職員の賃金改定について(R7.2)

1 職員の賃金改定について

  • 今年度の人事委員会勧告について
  • 県職員の多忙化の状況について

一般職の職員の給与に関する条例の一部を改正する一連の条例案が提案されています。隣県島根では昨年の11月定例県議会の初日(11月25日)に提案され即日可決されていますので、遅きに失した感がします。

働く人々のゆとりや豊かさがこの30年間ほどで失われています。地方公務員の賃金と労働条件は、言わば地域の基本にもなってきました。この30年間ほどを見ると、その基になる人事院勧告(県は人事委員会勧告)、つまり労働基本権制約の代償としての人事院勧告には、実質賃金のゆとりを失わせる傾向があったと思われます。

1999年から23年間、月例給は6回も下げられています。ボーナス(特別給)は9回も下げられている。これは実質賃金の低下です。そのほかに手当もあります。これに物価高騰ですから、名目の賃金も、そして実質の賃金も下げられてきたと言わざるを得ません。

それから地域手当も、何で東京都とこの山口県でそんなに格差があるんでしょうか。これも言っていることがおかしいじゃないですか。これは一極集中に歯止めをかけるんじゃなくて、進めるものです。全国一律にすべきなのが、勧告がおかしいと思います。

それから、配偶者の扶養手当の廃止という勧告もいかがなものか。ほとんどの家庭は共働きです、富裕層以外は。

配偶者の扶養手当が必要な家庭とはどういう家庭ですか。今や失業中、子育て、介護、心身の病気などで、しっかり働きたくても働けない御家庭です。それを削るという勧告は、もう地域に連動させて貧困化を進めるものに必ずなっていきます。

また、若い人の賃金、初任給を上げるということは当然ですけど、50歳においては、諸手当も含めてせいぜい2,000円程度の賃上げにしかならない状況も出てきています。年齢による格差が大きくなっています。これでは物価高騰についていけないじゃないですか。

今後、労使でしっかり議論をしていただきたいと思いますが、先ずは、山口県当局としては、今年度の人事委員会勧告のこのような点について、どのような認識をお持ちでしょうかお聞かせください。

次に、働き方で地域のお手本となる県職員の多忙化の状況についてお伺いします。

職員の皆さんの実質賃金も上がっていませんが、加えて問題なのは、人手の不足による多忙化傾向です。そのことによる労働強化は、職員の皆さんの疲労と心身の健康破壊をもたらします。このことを当局の皆さんはどのようにお考えでしょうか。

条例定数と実員数の乖離が激しくなっていませんか。また、職員の定期健康診断の有所見率、健康不調者が増えている。精神疾患による病休者が増えていませんか。これは人件費コストの削減をし過ぎるからでは…。

人手が足りない疲れた職員のその仕事は、いやが応でも県民のへの親切・丁寧な対応ができなくなるのではないでしょうか。やはり必要な職員の人手数の改善が必要だと思いますが、これらに対する認識もお伺いします。

総務部長答弁・・・

職員の賃金改定についての3点のお尋ねにお答えします。

まず、今年度の人事委員会勧告への認識についてです。

 職員の給料・諸手当については、国及び他の地方公共団体並びに民間の給与水準などとの均衡を図ることを原則とする人事委員会勧告を基本として決定すべきものと考えています。

 このたびの勧告についても、人事委員会が、国及び民間等の給与等の状況を踏まえ行ったものと考えており、県としては、引き続き、人事委員会勧告を尊重する姿勢に立って適切に対応してまいります。   

次に、県職員の多忙化の状況に関する2点のお尋ねにまとめてお答えします。

 職員の心身の不調については、職場や業務に関することだけでなく、様々な要因が重なって起こるものと考えられますが、県としては、全ての職員が心身ともに健康で、その能力を十分に発揮できるよう、働きやすい職場環境の整備と職員の健康管理に努めることが重要であると考えています。

また、職員数については、これまでも組織のスリム化や業務量の削減等を定員管理に適切に反映する一方、保健所の体制強化やデジタル化の推進等の主要課題に対しては、重点的な職員配置を行っており、その結果、令和2年度以降は増加傾向となっております。

このたび最終案を取りまとめた「新たな行財政改革推進方針」においても、この考え方で定員管理に取り組むこととしており、具体的な目標として、知事部局等の職員数について現行水準の維持を掲げたところです。

県としては、今後、この方針の下で、引き続き必要な行政サービスを安定的に提供できるよう、人的基盤の一層の強化を図っていくこととしており、それに向け、デジタル化を活用した業務の効率化や新たな働き方の実現を図る「やまぐちワークスタイルシフト」等の取組を進めてまいります。