5、安心・安全な医療供給体制の構築について

2026.3.11 2月定例県議会一般質問

5、安心・安全な医療供給体制の構築について

社会的共通資本にかかる健康福祉関係です。病院の役割分担と連携強化による安心安全な医療供給体制の構築について伺います。

病院は大きな転換点に至っていると感じています。少子高齢化の進行で一層高齢患者の比率が増加していることは明らかです。2000年4月に介護保険が導入され医療と介護の棲み分けが進み、その当時は患者の層が介護への転換が進み若返ったと感じましたが、近年は再び高齢化が進んでいると感じています。

データから見ても日本の病院受診件数、特に外来は横ばいか微減傾向にある、一方、介護保険サービス利用者は制度開始以来一貫して増加しています。これは高齢化の進展と医療から介護へのシフトという政策的な背景が影響しているものだと思います。

病院受診者数の推移ですが、入院患者数は2000年代半ば以降減少計向にあります。これは高齢者人口が増加しているにも関わらず平均在院日数の短縮化が進んだためです。外来患者数は全体として横ばいか微減傾向ですが、高齢者特に75歳以上の占める割合は増加しています。将来推計ですが、厚労省の推計では入院患者数は2040年頃にピークを迎え、その後に減少に転ずるとされています。

介護利用保険利用者の推移です。利用者数認定者数は介護保険制度が創設されて以来サービス利用者数と要支援・要介護認定者数は大幅に増加しています。65歳以上の被保険者数が約1.6 倍に増加する中でサービス利用者は約3.3倍に増加しました。これは制度開始から約20年間のデータです。要支援・要介護認定者数は2019年4月時点で 659万人とこの19年間で約3.0倍になっています。   将来推計は高齢者人口の増加に伴い要支援・要介護認定者数は2040年頃まで継続して増加する見込みです。訪問診療や在宅サービスの利用者数も今後多くの地域で増加し、2040年以降にピークを迎える地域が多いと見込まれています。これらの背景には団塊の世代が後期高齢者となる2025年問題や重度な要介護状態となっても住み慣れた地域で生活できるよう医療・介護・予防、住まい生活支援が包括的に提供される地域包括ケアシステムの構築といった社会的な取り組みがありますが、医療・介護従事者の不足や偏在によって等しく受給できることが基本の社会的共通資本の便益を受けることができなくなることが懸念されています。

近年、女性の医師や男性の看護師が増え男女共同参画の先駆的な事例もみられ、

また、医療機器の進化・高度化は、まさに目を見張るばかりです。しかし医療従事者の方の忙しさは相変わらずで、私も、慢性病の診察に毎月病院通いをしていますが、しばしば医師の診察が終わるのは12時をまわります。医師などの昼食・休憩時間にずれ込み、まさに目が回るような忙しさが続いています。県内の医療機関はどこも同じ状況であることは様々なデータからも明らかです。

また、とりわけ公立・公的病院は、その設立の経過と使命から経営は厳しく地域の生命を支えるために公的な支援は不可欠です。

そこで健康福祉部長に伺います。

まず、医療関係についてです。1つ、新たな地域医療構想の策定に向けては既存の医療圏の状況を踏まえ構想区域の見直しを検討していく必要があると考えますが、県の見解と今後の対応について伺います。

2つ、今後の医療ニーズの変化を踏まえ、地域型病院と広域型病院の類型化を

早急に進め、さらなる役割分担と連携体制の構築に取り組む必要があると考えますが、今後の県の対応について伺います。

3つ目、民間医療機関の高度先端医療からの撤退の動きもありますが、公立・公的病院がその役割を担うべきと考えますが、見解について伺います。

4つ目、食材費や光熱水費、燃料費等の増加が医療機関の経営を圧迫する中、県としても国の施策の活用や県単独での対応が求められると考えますが、取り組み状況と今後の対応について伺います。

 

次に看護介護関係について、1つ目です。看護師確保対策については新規資格取得者の県内就職状況、大学等県内養成機関の実態と支援策、専門性の高い看護師の養成状況と再就職人数及びそれに対する支援策について伺います。

2つ目です。第8期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数は、2040年には県内で3万1,750人とされていますが、介護職員確保対策について県内介護職員数とそのうちの介護福祉士の人数及び割合、介護福祉士の新規資格取得者の人数、大学等県内養成機関の実態と施策について伺います。

3つ目です。低賃金により福祉介護人材の離職者が多く人材不足は深刻です。国は介護報酬を本来令和9年度改定のものを期中改定を行い2.0%引き上げ、さらに令和9年度も実態調査に基づき対応するとしています。改定については評価しますが、まだ他職種の就業者との賃金格差は大きいのが現状です。さらなる対応が必要であり、福祉介護人材確保のため国に継続した処遇改善を求めるべきと考えますが、いかがですか?

