原発に係る電源立地地域対策交付金について

25年11月県議会

6、原発に係る電源立地地域対策交付金について

上関町長の新たな地域振興策の要請を契機に浮上した使用済み核燃料中間貯蔵施設だが、実は、原発そのものが地域経済波及効果に劣る点については電源三法・電源立地交付金制度について審議された1974年5月17日の衆議院大蔵委員会で原発建設が着工できない事由を問われ、当時の資源エネルギー庁長官は、「第一に、環境保全の問題、原子力の安全の問題に対します地元住民の不安感が根強い。第二に、発電所が典型的な装置産業でして、ほかの産業と比べて雇用機会の増加等による地元の振興に対するメリットが非常に少ない.また、発電されました電気の大部分は地元には落ちませんで、遠隔の大都市等で消費されると言うことに対する地元の不満感といったものが大きな原因である。」と、答弁しています。

原発立地と地域経済・自治体財政に関する多くの論考があるが、共通しているのは、原発立地地域では建設業、宿泊業、飲食店、サービス業の就業者数が一時的に増えるが、農林水産業や製造業は減るという共通した特徴がある。例えば新潟県柏崎商工会議所の調査結果を精査すると原発関連の仕事に強く依存している企業の比率は4割には遠く及ばずせいぜい1割程度であると報告されている。

さらに、原発が立地すると人口が増えるという議論も、ことごとく否定されている。現に、上関町の人口減少も顕著である。

しかも、原発立地地域の代表格であった福島県の双葉町がフクシマ原発災害前に財政破綻を起こしていた。交付金による公共施設整備を重点的に行った結果、後に発生するランニングコスト(人件費、水道光熱費など)の負担増大で財政危機に陥っていたことに留意すべきである。

県と上関町に交付されている上関原発に係る電源立地地域対策交付金の原資は、電気料金に含まれており、この分の支払いは拒否することはできず、電源開発促進税として電力会社が徴収し、 1,000kwhにつき375円を国の一般会計に納入。国は、これを特別会計の電源開発促進勘定に繰り入れて電源立地地域へ交付金を交付する制度になっている。

現在、県と上関町には、電源立地地域対策交付金が、①上関原発が重要電源開発地点に指定されていることで、期間Cのステージで、原発の使用が開始された日の属する会計年度までの期間、毎会計年度の限度額8000万円が交付され続けることになっている。また、②令和5年度から使用済み燃料の貯蔵施設分が毎会計年度1億4千万円が知事が施設の設置同意をする年度まで交付され続ける事にもなっている。

そこで、①で、限度額8000万円を県が200万円、上関町が7800万円に分けて交付申請しているのは、何の根拠に基づくものか。伺います。

つぎに、上関原発は、海を埋め立てざるを得ない計画で、公有水面埋立の免許権者は県知事だから、次の埋立延長許可申請を認めなければ、おのずと原発の使用はあり得なくなるわけで、原発交付金の呪縛から逃れるためにも、庁内調整を図り、公有水面埋立の見直しの検討を始めるべきだが、見解を伺います。

さらに、②に関し、上関町町議会への決算報告書で、令和5年度、6年度の使用済み燃料の貯蔵施設分の交付金が交付されていることが明らかになっているが、これは、県と上関町に交付金を交付される性質のものだから、県は受け取る気はないと言えども、上関町への交付金を公開すべきである。伺います。

最後に、1974年の創設当時の電源三法交付金の使途は、知事が自治体と電力会社の意見を聴いて、国の同意を得て作成した公共用施設整備計画に基づく事業の経費に限られていたが、改正が続き、維持管理費やソフト事業にも拡大され、使途は、住民への基礎的サービスが多くを占めるようになっており、交付金の使途をなし崩しにして一般財源とさほど変わらなくしていることは、一般論として基礎的サービスに必要な経費は普通交付税処置されていることと矛盾しているのではないか。見解をお聞かせください。

