本日は、9月県議会最終日

本日は、山口県議会9月定例会の最終日で、午後から議案等の採決が行われます。
我が会派「社民党・市民連合」を代表して、採決前の討論に登壇し発言します。

討論の主旨は、「地域主権の確立」のためにも、「市町への県建設事業負担金は廃止すべき」と、

自民党・自民党新生会・公明党の3会派の議員提出の意見書に反対する立場で発言します。

この意見書の内容は、新型コロナ対策や自然災害の頻発、さらに南海トラフ巨大地震などの予想などにかこつけて、憲法に緊急事態条項の新設等を盛り込もうと促すものです。(別掲、参照)

以下の内容で発言します。

皆さん、お疲れさまです。社民党・市民連合の中嶋光雄です。

 わが会派は、提案をされています議案第3号に反対します。また、意見書案第1号に反対し、あとの議案及び意見書案には賛成いたします。

 まず、議案第3号 令和3年度の建設事業に要する経費に関し市町が負担すべき金額を定めることについてです。

 この問題は、そもそも地方分権改革推進法に基づき、平成19年4月、内閣府に地方分権改革推進委員会が設置され、同委員会の勧告で、「国と地方の役割分担の考え方」、「基礎自治体への権限移譲」をはじめ、地方行財政に関する全般的・抜本的な改革の必要性が挙げられ、国を巻き込んで議論が白熱した問題です。

 こうした流れの中で、当時の本県の二井関成県知事が、全国知事会の直轄事業負担金制度改革プロジェクトチームリーダーとして大変にご苦労され、平成23年度には、「維持管理費負担金の全廃」にまで漕ぎつけられていますし、全国知事会の「直轄事業負担金制度の改革に関する申し合わせ」で、その中に、「国直轄事業負担金は廃止すべきである。」、さらに、「市町村負担金は直轄事業負担金制度の改革の主旨を踏まえ同様に見直す。」と、取りまとめられています。

しかし、全国知事会が国に対して毎年行っています、施策及び予算についての提案・要望の中で、直轄事業負担金制度の改革の確実な推進の要望事項が、驚いたことに、国に動きが無いとし、平成30年度から削除されていることです。

 確かに全国知事会も国も、ともにかつての民主党政権時代の熱気はどこへやら、その後、この事案は全く進展をしておりません。とはいえ、これまでの要望どおり、制度の廃止や地方への権限と財源の移譲は、国と地方の役割分担の見直しにもつながり、真の地方分権改革のためにも、速やかに実現されるべき事案です。一体、なぜ削除されたのでしょうか。

 さて、提案されていますのは、農林水産16事業と土木建築21事業で、総事業費162億7149万6千円、市町負担額は27億6102万7千円です。市町負担率は、事業内容によってそれぞれ違いますが、最低5%から50%までさまざまで、流域下水道施設維持管理事業は100%になっています。

 県、市町ともに厳しい財政事情ですので、「地域主権の確立」にむけて、この問題の政府要望の復活・実現に向かって、村岡知事には全国知事会等を通じて、負担金制度廃止について声を上げ続けていただくよう要望し、本議案に反対をいたします。

 次に、意見書案第1号、緊急事態に対応できる国づくりに向けた建設的な議論を求める意見書についてです。

 新型コロナウイルス感染症の長期化などにより医療崩壊の危機を招いている。とか、自然災害が激甚化・頻発している。とか、南海トラフ巨大地震等の発生も予想されている。などなどの厳しい現実に直面している。との認識については、その通りだろうとは思います。

 しかし、この現実に至った過程については、違った認識を持っています。

 例えば、医療従事者や病床不足などに対する認識については、わが会派は、感染者の急激な増加の前に、この間の医療政策が病床と病院の削減を続けてきたことこそを問題にすべきだと思っています。

厚生労働省医療施設動態調査から全国病床数の年次推移をみると、1993年には194.6万床あったものが2019年までの26年間で約33万床も削減され、自治体病院は17年間で137病院も統廃合・廃院により削減。感染症専用病床は結核病床も含めて3万床も削減されています。

全国自治体病院協議会「病院経営分析調査報告書」からは、2013年から2019年の6年間で自治体病院のICUが241床も削減されていることが分かります。また、OECD(2019年)資料から人口10万人当たりの医学部卒業生は日本では6.8人にすぎずアイルランドの24.9人に比べるべくもなく病床削減だけでなく医師の削減も行われてきたことが読み取れます。ついでに、全国保健所長会による全国保健所総数の推移をみると、1998年には663カ所だったものが2019年には472カ所に、21年間で71%に激しく削減されています。

つまり、コロナ感染症が「病床をひっ迫」させたというより、その以前から病床はひっ迫だった。ということです。

しかも、このコロナ感染症のさなかの2019年12月末から2020年12月末の1年間でも2万1千床もの病床が削減されています。地域医療構想でも、病院の統廃合を進め、さらに病床削減方針を掲げ続けていますし、風邪薬などを保険適用から外し、売薬とさせる。2030年からの医師養成数を大幅に減らす。医師の長時間労働を可能にする検討を始めた。

さらに言えば、病床削減を行った病院には国の消費税財源で給付金を配るという事業まで準備されています。

コロナ感染症で明らかになった、医療政策・公衆衛生政策の転換こそが急がれている。と思っています。

 次に、自然災害の激甚化・頻発化への認識について意見を述べます。

 大気中のCO2が200年前の産業革命以降の人間の活動の影響で急激に増え地球温暖化が問題になっています。

 「気候のための学校ストライキ」で世界的に注目されている、スウェーデンの環境活動家グレタ・トウーンベリさんも使っている「気候正義」という言葉が、環境問題の背景にある社会構造の不公平さの解消を求める人々によって使われています。

 「エネルギーを消費しながら発展してきた先進国が豊かな暮らしを維持しながら、途上国にCO2の排出量削減を要求する一方、途上国は貧困問題解決や発展のためにエネルギーをつかう権利があると主張する、経済発展の不公平さ。」などなどの問題が指摘されており、地球温暖化問題の背景には、地球規模で世代を超えた不公平な構造があり、その本質に目を向けて改善していこうという主張です。重要な主張だと考えています。

 菅政権は温暖化解決のため、「2050年カーボンニュートラル」を宣言しました。しかし、本議会でも議論になりましたが、「2050年温室効果ガス排出ゼロ表明」についての答弁は、引き続き、慎重に検討する。に留まっており残念です。

 縷々述べましたが、この意見書案では、緊急事態に即時に対応するため憲法への緊急事態条項の新設等について議論を行うなどとなっており、わが会派は与することはできません。

 むしろ、この間、立憲民主、共産、国民民主、社民の野党4党が、「自粛」にはしっかりした「補償を」など、新型コロナウイルス対策を議論するため、憲法第53条に基づく臨時国会召集を求めたことに、菅政権は応じることが先決ではなかったのかと申し述べさせてもらいながら、この意見書案には反対いたします。

以下のような意見書は全国で初めてでしょう。保守王国山口県、安倍前首相の選挙区のある山口県の悔しい現実です。…以前は、意見書は全会一致の原則があったのですが、議会改革(?)の名のもとに多数決になってしまって、忸怩たる思いです。

この意見書は、新型コロナ対策や自然災害対策にかこつけて、「緊急事態に即応し、国民の命と生活を守るための法整備、さらには、その根拠となる憲法の規定の在り方について、建設的な議論が進むことを期待する声は高まっており、国会における議論や、広く国民的な議論を喚起する取組を求めていく必要がある。」…とする、とんでもない代物で、まさに戦争できる国づくりに繋げようとする危険なものと断じざるを得ません。