1.「サナエノミクス」と地方財政について

2026.3.11 2月定例県議会一般質問

1、「サナエノミクス」と地方財政について、先ず、伺います。

高市総理がその路線を引き継いでいるとされている安倍内閣の経済財政政策アベノミクスと高市内閣の経済財政政策サナエノミクスではその置かれている経済状況が全く異なります。安倍内閣ではデフレ下で黒田総裁の率いる日銀と事実上一体となって金融財政政策に取り組みました。デフレ脱却と経済再生のためとする金融財政成長戦略の3本の矢と言われるものです。大胆な金融緩和、機動的な財政出動、民間投資を喚起する成長戦略を同時展開し雇用改善や株価の上昇に一定の効果がありました。

しかし東京と地方、貧富の格差が拡大固定化し持続的な成長にも課題を残しました。

アベノミクスの産みの親と言われ、アベノミクスを理論的に支えたリフレ通貨膨張派の代表的な経済学者でエール大学や東京大学名誉教授の浜田光一氏も、雇用増と金融緩和による株高を評価する反面、アベノミクスの反省点を上げています。1つとして実質賃金の低迷と個人消費の停滞。2つ、任期中の2度にわたる消費増税による景気の腰折れ。3つ、3本の矢の成長戦略が不十分で構造改革が不発。4つ、円安株高を招いた金融緩和の1本足打法。5つ、デフレ脱却の不十分さを列挙されています。

また浜田氏は、サナエノミクスでは日本は不況になるとも警告しています。高市内閣の発言を伺うと円安を放置というより株高を招くためにむしろ歓迎しているようにさえ思います。物価高の元凶は円安であることは明らかです。

一時的な物価対策を講じても、もぐら叩きのような効果しか望めません。現に実質賃金は大幅な賃上げにも関わらず低下し続けています。さらなる格差の拡大が懸念され、地方経済は容易ならざる状況になることが懸念されます。

そこで知事に伺います。現在ウクライナ戦争等の影響で日本はインフレ経済になっており、高市内閣が、その中で積極財政を取ることはインフレの火に油を注ぐことになりかねないと強い懸念がありますが、責任ある積極財政が県経済に及ぼす影響について伺います。

2つ目、ガソリンの暫定税率が廃止され、軽油の暫定税率も廃止される見込みですが、それによる県財政や中期財政見通しへの影響について伺います。また、飲食料品の消費税率がゼロとなった場合の山口県財政への影響とそれに対する国の財政措置について伺います。

国では新たに策定された国土強靭化中期計画により防災減災対策を進めていくこととされていますが、県にも応分の財政負担が発生すると思われます。

監査委員から決算及び基金の運用状況に係る審査意見書において、(令和7年3月に策定した新たな)行財政改革推進方針に基づき、行財政基盤の一層の強化を図るため、人的、物的、財政資源など限りあるリソースを質的に充実させ、急速な社会変革への対応や多様化・複雑化する行政課題の克服に向け、行財政基盤の一層の強化を図り、「安心で希望と活力に満ちた山口県」を実現するため必要な行政サービスを持続的・安定的に提供できるよう取り組まれたい。

また、財政健全化に向けては、財政硬直化の要因となる県債残高の縮減に向け特別分に加え一般分の県債残高についても着実に削減を図るとともに、プライマリーバランスの黒字を堅持する財政運営に努められ、(県債)残高の縮減に取り組まれたい。との指摘を受けている。

県では令和8年度当初予算編成において、具体的に、どういった取り組みを行い健全財政を維持していくのか、以上3点を知事に伺います。

総務部長答弁・・・

(1)県経済に及ぼす影響について

「サナエノミクス」と地方財政についてのお尋ねのうち、県経済に及ぼす影響についてお答えします。

 国は、「責任ある積極財政」を掲げ、財政の持続可能性を確保しながら、大胆な投資により「強い経済」を構築することで、賃上げの原資を生み出し、物価上昇を上回る継続的な賃上げを実現するという好循環を目指す、とされています。

こうした国の政策は、強い産業による成長を県民の暮らしの安心へと繋げる「成長と安心の好循環」を目指す本県の取組と方向性を同じくするものであり、国と県の政策により相乗効果が期待できると考えております。

(2)税制改正に伴う県財政への影響について

「サナエノミクス」と地方財政に関する数点のご質問にお答えします。

まず、税制改正に伴う県財政への影響に関するお尋ねのうち、ガソリン及び軽油の暫定税率廃止の影響についてです。

令和8年度当初予算において、約62億円の減収と試算しており、次年度以降も同程度の規模で推移するものと見込んでいます。

この減収分については、来年度は地方特例交付金で全額が補填されるほか、国において暫定税率の廃止に係る安定財源が確保されるまでの間、地方の財政運営に支障が生じないよう、地方財政措置により適切に対応することとされており、県財政への影響はないものと考えています。

また、飲食料品の消費税率がゼロとなった場合の県財政への影響とそれに対する国の財政措置については、現時点において、単年度で約60億円の減収が見込まれますが、消費税減税については今後、国において議論されるものと承知をしており、その動向を注視してまいります。

(3)令和8年度当初予算編成における健全財政の維持について

令和8年度当初予算編成における健全財政の維持についてのお尋ねにお答えします。

県では、今年度からスタートした行財政改革の推進方針に基づき、持続可能な財政基盤の確立を図ることとしています。

来年度予算編成においては、「成長と安心の好循環」に向けた施策の構築や、施設の老朽化対策などに適切に予算を措置すると同時に、経費削減や基金の活用などにより、県債発行の抑制や財源の確保に努めたところです。

結果、推進方針の成果指標である、プライマリーバランスは黒字を堅持し、一般分の県債残高についても約5億円の減少見込みとなりました。

また、財源調整用基金についても、100億円以上を確保するとともに、施設の老朽化対策等に備えるため、3月補正予算において、安心・安全基盤強化基金に35億円を積み立てたところであり、県としては、引き続き、持続可能な財政基盤の確立に向けた取組を進めてまいります。