産業労働部理事答弁・・・原発に係る電源立地地域対策交付金についての(1)上関原発に係る電源立地地域対策交付金の県と上関町への額の配分、(3)使用済燃料中間貯蔵施設に係る電源立地地域対策交付金の公開、(4)電源立地地域対策交付金の使途拡大に関する見解についてのお尋ねにお答えします。

まず、上関原発に係る電源立地地域対策交付金の県と上関町への額の配分についてですが、事業実績等を勘案し、国との協議により決定されています。

次に、使用済燃料中間貯蔵施設に係る電源立地地域対策交付金の公開についてです。

お示しの交付金は、国と上関町との間で直接、申請や交付が行われるものであり、県はその手続に関与をしていません。

 また、現時点、県は当該交付金を活用して事業を行うことは考えておらず、上関町のみに交付されている交付金については、県が独自に明らかにすることは考えていません。

次に、電源立地地域対策交付金の使途拡大に対する見解についてです。

 電源立地地域対策交付金は国の制度であり、お示しのような事柄について、県が独自に見解を述べることは考えていません。

土木建築部長答弁・・・原発関連の御質問のうち、(2)公有水面埋立免許の見直しの検討についてのお尋ねにお答えします。


県としては、今後、免許延長の申請がなされた場合には、その時点において、公有水面埋立法に従って厳正に審査し、適正に対処することとしており、見直しを検討することは考えていません。

再質問・・・上関町の令和5年度電源交付金を活用した事業概要の公表資料で、社会教育施設維持運営事業、地域医療等維持運営事業など全11事業に7800万円、使途は主に人件費、電気代、水道料、浄化槽管理委託料などです。更に加えて視察研修事業で東海原発使用済燃料貯蔵施設を含む視察や、総合計画策定基金造成事業、診療所施設設計基金造成事業の3事業に合計で69,957,500円が交付されています。令和6年度には社会教育施設維持運営費など12事業に1憶3800万円と視察研修事業に200万円の計1億4000万円の電源立地地域対策交付金が交付されています。

しかし、診療所施設建設基金造成事業に7800万円を上関町は予定をしていましたが、5年度で建設予定地の既存施設解体造成費に交付金を使ったものの、軟弱液状化地盤で建設不可で実績額0円となっています。

決算特別委員会の資料には、上関町への電源立地対策交付金は令和5年度分7800万円、令和6年度分は0円と報告しており、これに対する説明は、上関町への交付金は町に直接交付されるが、重要電源開発地点分、つまり原発建設のための交付金の限度額は8000万円で、県も200万円申請しているので、限度額を超えない確認をする必要があるので公表している、であった。

そこで、令和5年度から使用済核燃料の貯蔵施設分も交付されているので、両方の交付金を合わせて公表しないと、限度額超過に関する説明にもならないと思うが、再度お尋ねします。

それともう一点、一般的経費にも使われていることについて、交付税措置との関連についてお答えがありませんでしたけども、お聞かせください。

商工労働部理事答弁・・・原発に係る電源立地地域対策交付金についての再質問にお答えします。まず、上関町に交付される交付金についてですが、電源立地地域対策交付金の1会計年度の限度額は、上関原発に係るもの、使用済燃料中間貯蔵施設に係るもの、それぞれ別に設定されており、限度額を超過するか否かはそれぞれの限度額に照らして判断されるものです。

お示しの県決算特別委員会の資料における数値は、上関原発に係るものであり、県と上関町が活用していることから、県と町の配分額の合計が、上関原発に係る交付金の限度額8000万円の範囲内とする必要があります。

このため、県としても上関町に係る交付金について把握をし、提出したものであり、資料の内容に問題があるとは考えていません。

次に、電源立地地域対策交付金の使途拡大に関する見解についてです。

先ほども申し上げましたが、電源立地地域対策交付金は国の制度であり、お示しのような事柄について、県が独自に見解を述べることは考えていません。