25年11月県議会
5、不登校児童生徒への支援について
文科省の誰一人取り残されない学びの保障に向けた不登校対策、COCOLOプランについて、令和5年6月定例会及び11月定例化でも質問しましたが、今回は視点を変えて、不登校児童生徒への支援について伺います。
決算特別委員会資料によると2023年度県内国公私立学校の不登校児童生徒数は、小学校1284名、中学校2286名、高等学校387名、合計3957名、特に中学校では出現率68.0と増加の一途をたどっています。
さて、学校では、学校保健安全法に基づいて、毎年六月までに定期健康診断を行っています。検査は、身体測定、視力、聴力、内科、歯科、眼科、耳鼻咽喉科など多岐に及んでいます。近年急増している不登校児童生徒の中には、この健康診断を受けていない子供がおそらく三分の一から半分近くではないかとの話を聞きました。
そこで、教育長に学校で行われる健康診断の果たす役割についてどのように認識されているのかお聞きした上で、県教委として子供たちの健康状況を知る上でも、市町立学校を含め、健康診断の実施状況を把握すべきと考えますが、お考えをお伺いします。
次に、本県の県立高等学校における不登校児童生徒の健康診断の実施状況はどうなのか。また、健康診断を受けることができなかった生徒やその保護者に対してどのような対応を行っているのかお聞かせください。
健康診断を受けていない子供が後日、医療機関で健康診断を受ける場合、自費になります。健康診断は保険適用外ですから費用がかかり、診断を受けない選択をせざるを得ない場合もあると思います。今後、医師会などと連携するなど、健康診断を受けていない子供に対して何らかの対応が必要と考えますが、教育長のお考えをお聞かせください。
次に、学習意欲のある不登校児童生徒への支援について伺います。
文科省の調査によると、不登校児童生徒のうち、教育支援センターやフリースクールなどの支援機関を利用しているのは4割程度となっています。つまり、一定数の子供は引き籠もった状況であることが推察できます。このような外出が困難な子供に対する学びの選択肢は多いほうがよいと考えます。
例えば、障がい者就労支援の一つの方法として、神奈川県では、令和4年度から外出が困難な障がい者を県職員(会計年度任用職員)として任用して、分身ロボットOriHimeを活用した遠隔操作により、「ともに生きる社会かながわ憲章」のPR業務などの事業が行われ、従事された職員の方は、OriHimeを通じて、家にいながらお客様と同じ時を共有でき、多くの方の笑顔に出会うことができます。この活動が、誰かにとって就労の新しい選択肢になれたら嬉しいです。と述べられています。
また、鳥取県教育委員会では、希望する公立学校に分身ロボットOriHimeを貸し出す「病気療養児の遠隔教育支援事業」を展開しています。
学校に通学することができない児童生徒にとって、OriHimeを使って参加することで学習意欲の向上が図られることが実証されています。これは病気や障がいのある生徒に限ったことではないと私は思います。
文科省の調査では、学校に戻りやすい対応として、友達からの声がけが2番目に多くなっています。OriHimeはタブレットとは違い、ロボットの動作や音声によって自分の意思を表現したり、周囲と交流することができます。このような特性を生かし、不登校児童生徒への授業参加に活用してみてはと考えます。もちろん導入に当たっては、本人や保護者、学校や教員の意見を十分聞く必要があると思いますが、教育長のお考えをお聞かせください。
真摯な答弁を期待しています。
副教育長答弁・・・不登校児童生徒への支援についての、数点のお尋ねにお答えします。
まず、学校で行われる健康診断の果たす役割の認識と、実施状況の把握についてです。
学校における健康診断は、児童生徒の健康状態を把握するとともに、学校における健康課題を明らかにして健康教育に役立てる役割があると認識しています。
また、その実施状況については、実施主体である学校において把握しており、市町教委や学校から相談があった場合には、県教委としても、指導・助言等を行っているところです。
次に、県立高校における不登校生徒の健康診断の実施状況と、健康診断を受けることができなかった生徒や、その保護者に対しての対応についてです。
県立高校の不登校生徒の健康診断についても、学校において、実施状況を把握するとともに、不登校生徒や、その保護者に対して、家庭訪問等により、生徒の健康状態を確認した上で、学校医等と相談し、学校医の診療所等で健康診断の受診を勧める対応を行っています。
次に、健康診断を受けていない子供が後日、医療機関で健康診断を受ける場合の対応についてです。
学校では、学校医等と相談し、学校医の診療所等で健康診断を自己負担なく受けることができる対応も行っているところです。
次に、分身ロボットOriHimeを活用した不登校児童生徒の授業参加についてです。
学校では、病気療養中や不登校の児童生徒に対する遠隔授業を実施する場合には、教材のやり取りや、互いに顔を合わせたオンライン授業が可能な、1人1台端末を活用することが一般的ですが、県立学校では、児童生徒の状況により、学校から要望があった場合には、県教委がOriHimeの貸し出しも行っているところです。
県教委といたしましては、不登校児童生徒の健康診断を受ける機会の確保や学習支援など、引き続き、不登校対策に取り組んでまいります。