農業振興、特にスマート農業

2021年9月議会

2020年農林業センサスの調査結果(確定値)によると、本県の経営耕地面積が30アール以上または1年間の農産物販売金額が50万円以上の農家を指す販売農家数は、5年前の2015年は20,307戸であるのに対して、今回は14,837戸と、わずか5年で26.9%も減少。ちなみに20年前は39,731人でしたので62.7%も減少しているという厳しい結果が明らかになっています。また基幹的農業従事者の平均年齢は全国で最も高く72.3歳(前回71.7歳)と高齢化も進んでいます。このように、農業従事者の減少、高齢化が進み、将来の労働力不足が懸念される中、食料生産の基盤である水田や畑地の維持をしていくためには、一つには農業従事者の確保を進めていくこと、そしてもう一つには、一人当たりの作業面積の限界を突破して、より多くの面積を効率的に管理する省力化、そして収穫増の技術革新が求められます。そしてそのためには、今注目されているスマート農業による技術革新が重要であると思います。

そこで一点目に、知事はスマート農業の意義をどう認識され、県の農業施策にどのように位置づけているのか、お示しください。

併せて、今後スマート農業を進めていくとしても、地域振興の観点、水田農業、施設園芸、中山間地など、それぞれ地域の特性に応じた活用が必要ではないでしょうか。そこで、興味を持たれた農家の方々がスマート農業を理解できるような実証、これはどのようになっているのか、お尋ねします。

二点目に、スマート農業機械の導入についてです。確かにスマート農業機械は、これまでの機械に対し作業効率や省力化が格段に向上していますが、ロボットトラクターや環境制御装置は、いずれの価格もかなり高額です。高額な農業機械、設備によって農家負担が過大となり、経営が厳しくなったでは本末転倒です。

そこで、スマート農業機械の導入には、農家の負担が過度にならないように県の支援が不可欠だと考えますが、現在、県では地域を支えている水田農業や園芸農業で、負担軽減のため、どのような支援をされているのか、お答えください。

その上で、さらに導入が促進されるために、今後県としてどのような支援をしていくおつもりなのかお聞かせください。

村岡知事答弁・・・

中嶋議員の御質問のうち、私からは、スマート農業の意義と農業施策への位置付けについてのお尋ねにお答えします。

 スマート農業は、作業の省力化や軽労化、生産工程の精密化等により、更なる生産性の向上や農産物の高付加価値化を実現するものであることから、私は、これからの農業のあり方を大きく変革させる手段になるものと認識しています。

 こうした中、担い手の減少や高齢化が進む本県農業を活性化させるためには、集落営農法人の育成や新規就農者の確保と併せ、飛躍的な生産性の向上が期待できるスマート農業を積極的に導入していくことが重要です。

このため、「やまぐち維新プラン」において、「先端・先進技術の研究開発・実用化の推進」を重点施策に位置付けており、引き続き、国の研究機関等とも連携しながら、地域特性に応じたスマート農業技術の開発や普及促進に取り組むこととしています。

まず、技術開発については、主要作物の水稲を中心に、省力効果の高い技術の導入を促進するとともに、収益性の高い園芸作物についても、多様な担い手が取り組みやすい技術の確立を図ります。

また、現在、整備を進めている「農林業の知と技の拠点」においては、先端技術を活用した、省力化や所得向上に繋がる技術の開発に取り組みます。

次に、普及促進については、実用段階にある農業機械の実演会などを通じて、スマート農業への理解促進を図るとともに、生産者が安心して導入できるよう、地域の要請に応じた専門家派遣など、きめ細かな支援を行います。

私は、引き続き、関係団体等と緊密に連携しながら、本県農業の持続的な発展に向け、スマート農業技術の開発と普及

・定着にしっかりと取り組んでまいります。

その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。

農林水産部長答弁・・・

農業振興、特にスマート農業についての数点のお尋ねにお答えします。

まず、農家の方々がスマート農業を理解できるような実証についてです。

昨年4月に設立した「山口県スマート農業導入加速協議会」を中心に、条件の異なる8地域において、地域の特性や生産者のニーズに応じた様々なスマート農業機械や装置を貸し出し、現地実証を行っているところです。

次に、農家の負担が過度にならないスマート農業機械の導入支援については、費用対効果を判断した上で、導入を希望する法人等が活用できる国や県の補助事業を提示するとともに、相対的なコスト低減に繋がる規模拡大や複数法人での共同利用などを推進しています。

次に、今後の導入促進への支援については、スマート農業の導入が本県農業の活性化に繋がるよう、市町やJA、農機メーカー等の関係機関と連携しながら、引き続き、ハード・ソフト両面からの対応を行ってまいります。