2026年9月16日一般質問
3、障がい者への合理的配慮について
障害者差別解消法は2024年4月1日の改正法の施行により、企業・店舗・団体などすべての民間事業者に対し、障がい者から申し出があった場合、「過重な負担でない範囲」で合理的配慮を提供することが義務になりました。
2025年4月から、国の相談窓口「つなぐ窓口」が本格運用され、自治体・省庁の相談窓口へスムーズにつなぐ仕組みが整備されており、施行前後で相談が急増し、その後は緩やかに減少という傾向が確認されています。
相談の約8割は障害当事者からで、相談が多い分野は行政、医療・福祉、教育・学習支援(特に発達障害)」が中心のようです。
合理的配慮は「障がい者の申し出」と「事業者の対応可能性」をすり合わせるプロセスが重要だと強調されていますが、多くの民間事業者が「合理的配慮とは何か」を充分に理解していないことが、 2025年の民間の調査で事業者の認知度は4割未満という調査結果があるなど、周知不足が大きな課題とされています。
山口県の場合、「障害のある人もない人も共に暮らしやすい山口県づくり条例(令和4年10月施行)」を制定。県職員向けの対応要領も制定(県立学校・県警察は別途要領)されており、行政内部の「不当な差別的取扱いの禁止」「合理的配慮の提供」がルール化されています。また、相談体制も1次受付は「各市町の相談窓口」、2次受付は県(市町で解決困難な案件)、国の「つなぐ窓口」とも連携可能な体制が整備されているようです。さらに、「山口県障害のある人もない人も共に暮らしやすい社会づくり推進会議」も設置され、県民運動として展開している「あいサポート運動」と連携し、県民に「ちょっとした手助けや配慮」を広げる取り組みも展開されています。
いわば、本県では、障害者差別解消法および県条例に基づき、相談窓口の設置や普及啓発が進められている。しかし、市町によって相談体制や対応の質に差があることや、合理的配慮の提供において地域間格差が生じているのではと思われる。
そこで伺います。
- 県として、市町の相談窓口の設置状況、相談件数・対応状況をどのように把握しているのか。
- 市町の相談体制の格差を是正するため、相談記録様式や相談対応フローなど、県として“標準モデル”を提示し、市町の負担軽減を図る考えはないか。
- 市町の相談体制の底上げを図るため、県として「合理的配慮先進モデル地域」を指定し、相談窓口強化や事業者支援を集中的に行う考えはないか。
- モデル地域で得られた成果を県全体に展開する仕組みを構築する考えはないか。
- 事業者からは「合理的配慮の内容が分からない」という声が多い。 事業者向けに業種別ミニガイドの作成や説明会開催を支援する考えはないか。
- 教育・医療・福祉など、相談が集中する分野ごとにワーキングを設置し、ガイドライン整備や研修を強化する考えはないか。
- 学校・医療機関に対する研修を年1回以上実施する体制を構築すべきではないか。その際、当事者参画を制度化し、施策立案の段階から当事者の意見を反映する仕組みを強化すべき考えはないか。
以上7点について、お聞かせください。
県知事答弁・・・
中嶋議員の御質問のうち、私からは、障がい者への合理的配慮に関して、研修体制の構築と当事者参画についてのお尋ねにお答えします。
私は、誰もが障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会を実現していくことが重要と考えています。
このため、県では、行政機関や学識経験者のほか、障害のある方やその家族、関係団体等で構成する障害者施策推進協議会等において、御意見をいただきながら、多様な障害の特性を理解し、必要な配慮を実践する「あいサポート運動」など、各種施策を総合的かつ計画的に推進しているところです。
中でも、「あいサポート運動」の一環として実施している「あいサポーター研修」は、障害の特性や合理的配慮等を学び、障害に対する社会全体での理解促進につながるものであり、県民や、学校・医療機関をはじめとする企業・団体を対象に、年間を通じ、幅広く実施しているところです。
また、この研修については、障害のある方に、講師として自らの体験談を語っていただくなど、当事者にも参画いただきながら、進めています。
私は、今後とも、障害への理解を深め、障害のある人とない人が支え合いながら、共に暮らすことのできる共生社会の実現に向けて、取り組んでまいります。
部長答弁…
障がい者への合理的配慮についての6点のお尋ねにお答えします。
まず、市町の相談窓口の設置状況、相談件数・対応状況の把握についてです。
相談窓口の設置状況については、各市町への照会により、また、相談件数及び対応状況については、国が実施する調査の結果と各市町への照会により把握しています。
次に、相談記録様式や相談対応フローなどの標準モデルの提示についてです。
国は、相談記録様式や相談対応フローを含めて、標準モデルとして相談対応マニュアルを示しており、また、県においても、1次受付窓口である市町と2次受付窓口である県との役割分担を記載した相談対応フローを作成しており、市町の負担軽減が図られているものと考えています。
次に、「合理的配慮先進モデル地域」の指定と、モデル地域で得られた成果を県全体に展開する仕組みの構築について、まとめてお答えします。
1次受付窓口である市町での解決が困難な場合には、県の相談窓口で対応し、その内容は、必要に応じて、市町へ横展開することとしています。
また、各市町において相談対応した事例のうち、他の市町で参考となる内容についても、県において相談事例集として取りまとめた上で、市町との共有を図っています。
このため、県として、モデル地域を指定することは考えていません。
次に、合理的配慮に関する事業者向け業種別ミニガイドの作成や説明会開催についてです。
県では、障害のある人に必要とされる合理的配慮の提供等について、事業分野別に具体例を紹介した事例集や、事業者向けの説明動画を作成し、県ホームページ等で周知するとともに、障害の特性や必要な配慮を学ぶ「あいサポーター研修」を幅広く実施するなど、事業者支援を行っています。
次に、教育・医療・福祉など、相談が集中する分野ごとのワーキング設置、ガイドライン整備、研修の強化についてお答えします。
教育・医療・福祉などをはじめとした分野別のガイドラインについては、国において作成されており、また、県では、県民や企業・団体を対象に「あいサポーター研修」を実施していることから、ワーキングの設置は考えていません。

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