新年度予算及び施策について問う

経済活動で生み出された利潤・税の再分配
村岡知事におかれましては、3期目のかじ取りにあたり、県民の命と健康を守り抜くため、また、人口減少対策や度重なる自然災害やコロナ禍による疲弊した県内経済を再興するための経済政策を押し進めていただければと思います。

ですが、私自身は、3期目の村岡知事の県政運営に当たっては、これまでの経済政策で進めてきた利潤・税、いわゆる果実の再分配の政策に注目していきたいと考えています。

生活困窮世帯への対応、子育て世帯への支援、教育環境の整備、雇用対策等の命が脅かされている生きるための生存権を守り、人権尊重の理念に基づいた施策に再分配を行う県行政の推進が必要だと考えています。

コロナ禍によって、これまで見えにくくされていた格差社会の、社会的課題の背景が、社会の脆弱性があぶりだされたのではないでしょうか。

日本の賃金は、経済協力開発機構、OECD各国と比べても22位と低位にあり、厚生労働省が示す実質賃金指数は2015年100に対し2020年は98.6となり物価の上昇に賃金が追い付いていませんし、連動して年金の引き下げも続いています。また、2019年国民生活基礎調査では全体の相対的貧困率は15.4%、子どもの貧困率は13.5%と、子どもの7人に1人が生活困窮の、いわゆる貧困状態にあります。

コロナ禍の県内において、社会福祉協議会が生活に困った世帯に貸し付けている生活福祉資金の貸付実績は、令和2年9月30日現在で、5,847件・1,627,242千円が、令和3年9月には14,091件・5,429,888千円に、(最新では、15,499件・5,967,721千円、再貸し付けが2,334件・1,203,196千円)となっており、生活困窮の厳しさが表面化してきています。

分配機能が県内の生活に困っている方々の隅々にまで、行き届いていない証左ではないでしょうか。

「非正規の不安定雇用」、「突然の解雇」、「働いても、働いても暮らしが楽にならない」等、親の就労状況や、マルトリートメント(不適切な養育)によって、「学びたいけれども学べない」、「進学したいけれども諦めなくてはならない」、子ども達の将来の夢や希望を打ち砕いてしまう社会的課題に届く財政措置と政策が必要です。

そこで、知事2期8年の経済施策の成果・課題、そして3期目のスタートに当たり、生活困窮世帯への対策、子育て福祉の充実、教育環境の整備、雇用対策への税の再分配について、知事の考えを伺います。

村岡知事答弁・・・

 中嶋議員の御質問のうち、私からは、経済活動で生み出された利潤・税の再分配に関して、3期目に当たっての経済政策についてのお尋ねにお答えします。

 私は、これまでの2期8年間、活力に満ちた産業や活気ある地域の中で、県民誰もがはつらつと暮らせる「活力みなぎる山口県」の実現に向け、全力で取り組んでまいりました。

 このうち、産業振興については、積極的な企業誘致によって、5,000人を超える新規雇用を創出するとともに、本県の強みであるものづくり産業の成長支援や国内外での新たな市場開拓等に取り組み、これらを通じて、県内総生産と県民所得の向上に努めてきたところです。

 そうした中で、法人二税をはじめとする毎年度の県税収入は、コロナ禍で一旦は減少したものの、一貫して増加傾向を維持しています。

 また、県民の暮らしに関しては、企業や団体、地域の皆様と協働しながら、子育て支援の充実をはじめ、女性や高齢者・障害者の活躍促進に取り組むとともに、全国に先駆けて県立学校のICT環境を整え、子どもたちの可能性を広げる「やまぐちスマートスクール構想」も推進してまいりました。

 さらに、コロナ禍においては、生活困窮世帯や家計が急変したひとり親家庭に給付金等を支給したほか、中小企業の事業継続への支援などに万全の対策を講じているところです。

 これらの結果、県政世論調査においても、県民の「暮らしの満足度」は、着実に高まってきています。

 一方で、長引くコロナ禍は、地域経済と県民生活に大きな影響を及ぼしており、一日も早くこれを再生し、本県の元気を取り戻していかなければなりません。

 このため、来年度においては、事業活動の維持・発展への支援や、需要喚起等による地域経済の回復に最優先で取り組んでまいります。

 そして、生活困窮者対策や雇用対策、子育て・教育環境の充実など、様々な社会課題にしっかり対応し、県民の暮らしの再生を図ってまいります。

 具体的には、子ども食堂の開設・運営や高校生等の就学への支援、雇用セーフティネットの強化などに引き続き取り組むとともに、新たに、総合支援学校に先進的なデジタル技術を導入し、児童生徒の自立と社会参加を促進していくこととしています。

 さらに、私は、県政の幅広い分野において、デジタル技術を積極的に活用し、これまで対応が困難であった地域課題の解決と、新たな価値の創造に取り組み、より高いレベルでの成長の実現と安心の確保を目指してまいる考えです。

 私は、今後とも、その時々の社会経済情勢や県民ニーズ等を踏まえた施策を適切に実施し、安心で希望と活力に満ちた山口県の実現に取り組んでまいります。

 

県の教育費について問う
 さらに再分配について、児童生徒の学びいく教育条件である教育費の財源確保と教職員の配置について伺います。

OECD加盟各国の「図表で見る教育」資料によると、2018年の日本の教育における国内総生産に占める公財政支出の割合は、OECD平均4.1%を大きく下回り加盟国中最下位の2.8%となっています。

山口県の歳出総額に占める教育費の割合は決算ベースで2019年度23.6%、2020年度では19.3%に、当初予算ベースで2021年度18.3%、2022年度は17.0%と、主に人件費の縮減で低下しています。さらに文部科学省発表の2020年度の地方教育費調査報告書によると、児童生徒一人当たりの小学校教育費は全国で17位、中学校は11位の状況です。

山口県の将来を憂う時、県経済や社会、持続可能な地域活動を担う人材の育成が必要なことは言うまでもありません。

特に、生活に困窮し、不利な環境にあえいでいる子どもたちの健康と教育に、積極的に再分配し、先行投資することは必然ではないでしょうか。

山口県における教育費への分配が少ないことに対する教育長の見解について伺います。

副教育長答弁・・・

 新年度予算及び施策についての教育に関する数点のお尋ねのうち、まず、経済活動で生み出された利潤・税の再分配についての2点のお尋ねにお答えします。

最初に、県の教育費についてです。

県教委予算は、給与関係経費が大部分を占めており、いわゆる標準法に基づく教職員定数が減少したことなどから、県予算に占める割合が低くなったものと考えています。

教職員の配置について問う
 教職員定数に対して、臨時的任用教職員を配置している割合、いわゆる中長期教員採用方針について伺います。

子どもたちの最も大切な教育条件は教職員であることは論を待ちません。本年度の小学校1年生の30人学級化は5校にすぎず残念です。小学校における35人学級の導入、教科担任制の導入、教職員の定年延長制度の導入など、状況変化に対応しうる採用計画の検討と併せ財源の確保が必要です。

教員の働き方改革の一丁目一番地は教員の数と教員の本務者化の追及だろうと考えますが、定数内臨採の解消に向けた具体的な方針も含め教育長の見解を伺います。

副教育長答弁・・・

  教職員の配置についてです。

  教職員の定数が標準法で定められている中、県教委では、児童生徒数や退職者数の推移などを総合的に勘案し、中長期的な視点に立って、可能な限り正規教員の採用に努めているところです。