4つ目、訪問介護事業者の休業や閉所が全国的に相次いでいます。東京商工リサーチの調査によると2025年の介護事業者の倒産件数は過去最多の176件で、そのうち訪問介護が91件、52%を占めています。また同様に、休廃業・解散件数は653件で、うち訪問介護は実に465件、71%を占めています。山口県の倒産件数は1件です。条件不利地域の中山間地を抱える事業者はとりわけ厳しい経営状況にあります。訪問介護報酬の引き下げを撤回し、介護報酬の引き上げ再改定を早急に行うように国に引き続き求めるべきと考えますが、いかがでしょうか?

我が国の医療介護提供体制は世界に冠たる国民皆保険を実現した医療保険及び2000年に創設され、社会に定着した介護保険制度のもとで着実に整備されてきました。一方 高齢化の進展に伴い疾病構造が変化し、これに合わせて必要な医療介護ニーズが変化するなど医療介護の提供体制を取り巻く環境は厳しさを増しています。是非とも前向きな答弁を期待します。

健康福祉部長答弁・・・

(1)医療関係について

医療提供体制についての3点のお尋ねについて、まとめてお答えします。

県では、今後、国から示される新たな地域医療構想に係るガイドラインに基づき、医療提供体制構築などの観点を踏まえた構想区域の設定や、急性期医療を担う公立・公的医療機関を含めた県内医療機関の医療機能の更なる分化・連携について、関係者の意見を伺いながら、検討を進めてまいります。

次に、医療機関への経営支援についてです。

物価高が長期化する中、県内医療機関の経営安定化に向けて、県では、これまでも累次にわたり、国の重点支援地方交付金を活用し、光熱費や食材料費に対する支援に取り組んできたところです。

さらに、令和8年度においても、医療機関の持続可能な経営に資するよう、高騰する光熱費や食材料費に対し、引き続き支援してまいります。

(2)看護介護関係について

次に、看護介護関係についての御質問のうち、まず、看護師確保対策についての数点のお尋ねにお答えします。

最初に、新卒者の県内就職の状況についてですが、令和7年3月の県内看護師等養成所卒業者の県内就業率は、約6割となっています。

次に、大学等県内看護師等養成所の実態と支援策については、県内の看護師等養成所は25施設あり、大学等を除く養成所に対する運営費補助や、看護学生への修学資金貸与等を行っています。

次に、専門性の高い看護師の養成状況についてですが、認定看護師など、専門的な知識や技術を有する県内の看護師は、約550人となっており、資格取得に係る研修受講希望者に対し、受講料の補助を行っているところです。

次に、再就業者数とそれに対する支援策については、令和6年度に再就職した看護職員は、約800人となっており、山口県ナースセンターにおいて、再就業の希望者に対し、最新の看護技術や知識の習得に向けた研修等を実施しています。

 次に、介護職員確保対策についての数点のお尋ねにお答えします。

まず、県内介護職員数については、令和4年度時点で2万8,124人、そのうち介護福祉士数については、1万4,182人で、介護職員に占める割合は約5割となっています。

次に、介護福祉士国家試験の県内合格者数についてですが、令和6年度は516人です。

次に、県内養成機関の実態と国家資格取得促進に向けた施策についてですが、県内の介護福祉士養成施設は3施設あり、学生への修学資金貸与等を行っています。

次に、介護報酬についての2点のお尋ねにまとめてお答えします。

 介護報酬などの介護保険制度については、その給付と負担の在り方を含め、国の責任において十分な議論の下、制度設計されるべきものと認識しています。

県としては、将来にわたり安定した制度となるよう、これまでも国に要望してきたところであり、引き続き、適切に対応してまいります。