衆議院に提出しました。その内容は、全ての原子力発電所を速やかに停止し、法施行後5年以内に全ての原発の廃炉を決定すること、原子力発電から再生可能エネルギーへの導入や省エネルギーの徹底にシフトすることなどを柱とした法案です。

政府の原子力政策の行き詰まりは明らかであり、私は、原発事故原因の徹底した究明と事故の収束を優先させながら、実効性ある防災・避難計画を策定するとともに、既存原発の再稼働を断念して、核燃料サイクル計画から全面撤退し、再生可能エネルギーの導入を促進するため、国が政策の抜本的な見直しを行うことにより、原発ゼロ社会に転換しなければならないと考えます。

そこで、お尋ねいたします。

2018年3月に、野党4党が共同で国会に原発ゼロ基本法案を提出しましたが、残念ながら与党はこれまで一度も法案の審議に応じず、議論すら行われていません。今日の原発をめぐる状況に鑑み、原発ゼロ基本法案について、また、国のエネルギー政策の方向について、県の御所見をお聞かせください。

商工労働部理事答弁

 原発ゼロ基本法案及び国のエネルギー政策の方向についてのお尋ねにお答えします。

 エネルギーは、国民生活の安定向上並びに国民経済の維持・発展に欠くことのできないものであり、エネルギー政策は国家運営の基本です。

 したがって、原子力など様々なエネルギーをどう利用するかについては、エネルギー政策の基本的視点である、安全性、安定供給、経済効率性及び環境適合を踏まえ、国の責任において判断されるべきものと考えています。

また、お示しの原発ゼロ基本法案については、審議の進め方も含め、国会の場において判断されるべきものと考えています。

コメント…原発ゼロ基本法案への答弁、納得いきません。

 福島原発事故は、地震や津波の被害と原発の放射能の被害が複合、増幅し合い、救援と事故処理、そして住民避難がともに困難をきわめる原発震災となりました。原発事故から8年余を経た今も、原発事故の原因は十分に解明されず、汚染水や汚染土の処分問題などが深刻さを増し、事故の収束すらおぼつかない状況であります。

 しかも、原発事故の処理にかかわる費用は、賠償、除染、廃炉費用などで政府の試算の見直しが行われ、現在は約22兆円とされている一方、非営利の民間研究機関である日本経済研究センターの試算では、最大で81兆円を見込んでいます。

 原発の電力は安いというのは全くの虚構であり、いずれにせよ、これらの費用は全て税金か電気代に転嫁されるのでありますから、県民生活にも影響する問題だ。